何をどう書く?インボイスの記載事項/今知っておきたいインボイス制度④
「インボイス制度が始まったらハンコ屋さんが儲かりますね。登録番号入りの社名ゴム印を作らないといけないので」
とセミナーで講師から聞いたのは5年ほど前だったか。平和な時代でしたね。もうお願いだからソフトを導入してください。
前回までの記事はこちら。制度の概要は①~③を読んでいただければ分かります。
インボイスの記載事項
今回は実務的にどうインボイスって書けばいいの?という話ですが、これはあまり難しいものではないかと思います。必要事項を満たしていればたとえば手書きでもインボイスとして扱います。
その記載事項は6つで、そのうち新しく追加されたのが3つなのですが、主には「登録番号」と「税率ごとに区分した消費税額等」ですね。これも何かしらソフトを導入していれば問題ないでしょう。
小売業などが発行する簡易インボイス
今もそうなのですが、飲食店や小売業など、不特定多数を相手にする事業の場合は⑥の相手先の事業者氏名を書くのは困難ですね。
その場合は⑥の相手先の事業者名が不要になります。このあたりは今の制度と同じですね。
そんな請求書を「簡易インボイス」と呼びますが、内容としてはインボイスの記載事項のうち「相手先の事業者名」を除いたものです。
メールで届いた請求書は電子インボイス
これらのインボイスはメールなどで届いた場合も同じ。電子インボイスと呼ばれ、記載事項等に関しては一緒です。
この電子インボイスは電子帳簿保存法の改正と相まって少しややこしいのですが、とりあえず電子で届いた請求書等で記載事項等の要件を満たしたものは電子インボイスと呼ばれ、それはインボイス扱いだということでOKです。
消費税の端数処理のルール
また、消費税額をインボイスに記載することになるため、端数処理のルールが新たに決まりました。今まで商品ごとに税率をかけて消費税額を出して、それを合計するというやり方も認められていましたが、一つのインボイスについて、税率ごとに1回端数処理する、と定められました。
10%の商品を足し合わせてから税率をかける、8%の商品を足し合わせてから税率をかける、ということです。
こちらも最初に様式等を整えれば対応できるようになるかと思います。
切上げ、切捨て、四捨五入は任意の方法でOKなのはこれまで通りですね。
今回は細かな記載事項についての話でした。
記載事項自体は、これまでとそう大きくは変わりませんね。制度全体のおおまかなイメージをとらえるようにしましょう。
【今知っておきたいインボイス制度①~⑥】
①インボイスを知るその前に。消費税の基本的な仕組み
②ざっくり知りたい。インボイス概要
③免税事業者がインボイス制度開始までに考えておくこと
④何をどう書く?インボイスの記載事項 ※今ココ!
⑤売手側から見るインボイス制度理解のポイント
⑥買手側から見るインボイス制度理解のポイント
※令和3年9月現在の法令・通知情報であり、「適格請求書等保存方式の概要 -インボイス制度の理解のために-(パンフレット)(令和3年7月)」の内容に基づき一般にわかりやすく解説したものです。
正確な情報はこちらをご参照ください。
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