平尾さん2

「自分でからだを整えて自分らしく生きる」をテーマに、オーダーメイドの施術とセルフケアのサロンと、セラピスト大学を主宰されている“平尾沙恵さん”

自力整体とスウェディッシュマッサージを通して、心や世界の仕組みについての学を深める中、“全ては自分のなかにある“と思うようになりました。
体を軸に“自分らしく生きられる社会にしていきたい”という思いで活動されているセラピスト大学主宰の"平尾沙恵さん"にお話を伺いました。

平尾沙恵さんのプロフィール
出身地:兵庫県
活動地域:滋賀、大阪、東京等
経歴:2001年妊娠・出産をきっかけに自力整体に取り組み、2006年自力整体教室・マタニティヨガ教室運営。2012年セラピーの世界へ移行。2013年から自宅サロンOwn Treatを主宰。
ホテルスパセラピストに就き、約1000人の身体との対話。オーダーメイドの施術で、各地からお客さまにリピートされる人気セラピストとなる。
2015年より心機一転、スウェディッシュマッサージと自力整体で女性の不調、冷え、コリ改善専門家として活動の傍ら、2018年より、セラピスト大学を立ち上げ活動中。
■座右の銘
「人の人生はアート、みんな自分でつくり出せる」
「宇宙の法則に従って生きる、自然なままで大丈夫」

「すべては自分が今の身体と心をつくっている」

Q1. どんな心の在り方や認識の変化が今の活動に繋がっていますか?

平尾さん(以下、平尾) 以前の私は、上手くいかない事を人や環境のせいにしていました。しかし、2001年に自力整体に出会い、すべては自分が今の身体と心・現実をつくり出していると思うようになり、周りに対する怒りや憤りなどが、次第になくなっていきました。そして、医療のない時代は、人は自分で自分のケアができる感覚や力が今以上にあったと感じ、人間に内在する自然の力を引き出すことを世の中に広めていきたいと思うようになり、自力整体を始めました。

しかし、学校で〇〇しないといけない、正解を導き出さないといけないという教育を受けることで、頭でっかちになり、直観力が潰されている要素が多いと思います。

 自力整体をする中で、自分が今感じていることを大事にして欲しいのに、ほぐし方のポーズや正しい姿勢、上手くやらないといけない、という事にこだわってしまうクライアントさんたちをみて、本当に自分が伝えたいことが、伝わらないと感じることが増えてきました。

 そんな中、手島渚氏の著書“ハグモミ”という1冊の本と出会い、その本の中に、〇〇しなきゃダメ、〇〇しなきゃいけない、のではなく、人に触れることの素晴らしさ、そして、自由であることの心地よさという事が書いてあり、感銘を受けました。
同時にスウェディッシュマッサージ(アロマトリートメントの原型になっているもの、解剖学に沿って筋肉をほぐしていく手技)を知り、現在は、自力整体とスウェディッシュマッサージなど、クライアントさんに合わせたオーダーメイドの施術を行っています。

記者 自力整体というのはどのような整体でしょうか?

平尾:自力整体は、沖ヨガを源流として、東洋医学の先生がヨガを治療として確立したものです。ヨガとの違いは、わっかタオルという道具を使い、タオルに自分の身体を預け、体重を乗せてほぐしていき、自ら氣の巡りを良くしていく技術です。本当は、型にハマらず自由に楽しんでやって欲しいし、身体は全部氣で出来ている事を伝えたいです。しかし、そのまま伝えても、型が無いと上手く伝わらず、そんなんできへん!となってしまいます。だから、分かりやすく自由にやれるレベルになるステップとして、型をつくっています。

その中で、ひとつだけシンプルに言うと、決まったことはないので「自分が気持ちいいと思えるものを基準にしてください。」とお伝えしています。
しかし、本当に気持ちいいと思える体験を積み重ねていない、何が気持ちいいか基準が分からないと思う方が多いため、それを伝えるために自力整体だけでは限界だと感じました。自分では難しいけど、他の人によって緩めることが出来る世界を知り、今のサロンをはじめました。

 まずは、自分が気持ち良い体験を積み重ね、その体験を確立し、気持ちいい感覚を知ったら、施術である程度結果を出せるので、本来の状態に自分でセルフケアできるようになっていきます。

世の中のサロンは、お客様に通ってもらうことが目的になっています。しかし、本当の目的は、お客様に「自分で心地良い状態をセルフケアができるんだ!」ということを体感してもらうこと。それができるサロンが増えることを望んでいます。

「一番の根本の悩みは、人間関係と自分を知らない事」

Q2. クライアントさんに合わせたオーダーメイドの施術を行う中で、どんな気づきがありましたか?

平尾 色んな方を施術させていただく中で、一番の根本の悩みは、人間関係と自分を知らない事だと気づきました。
自分の思いを伝えることが出来なかったり、虐めにうことで、人間関係に悩む方、そして、“自分を知らない”から、自分の活かし方や扱い方が分からない人が多いです。本当は、個人を活かす社会のはずなのに、活かされていないと感じています。

 最初は、冷えや肩こりなどがきっかけで来られます。通われているうちに、だんだん身体が自由になる事で、“今の仕事を頑張らないといけない” “ここに居なきゃいけない”など、本音や自分を縛り付けなくてもいいことに気づいていきます。その出来事を通して、実は、身体が心を縛っているのではないか?と思いました。
例えば、カウンセリングなどで、心を開放していくように、身体を開放することで心が勝手に解放されていくような、逆のアプローチだと思っています。

 日本は今、宗教観が無くなり、 精神の拠り所が無くなったため、不安になりやすいと思います。逆に、宗教観がしっかりしている国に行くと、 自分は神様に守らているという意識があり、精神が安定している方が多いと感じます。それは、やはり宗教の力だと思います。

 そういう意味で私は、“自分を選択すればいい”と思います。結局、自分の身体・将来・お金・選択することに対して不安になる。だからまず、自分のことを知ることが、精神を安定させるのではないかと、解決策を見出しました。

 身体と心は繋がっているため、身体をみていくと、筋肉にクライアントさんの内面が表れていることを伝えると、「何で分かるんですか?!」と、驚かれることが多いです。そうすることで、クライアントさんが本音を話しやすい環境をつくっています。

記者 筋肉にも自分の内面が現れ、それが分かるのはすごいですね!!

平尾 そうなんです。例えば、〇〇するべきという風に、頭をフル回転している方は、筋肉や頭皮が硬い人が多いです。逆に、頭を使う時と使わない時を使い分けている方は、体がしなやかな人が多いです。特に20代は、体が大変な人が多いと感じます。

記者 20代の方達の傾向はありますか?

平尾 例えば、極端に人に対して遠慮しているか、全く空気が読めない方に、その傾向があります。そういう方は、偏頭痛があり、薬を飲んだら治ると信じ、飲み続けている方が多いです。食生活は、本当に美味しいものを味わう事を知らず、外見を気にして自分を飾る事に価値を置き、身体や心など、目に見えないところに関心が無いない人が多いです。
だから身体を通して、そういう方たちに気づいて欲しいと思っています。

記者 20代から偏頭痛があると生活が大変ですね。やはり外面だけでなく、 身体や心など、目に見えないところにも関心をもてる社会になる事は大事ですね。

「学校教育にセルフケアの授業が入るような社会にしていきたい」


Q3. 現在は、どんな夢を描いて実践されていらっしゃいますか?

平尾 若い方たちが一番気になるので、いずれ、学校教育にセルフケアの授業が入る社会にしていきたいと思っています。

 多くの方たちに支持されるためには、結果を出すことが大事だと思います。例えば、ジムに通い、色んな体操をしている方たちが健康になっている姿をあまり見ていません。だから 結果を出すために、マンツーマンで施術し、本当に気持ち良い状態になってもらうことで、自分が自分に納得し、大好きになってもらうことが、一番目指したいところです。そのため、1対1で深く関われる仕組みがある”セラピスト”の方を対象にスクールをスタートさせました。ボディセラピストがカラダに触れることで、よりセルフケアが出来る人や伝える人を増やしたいと思っています。

 ただほぐすだけのボディセラピストではなく、残るものをお客様に伝えれるセラピストを育てたい。

 そして、サロンでは、もっとからだ全体を把握した施術をしてほしいと思います。結局、体は一部分ではないため、ここが痛いから、ここをどうにかしよう。ではなく、身体全体をみて、痛みの原因がどこからきているか仮説を立てて施術します。しかし、それが既に難しいと言われます。一般的には、肩が凝ってますね、じゃあ肩をほぐしましょう。という世界なので、繋がりや原因を探る発想がないから分からないし、違うところにアプローチするのが怖いそうです。だから、本当は体の繋がりが分からないと、セルフケアはできないです。

 なぜなら、ここが凝っているから、そこを動かせばいいという単純な体操みたいなものではないからです。昔の人は痛い箇所の原因を、頭で考えず直感でやっていました。今は、直感力が失われているため、体の繋がりを実感してもらうしかない状態です。それをセルフケアで伝えることをしていきたいです。

 その思いから、ボディセラピストの方たちが自由に活動でき、女性の自己実現をしていく場を提供するためセラピスト大学を始めました。
身体が苦しくなったら施術に行くという意識から、身体がどんどん良くなるから行くという風に、意識を変えていきたいと思っています。

一番大事なのは、悪いことばかりをフィードバックするのではなく、どんな変化があったか、身体がどんどんよくなっていっていることを見つけ、言葉で表現することだと思っています。


歳を取る=ダメになるという価値観が変わっていく

Q4. 平尾さんは、今後どのような美しい時代を作っていきたいですか?

平尾 歳を取っていくと、若い頃の自分に戻りたいとい考える人が多いですが、いい意味で価値観が変わり、美しく枯れてもいいんじゃないかと思います。枯れ方も美しい。それは、ジタバタせず、自分の体をよく知り、コントロールできるからこそ、枯れることさえも美しくなるんじゃないかと。そして、人はどんどん良くなり、成長していく生き物だから、素敵に衰えていくようになれたら良いと思います。

 自分自身を輝かせる、自分らしく生きる方法を知って、身体を上手に扱えるようになれば、歳を取る=ダメになるという価値観が変わっていくと思います。

記者 美しく枯れるっていいですね。美しさの価値観が変わることで、自分自身をもっと大切にされる方が増えていきそうですね。

本日は貴重なお話ありがとうございました。

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平尾 沙恵 さんに関する情報はこちら↓↓↓

・セラピスト大学


・スウェーデンマッサージ・冷え肩こり専門サロン OwnTreat


【編集後記】
今回、記者を担当した小畑と山本です。

穏やかでやさしい雰囲気の平尾さん。しかしその内側からはセルフケアを通して自分らしく生きれるんだ!というメッセージを伝えたい思いと芯の強さ、行動力を感じました。
これからも、ますますのご活躍を応援しています。

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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。

・大阪特集


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