BS「薄氷のシベリア 温暖化への警告」を観て
昨日はBS世界のドキュメンタリーを観ていてまたショックを受けた。
昨日は「薄氷のシベリア 温暖化への警告」というドイツで2020年に作られたドキュメンタリーをやっていた。
ロシアの半分以上の面積を占めるシベリア、今そこで温暖化により過去に例を見ないような環境変動が起こっている。
シベリアは手つかずで、人の活動が少ない場所だからこそ、地球環境全体の変化が如実に現れる場所だそうだ。
いくつか驚いたことをピックアップすると
①ホッキョクグマの住んでいた氷が解けてしまう事で、ホッキョクグマがエサを取れなくなっている。信じられないことだが、エサを求めて海を泳いだホッキョクグマが250km離れたロシアの市街地で見つかったそうだ。あまりにもエサがないので、泳いで未踏の地にホッキョクグマが渡っているのだ。
これは小さくなった氷の上のアザラシ
②トナカイが大陸を移動できなくなっている。今までは氷の上を渡って大陸を横断してきたトナカイ。ところが今は氷が解けるのが早すぎて、融けてしまう氷と移動のいたちごっこになっている。多くのトナカイが川に溺れたりして命を落としている。氷の上を渡っていたトナカイが、氷が解けてしまっている大きな川の前で呆然と立ちすくんでいる姿に言葉を失った。
彼等が何千年も続けてきた行動様式が一気に変わっており、多くのホッキョクグマやトナカイ達がそれに対応できずに命を落としている。
③非常に問題視されているのが、シベリアの永久凍土は有機物を固定しており、この永久凍土が説けると、メタンガスが地上に出てしまう。そのメタンガスが温暖化を爆発的に進めかねないということだ。
いまシベリアに過去に存在しなかった巨大なクレーターがどんどんできている。(上図)これは何かというと、メタンガスなどがたまっている空間が地表に出てきて出来たものなのだ。この中からメタンガスが排出されていく。
ふーんって感じだが、シベリアの永久凍土は何千年、何万年分のメタン、二酸化炭素等の有機物を固定してきている。その氷が解けてしまうという事は、何万年分のメタン達が一気に大気中に出てしまうという事だ。それが及ぼす影響は想像すると恐ろしい。
④今シベリアで過去にない大火災が頻発している。これはシベリアから雪がなくなり乾燥した森林に落雷があることで、どうしても自然火災が発生するそうなのだ。一度火災が起こると人間には手を付けられない。
2019年に起きた火災では森林310万ヘクタールに延焼。これはベルギーの面積に匹敵するらしい。しかも、こういう火災が次々に起きているということが非常に心配だ。
ちょっとこの番組は衝撃的だった。私が考えていた以上に地球環境の破壊は激しいものがあり。カタストロフィー的な危機が起きつつある。
さらに、何とも言えない気持ちになったのは、自然や動物が何万年規模で作ってきた生態系を、人類はわずか数十年で変えてしまっているとうことだ。自然は何万年という規模で生きものたちを支えてきたし、生きものたちはゆっくり時間をかけてそこに適応してきた。人間がそういう営みをわずか数年で破壊しつくしている。本当に罪が深いと思った。
今は何となく、日本に住む私たちには地球環境の変化は感じにくい。(とはいえ年々温暖化していることは感じる)しかし、もう数年で本当に私たちの生活に大きな影響が出るところまで来ているという事実にぞっとした。
一体人間は何をやっているのか…。僕たちは滅びるのを待つしかないのだろうか。思考停止してしまいそうになるんだけど、他の動物たちにはこれはどうしようもない。
具体的に何かできないか、考えて行きたいなと思った。
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