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広島お好み焼き屋【皐月】の看板娘のリムは実は竜の姫巫女様でした! 第7話 リムも負けません!

#創作大賞2023
#お仕事小説部門

「あんた~?」

「何、ライザ?」

「先ほどリムが出前へと行く、行かせないで。二人が揉めていたみたいだけれど。あれならばうちが出前へと行こうか?」と。

 ライザ伯母上がね。

 自身が焼いた宅配用の広島お好み焼きを。

 鉄の大き目なヘラで力強く、半分にカット──。

 宅配、お持ち帰り用の丸い発泡スチロールのトレーに入れつつ、パパに訊ねるから。

「う~ん、そうだな」と。

 リムや姉上に対して妙に過保護なパパが。

 自身の腕を組み、考える人へと変化を始めるから。

『ちょ、ちょっと待ってよ。ライザ伯母上……。頼むからパパが考える人になるようなことは言わないでよね。お願いだから』と。

 リムは心の中で、ライザ伯母上へと嘆願……。

『リムだって、ライザ伯母上達と一緒で、パパのお妃の一人なのだから。リムだって偶には、陛下の、お役に立ちたいの。そしてパパの中のリムの株を上げたいの~。だからライザ伯母上は、パパに余計なことはいわないでよね~。おねがいだから~』と。

 リムは自身の心中で。

 そう、ライザ伯母上には悟られないようにしながら絶叫を上げ──。

 パパの様子を窺えば。

〈チラ!〉

〈チラ!〉だよ。

〈チラ、チラ〉

 目と目で通じ合う、ではないけれど?

 リムと目が合ったパパは。

 今度は、ライザ伯母上へと視線を変え──。

「ライザ?」

「何だい、あんた?」

「リムが行く気満々だから。今回はリムに頼む事にするよ」と。

 パパがライザ伯母上へと。

 何故か、苦笑いを浮かべつつ告げると。

「はいよ。あんた~。わかったよ」と。

 ライザ伯母上はパパへと何故か、苦笑いを浮かべ返すと。

 今度はリムへと視線を変え。

「リム、気をつけていくんだよ」と。

 今度はニコリと優しく微笑みながらリムへと、ライザ伯母上は労いある言葉をくれた。

「はい! ライザ伯母上! お任せあれ!」と。

 リムはライザ伯母上へと気合十分なところを見せると。

 今度はパパへと視線を変える──。

 そう、リムのパパは本当に過保護な王さまだから。

 パパのお妃さま、序列最下位のリムのことが未だ心配で仕方がないようだから。

「パパ~、リムのことなら大丈夫だから。そんなに心配をした顔をしなでよ。老け込むのが早くなるから」と。

 リムはクスクスと微笑みながらパパへと告げ。

「ほら~、パパ~。おいで~。髪の毛が跳ねているようだから。リムが直してあげる。ほら、ほら」と。

 余りにもリムの身体を心配してくれるパパへと。

 リムは本来はパパよりも年上……。

 そう姉さん女房と言う奴になるのだから心配しないでねと、言わんばかりな態度──振る舞をしながら。

 パパの年上お妃さまらしく。

『ヨシヨシ』と、頭を撫でてあげると。

「わっ、はははっ」と。

 リムの背──後ろから。

 豪快な笑い声が聞こえてくる。

 だからリムは、ライザ伯母上へと。

「もう、ライザ伯母上は~。そんなに大きな声で笑わないでください」と不満を漏らせば。

「ああ、悪い。悪かったよ。リム……。あっ、はははっ」と。

 ライザ伯母上は、リムへと謝罪をするわりには。

 その後も大人ぶったリムを見て高笑いを続けるから。

 リムはプンプンと、自身の頬を出発まで膨らませ続ける。

 ◇◇◇

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