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拝啓 麗しの地球へ

わたしは
月にいたとき

地球が 恋しくて 恋しくて
仕方がなかった

はやく戻りたかった

また あの地球でしか味わえない

全身全霊の状態でいられることが忘れられなかった

ここはつまらぬ

どこまでも つまらぬ

全霊だけでは 退屈極まりない

うんざりするような

永遠が 永遠に続き

つねに 眩しすぎて クラクラする

願いは 瞬時に あらわれ

愛が まとわりつき

すべてが わかる状態でしかない

永遠よりも刹那を感じたい

光よりも闇を

願いは すぐに 叶わなくていい

自由よりも不自由がほしい

愛を探し求め続けたい

わかるより わからない方がいい

争いや裏切りがひしめき合うこの地球で

悩み 迷い もがき 苦しみ

悲しみに打ちひしがれ

傷つき 傷つけ合い

それでも 愛を求め

一寸の光に 我を見いだす

これでもかと己を奮い立たせ

全身を使い続けた先に全霊が姿をあらわすとき

闇は一瞬で光に変わり

鼓動が 静かに 波打ちだす

生きている!

生かされている!

生身のこの身体で

生きて 生き抜くのだ!

この 限りなく美しく 愛しく 麗しい 地球を

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