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自信を持たせる間接的な褒め方3つ

ものごとを後ろ向きに考えてしまい、うまくいっている良い面に意識が向きにくい人がいますよね。
なんとか良い面に気づいて自信を持ってほしくて、褒めてはみるものの、当の本人には響かない。
 
そのようなときには、直接的な褒め方ではなく、ちょっと工夫して間接的な褒め方をしたほうが効果的です。
 
ブリーフセラピーという心理療法があります。
この心理療法の中で使われるクライエントへの褒め方が、私たちの日常生活の人間関係の中でも使えるので、紹介したいと思います。



ブリーフセラピーについて、簡単に説明します。
 
ブリーフというのは、「短い」という意味ですので、ブリーフセラピーとは「短期療法」のことです。
 
ブリーフセラピー以前に主流だった心理療法は、クライエントの「問題」に焦点を当てて、掘り下げて解明していくというアプローチでした。
それでは、時間がかかってしまうことや、効果を検証しにくいという難点もありました。
 
一方で新たに登場したブリーフセラピーは、クライエントの「問題」ではなく「解決」に意識を向けたアプローチをします。
そのことにより短期間で効果を感じられる心理療法として広まっていきました。
 
 
まずブリーフセラピーは、「『例外』を見つける」ことに重点を置きますので、ここもざっくり説明します。
 
例外とは、
「少しでも良くできたときのこと」
「少しでもマシなことが起こったときのこと」
を指します。
 
常に状況が悪いということはありません。
気づいてはいないけど、少しは良かったときというのは必ずあるはずです。
それをどうにかこうにかして見つけ出して焦点を当てるのです。
 
たとえば、「毎日朝起きられなくて生活リズムがダメダメです」という人がいるとします。
でも、「毎日」というのは大げさで、「たまにくらい」あるいは「一度くらい」起きられたときがあるものです。
 
その起きられた日は「どのような一日を過ごせましたか?」と聞くと、
「午前中から家事ができた」
「午後はショッピングに出かけられた」
「夕方は友人と会えた」
などすばらしい一日を過ごしていることがあります。
 
そこで
「いったい何をしたらその日は起きられたのですか?」
「起きられない日が続く中でどのようにしたらそうできるのですか?」
とうまくいったときのことに焦点を当てるのです。
 
これが「『例外』を見つける」ということです。
 
 
「例外」を見つけたうえで、次はそれを褒めるのですが、直接的な褒め方では自信を持ちにくい方には響かないことがあります。
そこで間接的な褒め方をします。
 
 
間接的な褒め方を3つ紹介します。
 
1.   驚く
2.   「どうやったらそんなことができるの?」(質問)
3.   相手の大切な人(こと・もの)を褒める
 
 
まず1.驚く
 
相手が「例外」について語ったときに、びっくりしたように
「へぇー!」「マジですか!」「スゴっ!」
 
相手にすると素通りされずに驚かれることで、
「そんなにすごいのかな」
と焦点が当たります。
 
これは簡単なのでぜひ会話の中でやってみてください。
 
 
2.「どうやったらそんなことができるの?」と質問の形をとる
 
相手を褒めるには、質問という間接的な方法をとることもできます。
 
「どうやって(そんなに難しいことをあなたは)できたの?」
と問うことで相手に自分が持っている力を考えさせられますし、敬意を払われていると感じさせられます。
 
ある意味、相手の中にある力を追及するのです。
 
 
3.相手の大切な人(こと・もの)を褒める
 
これは変化球です。
 
本人自身をどう褒めても響かない人はいます。
その場合は、本人自身ではなく、その人が大切にしている人(こと・もの)を褒めたほうが響きます。
 
子どもの育て方で悩んでいる母親に対して、「育て方は間違っていない」と褒めても響かなかったら。
大切にしているお子さんの方を褒めてあげると、母親はうれしく思います。
 
逆にたとえば、いじめを受けている子どもがいて、友人がいくら慰めても心はつらいままなら。
親を大切に思っている子どもなら。
「お前の親、マジ最高だよな」
「絶対にいつもお前のこと信じて味方でいるよな」
といったように親の方を褒めると、子どもは自尊心を保つことができます。
 
頑張り屋さんには、他人から褒められても自分で認めようとしない人がいます。
営業成績を上司がいくら褒めても
「いいえ、私は全然ですから」
と褒められることを拒否する人なら。
営業成績よりも、その人のお客さんのことを褒めてみましょう。
「最近、お客さんの○○さんって、すごく幸せそうだよね」
自分が大切にしているお客さんを褒められることで、間接的に自分を褒めることができます。
 

 
以上のようにブリーフセラピーで使われる間接的な褒め方を紹介してきました。
これらは、セラピーの場面以外の日常の人間関係でも使っていくことができます。
参考になりましたら、あなたの身近に自信を持ってほしい人がいたら、やってみてください。
 
 
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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小林いさむ|公認心理師

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