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レトロモダン上海建物探訪散歩 59/70

匯豊銀行大楼 香港上海銀行上海支店

匯豊銀行大楼in2014

中山東一路12号 
 匯豊銀行大楼の建設に費やされた1000万元は、当時外灘(バンド)に建っていた全建築物の建築費半分以上にあたります(上海海関新楼、サッスーンハウス、中国銀行はまだ建設されていませんでした)。唯一無二、“スエズ運河‐ベーリング海間最も豪華な建築物”と称され、それを物語る逸話として、正面にあるイギリスで鋳造された一対の獅子像は第二第三の獅子像が造られないよう元となった型は破棄されたといわれています。

 ギリシアローマ神話を題材に作られたドームの大モザイク画は、巨大な太陽と月を中心に太陽神、月神、豊穣神が並び外周の12星座がそれぞれ8幅の世界の金融都市が描かれた壁画をさしています。1955年、建物が上海市人民政府として生まれかわる際、 図が殖民主義的かつ商業主義的であるとみなされ取り壊しが検討されました。しかし、その美しさを惜しまれ、クリーム色の塗料で塗り隠されました。

 多くの人々に忘れ去られていたモザイク画は1997年、建物の改修によってついに発見され、大きな話題をよびました。

追記:
 老上海時代の建築物の物語を語るうえで欠かせないのがパーマー&ターナー事務所のことです。なぜなら上海灘(バンド)に並ぶ主要建築や上海アール・デコ・スカイスクレイパーとよばれる代表的建築物の多くがこの事務所によって設計されたのです。

1916年 ユニオン・アシュランス・カンパニーズ・ビル
1916年 ヤンツ・アソシエーション・ビル
1922年 グレン・ライン・ビル
1923年 チャータード銀行
1923年 香港上海銀行上海支店
1924年 横浜正金銀行上海支店
1925年 上海海関
1929年 サッスーン・ハウス
1937年 中国銀行本店

 上海の象徴である上海灘(バンド)の風景はパーマー&ターナー事務所が造ったと言っても過言ではありません。

                            匯豊銀行大楼in2005

上の記事は上海建物探訪散歩中の記事です。
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古き良き建築物の歴史や物語を訪ねて歩き、時々ティータイムを楽しむ上海散歩

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