新米編集者が勝手におすすめの映画を紹介する話
一昨年の誕生日に、大学の図書館でひとりで映画を観たんです。
後日、美容院で「誕生日は何したの?」って聞かれたから「ひとりで映画を観た」と答えたら、知らない人に声をかけられたときぐらいの怪訝な表情でドン引きされました。
なんでだろうね?べつに友達がいないわけじゃないのにね?
わたしは就活を始めた頃から「趣味は映画鑑賞」と言うようになりました。
SNSにいるたいていの映画好きは「1年に500本以上観てます!」「毎週映画館に通ってます!」と謳っているけれど、私は年間100本ちょっとしか観てないし、月に1,2回しか映画館に行かない。
そんな人間が映画好きと言うのはおこがましいかもしれない。
けれど、映画鑑賞以上に熱量を持っている”何か”がわたしにはなかったし、趣味なんか言ったもん勝ちなので、声を大にして宣言しています。
「わたしの趣味は映画鑑賞です!」
おすすめの映画をご紹介
わたしは人のおすすめをすごく参考にするタイプです。
映画だけじゃなくて、本とかお店とか化粧品とかも。
新しいものと接するときって緊張するじゃないですか。
先に経験した人の話を聞いておくと安心します。
今までいろんな人のおすすめを参考にしつつ生きてきたので、今回はわたしがおすすめの映画を紹介していこうと思います。
世の中、ギブアンドテイク。
ダージリン急行
ウェス・アンダーソン監督の作品です。
この映画監督が大好きなんです、わたし。
有名な作品だと『グランド・ブダペスト・ホテル』でしょうか。
『ダージリン急行』のあらすじは、簡単に一言で言うと、父の死をきっかけに、絶交した3兄弟が疎遠になった母親に会うためにインドの秘境を旅します。
まず3兄弟がわちゃわちゃしながらインド旅行をするシーンに癒されます。
やりたいことやって行きたいところ行って、とにかく自分本位で動いていて、自分の心に従って行動する姿にちょっとだけ憧れました。
友達との旅行でなんとなく気を使ってしまうことが多いわたしにとっては、3兄弟の旅が羨ましく思えて。
そしてインド特有のカラフルさに目も癒されます。
部屋のテレビにこの作品をたれ流すだけで雰囲気倍増。
本当にインドってこんなにカラフルな国なんかよって思ってたんだけれど、実際に行ってみたら、やっぱりカラフルでした。色とりどりのお土産物が売られていたり、たくさんの種類のスパイスが並べられていたり。結婚シーズンだったこともあっていろんな色のお花も家に飾られていたな。
わたしはこの作品を観てから、”何か”を探し求める旅がしたいなぁって考えるようになりました。
今までの旅、というか旅行は、ただ観光地を巡ってショッピングするだけの消費だったんです。そんな旅行ももちろん好きなんだけれど、”楽しい”という感情があんまり湧かなくて。
現地の人と触れ合うわけでもないし、その国の何かが分かるわけでもないし、ハプニングが起きるわけでもない。
このあいだインドに初めて行って、何もしない一日を初めて過ごしてみたんです。そしたらいろんなインド人と出会って、ひたすら喋って、それがすごく楽しくて。
日本じゃなくてほかの国だったら毎日どんな暮らしができるのだろうか、非日常の暮らしを過ごしてみたいって思うようになりました。
だから今後は、将来移住する国を探し求める旅をしようと思ってます。
ロミオとジュリエット
レオナルド・ディカプリオ主演の作品です。
これまた、レオナルド・ディカプリオが大好きなんです、わたし。
『タイタニック』最高ですよね〜。
あらすじは皆さまご存知の通りです。
しっかりロミオは死んで、ジュリエットも死んじゃいます。
ストーリーが分かりきっているのでつまらなく感じてしまうのかと思いきや、ディカプリオのイケメンぶりとジュリエット役であるクレア・デインズの美貌でお腹いっぱいになります。
”美しい”という言葉がここまで似合う映画はほかにない。
そして色彩がすごく綺麗なのです。
中でも特徴的に使われている色が青と黄。
青。死、悲しみの色。
黄。生、喜びの色。
麗しくもどこか刹那的で、まるで最期のために出会うべくして出会ったかのようで。儚い。
何言ってんだ?と思ったそこのあなたは一度観てみてください。意味が分かります。
セリフも詩的な表現が多く、最高にロマンチックです。
日常であんなロマンチックなことを言われたら寒気しかしないんですけどね。
ロマンチックな彼女に送る手紙の参考にはなるかもしれません。
ルビー・スパークス
ポール・ダノとゾーイ・カザンが主演の作品です。
このふたりはなんと実際でも付き合ってるんですよ。素敵。
『ルビー・スパークス』は、スランプに陥った作家がなんとか小説を書き始めるのですが、その小説に出てくる理想の女の子が目の前に現れて、てんやわんやするお話です。
理想の女の子=ルビーの服装や髪型が可愛くておしゃれなので、真似したくなります。
コロナが終息してお出かけできるようになったら、あんなカラフルな服を着て、公園をスキップしたい。
あと、ポール・ダノみたいな”ちょっとダメ男なんだけど彼女のことが大好きで彼女がいないと生きていけない”っていう男性は絶対にモテると確信した。
この作品は、最初の頃はふたりのじゃれあいが微笑ましくて「可愛いかよ〜幸せかよ〜いいなぁ〜」という気持ちになります。
付き合いたての1,2ヶ月のあの感じ…。
けれど、クライマックスに近づくにつれて関係がこじれていきます。
ルビーが周りの人とどんどん交流していく中でいろんなことに挑戦するようになり、ポール・ダノとの時間が少なくなっていくんです。
余談なんですけど、別れる原因のひとつに”価値観の違い”があるじゃないですか。
わたしは逆に「自分の価値観と同じ人間ってこの世にいるのか?」と思うんです。相手の価値観を認めて受け入れることが大切なんじゃないかと。
相手の価値観って、毎日ちょっとずつ変わっていきますよね、自分の価値観もそうですけど。
相手と出会った当時は価値観が似ていて波長が合うと感じていても、月日が流れるにつれて変化した価値観を自分の中に取り込んでいけるのかが、別れるか否かの大きな分かれ目だと私は思っています。
こういった価値観の違いをふたりはどう克服していくのかっていうのがこの作品の一番の見どころかも。
ニキータ
あの『レオン』の監督、リュック・ベッソンの作品です。
『ニキータ』にもちょっとだけジャン・レノが出演しています。
泣き虫の女殺し屋ニキータの過酷な日々と純愛を描いたお話で、『レオン』が好きならこの作品も好きになるはず。
ニキータは最初は野蛮でものすごく荒れてるんだけれど、上司のボブに秘密工作員として育てらるうちに、どんどん綺麗な女性として磨きがかかっていく姿に惚れ惚れします。
わたしはかっこいい女性に憧れがあるので、秘密工作員になってみたい。
この作品の見どころはニキータ。ニキータが可愛い。
恋人のマルコが朝食を持ってくるのを待つニキータ。
ボブの話す姿を見つめるニキータ。
新婚旅行ではしゃぐニキータ。
”秘密工作員”と聞くと冷たいイメージを抱くかもしれませんが、ニキータは感情が豊かで人間味がある。これはきっとマルコと出会ったおかげなんだろうなぁと思います。
随所に名言が散りばめられているので、かっこよくて綺麗な女性になりたい方は必見。
キングダム
最近の金曜ロードショーでオンエアされていましたね。
わたしたぶん邦画の中で一番好きな作品かもしれないな。
原作は読んだことないけれど。
孤児で奴隷だった少年信と漂は天下の大将軍になることを夢見て日々稽古に打ち込んでいたが、ある日漂だけがなんらかの理由で王宮に仕えることになったんです。
しかしある晩に漂が瀕死の状態で信のもとへ帰ってきて、信は漂から手渡された地図を頼りに目的の場所に向かった、というのが前半のあらすじです。
後半はどんちゃん騒ぎが続きます。
なんといってもキャストが豪華。
山﨑賢人に吉沢亮、長澤まさみに橋本環奈だと……?
え、なんの祭りだ?この作品以上に顔面偏差値が高い作品をわたしは知りません。
中国が舞台の映画って、漢字だらけで覚えにくいし話が分からなくなること多くないですか?
けれどこの作品は話がわりと単純なので、事前知識が全くなくてもすんなりと理解できました。
そしてロケ地が中国なだけあって、映像の壮大感がすごいです。
ストーリーの壮大感もすごい。
日本の超ど田舎で生まれ育った少年がどんどん強くなって、世界を股にかけるスーパー強靭男になったってぐらい。
どんなに実現不可能で笑われるような夢であっても、言葉にして、夢に向かって努力をし続ければ、いつか夢が現実になるんだなと勇気をもらえました。
最後に「夢に一歩近づいて良かったね。泣」ってところでONE OK ROCKの主題歌が流れるのは反則ですね。
これまたONE OK ROCKの曲はほとんど知らないんだけれど。
これからもっともっと強くなって夢が叶うんだろうな、見届けたいな、というワクワクを感じられます。
夢に向かって頑張るぞ!な映画はわりとたくさんあるんじゃないかと思われるかもしれませんが、この映画が好きなのには個人的な理由がありまして。
この映画の公開時期がちょうど就活をしていた頃で、うまくいかなくて辛かったんですよ。
自分の夢は叶わないかもしれないなぁって思いながらも、諦めきれずに頑張ってました。
そんなある日、面接を受けるために東京に来ていて、夜行バスの時間まで暇だったからこの映画を新宿の映画館で観たんです。
そしたら、思わず泣いちゃって。背中を押してもらえた気分でした。このまま頑張ってもいいんだと思えました。
その結果、今こうして編集者になって夢に一歩近づけましたね。感謝。
おわり
みんなが知ってるような超絶大人気映画はあえて外してみたんだけれど、どうですかね。
まだまだいっぱいおすすめ映画があるんで、定期的に紹介していきたい所存です。