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児童精神科医 鈴木雅弘先生 ラジオで語られたこと 第2回

自立援助ホームALP港南台

こんにちは、ALP港南台です。
前回に引き続き、今日も東京都渋谷にある1st STEP 心のクリニック院長の鈴木雅弘先生のインタビューをお届けします。
前回の記事をご覧になっていない方は、ぜひお読みになってみてください。

今回は、鈴木先生にお伺いした、子どもが入る施設や引きこもり・不登校についてお届けします。

子どもが入る施設について

ーーー子どもが施設に入ることもあると思うんですが、役割的にはどうなんでしょうか?児童相談所になるんですか?民間でも、NPOとかであるものなんでしょうか?

児童相談所が主なんですけど、民間はあんまりないですよね。関わってくれない感じがします。

民間は大体、絵空事を言って「子どもを殴っちゃいけない」とか、そんなことばっかり言って。そもそもが児童相談所もそうなんですけど(笑)児童相談所は少なくとも義務なんでやってくれます。全然力にはならないんですけどやってくれます。

民間でそういう、現実的に動いてくれるところっていうのは、本当に数少ないと思います。普通ないんじゃないかな。

ーーー働ける年齢になってくると、そこに入っていただいて、そこからまた就労っていうのが発生するっていうことですよね。

そうですね。学校行かせて、就労をさせてですけど。させないと、かえっておかしくなっちゃう(笑)

ーーーということは、そこの仕組み、入居してから学校に行く、働くという最後のところまでセットでできないと難しいんですね。

民間だとたぶん、お金がかかり過ぎちゃってできない、っていうのが一つなんですよ。
無茶苦茶に大変なんです、子どもって。

無茶苦茶大変で(笑)まず面倒くさい親を、あ!ごめんなさい(笑)、親を説得して、おじいちゃんおばあちゃんを説得して、誰を説得して、って。やってくうちに半年くらい過ぎちゃうんです。
それから施設を探して、施設もなかなか「うん」って言ってくれない。

たぶん、自費でやってたらすごい金額になると思います。公費だからできると思うんです。
僕もどうしていいかわからなくて。それこそどっかの企業のドネーションがないと厳しいんじゃないかと思うくらい大変です。

大切なのはコミュニケーション

ーーー次に、子どもの引きこもり・不登校についてはどのように思われますか?

先ほどもお伝えしましたが、発達障害っていうと病気みたいにとっている人がいるんですけど、その人の持ち味で、目に見えない苦手項目があるんです。その度合いだと思うんですよ。本当に知的能力とか別件で、一種の知的能力だとは思うんですけど、成績表には出ない。学校の先生には褒められてるんですけど。

簡単にいうと、オーガナイゼーションの部分、生活設計であるとか、社会的なところでどうやって生きて行くかの部分が欠けている人がいるわけで。

そこらへんの問題で、引きこもっちゃう感じがするんですよ。
問題なのはそこだけじゃないんですよ。今の社会が極端に個人主義過ぎちゃって、放って置かれちゃう感じがあるんです。

昭和の頃って、もっと周りがうざかったじゃないですか。
引きこもってたら、周りのおじちゃん、おばちゃんが「どうすんのよ、あの子。こんなんじゃダメでしょ!」って言われたじゃないですか。
今は下手すりゃ、セブンイレブンだけ行ければ生きていけますよね。昔はなかったですからね、あんなもの。5時過ぎたら、ご飯食べられないですからね。

極端に個人主義の中で、完全に放って置かれちゃってる存在なんじゃないかな、と思うんです。

ーーーやはりコミュニケーションが大切、と。

全くその通りで、発達障害といえばコミュニケーションじゃないですか。それも量り方みたいな診断だと思ってもらえれば、と思うんですよ。
コミュニケーションが上手くいかないのは「こういう理由かな?」「ああいう理由かな?」っていうのを診るのが発達障害っていう発想なんだと思うんです。

一番多いパターンは、実は学校で上手くいってない。そして自分は気がついてない。そうすると行きたくないからお腹が痛くなっちゃって、学校に行かない。
家にいると、家族ってのは他人ではないので、実質一人なんですよね。

特に子どもの場合は、自分と他人の境界線が曖昧なので、お母さんとかも完全に同一化しちゃうんです。意味がないんです、いても。

ご家族だとね、できない部分があるんです。どっかで集団に入れておかないと改善しない。

ーーー不登校・引きこもりの成り立ち、っていうところもお話しいただければ、と思います。

そうですね。不登校・引きこもりは昭和にはなかったですもんね。学校に行かないというオプションがなかった。
子どもの気持ちに寄り添う子育て、っていう都市伝説が走り回ってる結果だと僕は思ってて。何に寄り添ってるって、弱音に寄り添ってるわけじゃないですか。

学校行かせないでいたら弱い子になっちゃう、っていう発想が今はないですよね。

ーーー集団生活の大切さ、ですね。

勉強なんかどうでもよくて、学校では集団で暮らすことを学んでほしい。
子どもの生活は、常に新しいことにチャレンジするものじゃないですか。それを逃すな!と。僕思うんですけど、世の中みんな、逃すのが流行りなんですよね。その結果だと思います。だって昭和の頃にはなかったじゃん(笑)

支援者は自己満足になりやすい

ーーーあと一番お聞きしたいのが「支援者は自己愛に溺れてはいけない」という、非常に重要なことだな、と思ってるのですが。

家族でその人を守らなきゃいけない、でもそのご家族が燃え尽きてできなくなっちゃったらどうすんのよ?っていう。単純な発想なんですけど。

その人にとって本当に大切なことかどうかを判断するのはご家族がやるのは難しいんです、情があるから。

子どもは、大体口で言ってることは出まかせか適当な嘘なので。そこに寄り添うのではなくて。
実は、全員自立したがっているんで、そこのところをどう押すか。

お母さんたちは「自分の子だから頑張らなくちゃ」ってなるんですけど、情があるからできないんですよ。国に任せたらいいと思ってて。

僕も仕事をしていて自己満足に陥ってしまったとき、どうしても情が出ちゃって。でも相手に優しくすると逃げられちゃうんです。結局その人のためにならないので、ある程度は第三者的に、客観的に判断できるほうが正しいと思うんですね。

自分がヒーローになっちゃう、我々のジャンルにいる人間はこればっかりなんです。
自己満に燃えてる支援者がですね、死ぬほどいるんですよ。ほとんどそうじゃないかと思ってるんですけど。
自分がしてあげたいからそれでやる、っていうのは、あまりいいことじゃないと思うんです。

施設であるとか、集団の中で生活するとかのほうが正しくて、家族がご機嫌伺って、おうちに置いておくことじゃないと思うんです。

本当の「子どものため」とは?

今回お届けした内容は、私たちも心に留めておかなければならない部分もありました。
本当に子どものためになるのは何なのか?改めて考えさせられます。
支援者だけではなく、援助をする私たちにも重要なお話です。
これを機会に、子どもに関わる方、全ての方が今一度、考えていただけたら、と思います。

次回、鈴木先生のインタビュー最終回になります。お楽しみにしていてください。


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