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「思い込み、出来ると信じる」~エディターコース★エッセイ講座~上級Ⅵ期・初中級Ⅵ期・初心者Ⅰ期~

サーブの時はていねいに高く球をあげる。タイミングよくラケットの中央にあてサーブを打ち込む。中央の線ぎりぎりのところに速い球を打ち込み、返される。ここまでは想定通り。これからが勝負になる。

何度かラリーを繰り返し、相手も苦しそう。灼熱の暑さの中、もう出る汗もないくらいだ。ここでラリーを繰り返すよりも、きわどいところに打ち返して早く先にポイントをかせぎたい。次こそは決められる。相手が振り回されてコートの端まで走ったときに、こちらは得意のバックハンドでネットぎりぎりに球を落とすのだ。相手は息切れの中、球にやっと手が届いたが打ち返す力はなく、あたった球はネットに引っかかってポトリと落ちた。

これを繰り返せば、私は勝てる。苦しくても相手にポイントを取られても自分が勝てるイメージを忘れない。苦しい。苦しいけれど、今度は相手のいない空いているフィールドめがけてサーブのように振り上げたラケットで強く速い球を、外側のラインぎりぎりに打ち込む。
「よしっ!」「決まった!」

こんな試合内容が良い。イメージトレーニングで頭に叩き込む。本当にこんな試合ができたら良いなぁ。私はいつものごとく、本当に自分が勝てることが想像できないまま、テニスコートにいた。もう少し強気にイメージしたら勝てるのだろうか…。いや、多分違うだろう。そんなに簡単に勝てたら、全世界の人々が皆、バラ色の人生になっているに決まっている。
思うようにいかないから、それぞれの味のある人生になっているのだ…。

思い込みからくるイメージトレーニングへの限界を感じ始めていた。イメージトレーニングは、能力があり努力した人が最後に気持ちで負けないためにするものなのだ。努力はしていても、能力がない状態でイメージトレーニングしてもダメなんだな…。あたりまえか。

そんなことに気付き始めた頃、部活も引退の時期が迫ってきた。毎日が忙しく、勉強して、バイトにも通い、それでも将来を夢見てがんばったりする。

私は何を思い込んでがんばろうか…。自分には何が合っていて何を軸に生きていけば良いのか…。苦手だと思ったとたん、勝利の神様はそっぽを向く。勝利から遠ざかるのだ。だからこそ、どうしても自分の中で譲れないことを思い込むことにしよう。

私は文章を書くことが好きだ。大好きで何度も無理だ、駄目だと思っても、また戻ってきて始められるくらい好きなこと。私は書くことでの勝ちを想像し、作家になれると信じてがんばることに決めた。

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エッセイ講座、上級編3回目になります。
3回目なのに、返された原稿は、今までで一番赤い気がする。直される量が多くて赤いのです。(←ちょっと落ち込み気味です…。)(笑)

でも、お陰様で読みやすくなっているはず!

そんな、時には厳しい、へんいちさんのエッセイ講座、皆さんも是非ご一緒しませんか?(笑)
きっと上達すること間違いなしです!



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