【読書感想文】はじめてのエシカル
読み始めたら一気に読み切りたくなって、数時間で読み終えてしまったこの本。。とても考えさせられる1冊でした。
自分の中では少しエシカルという言葉が一人歩きして、その言葉の本質を理解することが出来ていなかった部分もあったので、この本でエシカルという本当の意味を知れた気がする。
この本は2016年に出版されたものなので、今と状況はだいぶ違うかなぁと思ったのですが、4年が経過している今もなお、多くの学びがありました。
・エシカル消費とは
ここ数年で、なんだかトレンドのように大頭してきたこの言葉ですが、かいつまんで言うと「人として知性のある消費をしましょうね」というように思います。ただその商品がカワイイとか、安いとかいう理由だけではなく、その商品を手に取れるようになるまでの背景を知ることが大事です。
知った上で、自分の消費(=投票)を通じて、自分の持つ選択肢の中で最良の消費をしようという意味です。
この言葉自体はここ数年フューチャーされ始めたものだけど、その意味は私たちのずっと古くから根付いている「もったいない」や「お互い様」などの言葉と一緒なのです。なのでエシカル消費とは新しく何かを取り入れるというよりも、原点に帰ろうという意味合いが強いのかもしれません。
・エシカル消費を心がけるべき理由①環境破壊
意味を理解した上で、どうして今それを強く意識しなければいけないのか、3つの理由に分けて考えます。
まずは環境の側面から。
私たちが買い物をするとき、魅力の1つとなる「安さ」というのは、提供側はどうやって実現しているのでしょう?
それは、森林伐採や工場での大量生産、たくさんの農薬を使用するなどして、実現されているのです。
その結果、今こうして気候変動や地球温暖化などの大きい問題が浮上してしまったのです。
・エシカル消費を心がけるべき理由②不当労働
先に挙げた、安く大量に提供できる理由はここにもあります。
発展途上国を中心とした不当労働です。
本書が出版された2016年時点で、世界中の子供たち(5~17歳)が働いている数は1億6800万人にのぼります。
勤務地は主にコットン畑、カカオやコーヒー、紅茶、たばこなどの農園や、鉱物の採取現場、雑貨や衣料品の向上、そしてエビの加工工場など。
そこでとれるものや作られるものは輸入され、どれも私たちの身近にあるものばかりです。
子供たちは学校に通い、教育を受けるべき年齢であっても、劣悪な労働環境の中、長時間の労働を強いられます。
「ツラいならやめれば?」と思ったかもしれません。だけどこのように不当労働を強いられている方々の多くは、次の働き口を探すことも困難な状況にあるため、いくら劣悪な労働条件であっても、今日1日を生きるために働き続けなければいけないのです。
・エシカル消費を心がけるべき理由③動物保護
私たちが安さや便利さを求め消費し続けた結果は、動物までにも多大な影響を及ぼしています。
たまごを産むマシーンのように扱われる鶏、
動物実験のために身体を犠牲にするウサギ、
食用として飼われ、狭い檻の中で生きる牛や豚、
ファッションのために毛を刈られる羊、
書いていても本当に辛いです。こんな痛みを、動物たちは受けているのです。
・これからできること
本書を見ればもっと詳しく書いてあるけれど、大きな理由はこの3つになると思います。
こんな事実が今現実としてあるのは、まぎれもなく私たちが、便利さや安さを求めすぎてしまった結果だと思います。
でも、この事自体私は悪い事ではないと思っています。
人が便利を求めて発展し続けるのは健全な思考だと思うし、私もその恩恵を受けて今まで不自由なく生きてこれています。
だけど今は時代が、状況が変わりました。
便利を享受するだけの時代はおしまい。
これからは自分たちが次の世代のために何が出来るか、持続していけるために何が出来るかを考えながら生活していく時代になりました。
そのために一番大事なことは、「知ること」。
知る事、学ぶことをサボらずに、何に自分はお金を使うか、考えなくてはいけないと思います。
消費は投票です。買うも買わないも、あなたの意思表示になります。
(企業の利益のみを追求したような配慮のない商品を買わない事を、バイコットというみたい)
私もこれからも学び続けます。そしてそれを発信する側へ行きたいと思っています。
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