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腕の長さ+1歩

毎日いろんなことが起きていて、いろんなことを考えてしまう。
スマホやTVニュースや日頃の会話なんかからたくさんの情報を仕入れては、
消化することも吐き出すこともできない。
情報肥満体質になっている。(内臓脂肪も気になる。)

気になる事は何もデバイスの向こうで起きていることだけではない。
本来であれば自身の事で手一杯だ。
家事や仕事、健康維持、ライフステージに変化がないことの焦りなどなど。
そういったことも解決出来ないのに、
社会で起きていることにも目が向いてしまう。
目が2つ前に向いているだけでは足りない。

気になることはどうしてもたくさんあるし、
スマホやテレビや新聞、会話から情報を仕入れる事は悪いことではない。
むしろ、知らないより知っている方が良いに決まっている。

大切なのはその情報の根幹に手が届くかどうかだ。

情報の根幹、問題やその原因に手が届くかという点では、
自身の身の回りの問題については間違いなく届く。
手が届くかどうか以前にその手は自身の身体から生えているわけで、
そこから物理的に手を伸ばして届く事は概ね自身の事と言えるだろう。
ここについては言い訳のしようがない。

次は、社会的な立場から手が届くかどうかだ。
この点についてはそれぞれ全員が手を伸ばす方向も届く距離も異なる。
総理大臣は国内外の多くの問題に手を伸ばさなければならない。
(手を伸ばすフリかもしれないし、実際伸ばすのは官僚かもしれないが。)
昨今では、医療従事者やエッセンシャルワーカーという言葉も多く飛び交うが、
それに限らずとも世界には多くの仕事や立場があり、あらゆる形で社会に参加する全員が手の届く情報に触れ、問題を解決することで毎日が終わっていく。
(それでも情報や問題は山積しているけれど。)

社会の全員が同様に幸せかはおそらく誰にもわからないが、
概ね無事に視界に映る範囲の一日を終わらせるには、
【腕の長さ】で届く情報や問題に手を差し伸べるべきだ。
それより外の問題や情報については知ったとしても首を突っ込まず、
頭の中に入れておいたり忘れてしまったりすればいい。

しかし、全員が全員の腕の長さだけでは手が差し伸べられない問題もあるかもしれないから【+1歩】でちょっと遠くの情報に触れ、首を突っ込むことも大事。
これは元気や余裕がないと出来ない事だが、出来た時は世界的に少し状況が改善するくらいに影響があるはず。かなりすごいこと。その【+1歩】で救われる人や助かる人はとても多い。

自身のパーソナルな事で手一杯の時に地球の裏側で起きている社会問題についてリツイートする必要はないし、コロナ疲れで元気が出ない人が18時に帰宅してステイホームしながら20時以降の営業の是非について憂う必要はない。
そういったことはその当事者とその情報・問題に手が届く人に任せればいい。

【腕の長さ+1歩】の距離の外の情報や問題に精神をすり減らしても、あまり慰めてもらえないし、その根幹に自分からアプローチすることができないから、手の届く誰かが解決してくれるまで精神をすり減らしてしまう。他人任せになってしまうのに自分がボロボロになるのは百害あって一利なし。

問題提起をすることや、社会的な大問題に多くの人で立ち向かうこと、地球規模の課題を解決する事はもちろん大事だし、それらが達成されたらそんなに良いことはないと思う。しかし、そういった簡単に手の届かない問題を時には忘れ、【腕の長さ+1歩】の世界で生きてもいいと思う。

夜ご飯の献立に良いアイデアが浮かばなければ、
思いつくまでは、それが手の届く問題のトップであることは間違いない。
(手の届く情報は冷蔵庫の余り物の具合とインスタントラーメンの在庫状況。)

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