【読書記録】CONVENIENCE STORE WOMAN(コンビニ人間:英訳版)
CONVENIENCE STORE WOMAN とは
村田沙耶香さんの小説で、芥川賞受賞作品の英訳版。英語だけでなく、40ヶ国語以上に翻訳されている、世界的ベストセラーです。
要約
主人公は、幼い頃から変わりものだった36歳の未婚女性、古倉恵子。大学時代にはじめたコンビニのアルバイトでは、普通の人間として社会の歯車になることできたと感じていました。しかし、大学卒業後も就職せずコンビニバイトは18年目に。今度は、「結婚は?」「ちゃんとした仕事につかないの?」と、また変わった目で見られるようになります。そんなとき、コンビニにやってきた新人バイトの白羽との奇妙な同居生活がはじまり、恵子の人生にも変化が訪れようとします。
読んだ理由
図書館で、村上春樹さんの本の英訳を探していて、隣にあったので間違って手に取りましたが、紹介文を読んで面白そうだったので、そのまま借りてみました。
読みやすさ
TOEIC820点代の私が読んで、時々単語や熟語を調べる程度で、難しすぎることなく読めるレベルでした。ただ、白羽の話す内容は、少し読むのに苦労しました。恐らくですが、白羽の会話はたぶん日本語でもちょっと意味不明なのでは?と思います(彼のキャラクター設定的に)。全体的には、身近なコンビニが舞台ということもあり、英語でもとても理解しやすかったです。
感想
幼少期の主人公のエピソードが、サイコパス感が強くてなかなか衝撃的なのですが、自分もその行動の何がダメなのかうまく説明するのはちょっと難しくて…それが、主人公に共感できるような、できないような不思議な感情を生み出し、あっという間に物語の世界に引き込まれていきました。
また、主人公の持つ「周りと同じであることの安心感」は、自分も中高生くらいの頃には感じていたものであり、特に日本人なら誰もが少なからずそういう部分があるのではないか…とも思いました。「普通」でいたいという気持ちと、自分らしさや自分にとってしっくりくること、の間で揺れ動く主人公に自分らしさをどう大切にするかを考えさせられずにはいられませんでした。
まとめ
『コンビニ人間』は、読みやすい文章でありながら、読者に深く考えさせる力を持った作品です。普通でいることの安心感と、それに逆らって自分らしく生きることの難しさは、誰もが一度は感じたことがあるテーマだと思います。
この本を読み終えたとき、恵子の視点を通して、自分自身の生き方について再考する良い機会になりました。
まだ読んでいない方は、ぜひ読んでみてほしい1冊です!