ゾウの歯 ~水平交換の話~
2017/01/21に作成された記事です。
こんにちは。
夜から明け方にかけて氷点下の日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
太陽の光がありがたく感じる今日この頃です。
今回のテーマは、ゾウ(長鼻類)の歯の生え換わり方についてです。
みなさんはゾウの歯を見たことがありますでしょうか?
目にすることができるゾウの歯は、大きく切歯(牙)と臼歯(奥歯)の2つあります。
臼歯の形は化石種も含めて、大きな塊となっています。
切歯(牙)は伸び続けていきますが、ゾウの臼歯は独特な歯の生え換わりをします。
人間の歯は、上の歯は下に向かって、下の歯は上に向かって生えます(“垂直交換”と言います)。
初期の長鼻類は人間と同じような臼歯の生え換わり方をしていたと言われていますが、
現生のアジアゾウやアフリカゾウを含めた多くの長鼻類は、咀嚼して臼歯をすり減らしながら使い、次の臼歯が奥から押し出されるように出てきて生え換わっていきます。
すり減って小さくなりながら前に押し出された臼歯は、脱落歯として少しずつ欠けていきます。
このような歯の生え換わり方を“水平交換”と言います。
上の図は、ゾウの歯の水平交換をおおまかにイメージした図です。
※発生学的に実際と違いがあるのはご了承ください。。。
臼歯は相対的に丈夫なため化石として残りやすく、また年齢によって生えている臼歯が異なるため、脱落歯や臼歯全体の化石からもそのゾウの年齢が分かることがあります。
本館、また他の博物館などでゾウの歯を見かけたときには、ぜひ観察してみてください。
Na
2017/01/21
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