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このnoteについて
小説家の岩井圭也といいます。
このnoteでは「活字ラジオ」と題し、音声入力によって作成した1000字前後のコラムを2023年6月17日から毎日更新しています。
岩井圭也について
作家。1987年生まれ。大阪府出身。
2018年、『永遠についての証明』で第9回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。2023年、『最後の鑑定人』で第76回日本推理作家協会賞(長編および短編集部門)候補、『完全
表現することは、外縁をつくること
村岡俊也『穏やかな ゴースト 画家・中園孔二を追って』という本を読みました。
この本は、25歳で亡くなってしまった画家・中園孔二の評伝です。中園がいかに天才だったかというエピソードは色々出てきます。例えば、藝大の1年生の頃から同級生たちが中園の影響を無視できず、中園に似た作品を作るようになってしまったり。卒業制作で作った絵が現在では東京都現代美術館に収蔵されていることだったり。あるいは、本格的な
学生時代のアルバイト先
僕は学部生時代に4年間、大学院生時代に2年間、計6年間、札幌で学生時代を過ごしました。その間にいくつかアルバイトも経験しまして。単発でやったものも結構ありましたね。模試の監督のアルバイトとか(教室内の温度が暖房のせいで上がりまくっていないのに全然換気しないポンコツぶりのせいでそれ以後声はかからなかったんですが)。
特に長くやってたのが、コンビニのアルバイトでした。特にセイコーマートという、北海道
専業作家だけが見る悪夢
今朝の目覚めは最悪でした。僕は起きる前に夢を見ることがけっこうあるんですけれど、大抵の場合、内容は忘れてしまいます。なんとなく、見た「印象」だけが残るくらいで。ただ、今朝見た夢ははっきり覚えていて。出したばかりの新刊が全く売れずに絶望するという、とんでもない悪夢でした。
理由はわかっていて。これは、寝る前に色々と新刊のことを調べたり、新刊に関連するメールを見返したりしていたせいだと思います。新刊
「チャリティー百人一首」に寄稿しました
昨日の午後9時に情報解禁となりましたが、胎動短歌会が刊行するチャリティー百人一首に寄稿者の一人として参加しました。詳しくは、こちらのXのポストをご覧いただければと思います。
こちらの企画は、能登半島地震の被災者支援を目的としています。収益から運営経費を除いた全額が、「石川県令和6年能登半島地震災害義援金」として寄付されます。
日曜日に開催される文学フリマ東京で初売りがされる予定で、電子書籍とし
エッセイ公開&田辺取材記
昨日、別冊文藝春秋のnoteアカウントで、『われは熊楠』刊行に寄せて書いたエッセイが全文公開されました。また、今年1月に和歌山県田辺市で取材を行った際の様子を、40枚以上の写真とともにお届けしています。こちらから全て読むことができますので、よろしければご一読ください。おそらく『われは熊楠』を読む前でも、読んだ後でも、楽しんでいただくことができると思います。
今日は、この取材の模様を簡単にお話しし
サイン本を作りました
昨日は芳林堂書店高田馬場店さんで、新刊『われは熊楠』のサイン本を作らせていただきました。こちらのお店では、事前に宛名入りのサイン本を募集してまして、昨日そちらを作成させてもらいました。他にも『永遠についての証明』『夏の陰』『プリズン・ドクター』など既刊のほか、『われは熊楠』も宛名なしの通常のサイン本を作らせてもらったので、よろしければチェックしてみてください。
サイン本を使わせていただくというの
『われは熊楠』公式発売日です
本日5月15日は、新刊『われは熊楠』の公式発売日です。
早いところだと、昨日から店頭に並んだりしている書店さんもあるようなんですが。書籍の発売日というのはあくまで目安で、少し早めになるところもあれば、少し遅れるところもあります。配送の都合で前後してしまうのは、申し訳ないのですがいたしかたないのです。なので、今日が公式発売日ではあるんですが、まだ入荷はしていないという書店さんもあると思います。ただ
日本推理作家協会賞、受賞ならず
昨日は第77回日本推理作家協会賞の選考会が行われました。拙作『楽園の犬』は、長編および連作短編集部門にノミネートされていましたが、受賞はならずでした。受賞されたのは、青崎有吾さんの『地雷グリコ』と荻堂顕さんの『不夜島(ナイトランド)』でした。青崎さん、荻堂さん、おめでとうございます。その他の結果は各種報道を参照ください。
もっとみる同じ分野の先行作品をどこまでチェックするか
今日はいただいた質問にお答えしていこうと思います。なお岩井への質問は、いつでも、どなたでも、どんな内容でも、こちらから投稿していただけます。(質問の採否は岩井にお任せください)
本日、お答えする質問はこちらです。
毎日更新をはじめて、来月で1周年になります
このnote「活字ラジオ」の毎日更新を始めたのが、2023年の6月17日なんですけども。毎日更新を始めて、来月17日で丸1年になります。まさか自分でも、ここまで続くとは思ってなかったです。
もっとみる書店員さんからのゲラ・プルーフ感想
5月15日に新刊『われは熊楠』が出ますが、その発売前にゲラを版元からご希望の書店員さんにお配りさせていただきました。念のため説明すると、ゲラというのは校正刷りのことで、いわば、刊行される一歩手前の状態の原稿です。ほぼ完成に近い原稿、というイメージですね。先日、そのゲラに寄せられた感想をまとめて拝読しました。
もっとみるなぜか納豆を食べさせてくる人たち
僕には基本的に嫌いな食べ物ってないんですが、唯一苦手なのが「納豆」です。
僕は出身が大阪なんですが、こう話すと「関西の人って、納豆が苦手な方多いですもんね」というリアクションをいただくことも多いです。実際そうなんでしょうが、実は僕以外の家族、父・母・妹はみんな納豆が好きで。納豆ってよく、3個入りのパックで売っていると思うんですけれど、僕が食べられないおかげで、ちょうど3人で1食分になるんですよね
色々な小説を書いてきたつもりで、実はたった1つのテーマを書いてきたのかもしれない
僕はこれまでいろんなジャンルの小説を書いてきました。ミステリーだとか、ヒューマンドラマだとか、評伝小説とか、SFとか、外面的には様々なジャンルで書いてきまして。確かにそれは、複数のジャンルで書いているのかもしれないし、それを卑下するつもりはないんですけれど。ただ、それはあくまで外枠の話であって、本質的にはずっと同じ話を書いてきたのかなということを最近思うようになりました。
もっとみる新刊『科捜研の砦』が6月に出ます
2022年の7月に『最後の鑑定人』という単行本をKADOKAWAから刊行しました。この連作短編集では、民間の科学鑑定所で代表を務めている土門誠という男が、科学技術を駆使して様々な事件に対峙していく模様を描きました。そしてこの度、この土門誠の過去を描く連作短編集『科捜研の砦』を6月28日に刊行することとなりました!
もっとみるはじめての創作活動と母
次の日曜日は母の日ということで、遠方に住む母にお花を送ったんですけれども。その作業している時、ふと、今の自分が作家をやっているのは母のおかげでもあるなという出来事を思い出しました。
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