北海道うまいもの紀行
今年の1月、北海道に行ってきた。人生初の一人旅。
飛行機に乗り遅れた、三日間着る服に大穴が開いていたなどなど、大小様々な失敗をやらかしつつも楽しい思い出になった。
それもひとえに、北海道のおいしい食べ物のおかげであったと思う。
貧乏学生の一人旅、ウニもカニも食べられなくても、鮮烈に記憶に残っている輝かしい「うまいもの」たちをここで紹介したい。
一日目 ザンギ小定食/札幌ザンギ本舗
昼飯を食いっぱぐれ、この夕飯が記念すべき北海道初食事。
くたくただったので、スマホで調べた中から、ホテルの目と鼻の先にあったこのお店に飛び込んだ。
メニューには「ジャンボザンギ定食」が一番大きく書かれていたので、「これ女性でも食べきれますか?」と聞いたら、「食べれる人もいます。鶏一枚分なので……」という返答。即刻「小」を頼んだ。鶏一枚分の唐揚げって何事?
衣はガリッガリに揚がっていて、中の鶏肉を噛めばじゅわっと肉汁があふれる。しっかり味がついていて、ごはんが進む進む。
写真だと小さく見えるけど、これ普通の唐揚げの2倍はある。それが3個。どこが小だ(褒め言葉)。
ごはんと味噌汁、選べる小鉢2種もついてなんと500円である。こんなにおいしくてお腹いっぱいになるワンコインを、私は他に知らない。
二日目 回転寿司/函太郎
小樽のステンドグラス美術館で「近くに美味しい海鮮のお店ありますか」と聞いたら教えてもらったお店。北海道を中心にチェーン展開していて、いま調べたら、なんと東京駅や三井アウトレットパークにも店舗があるそうだ。
美術館からもう少し歩けば、安くて美味しい海鮮丼のお店もあるそうなのだが、現地の方が「私たちでも普通に歩けない」というほど路面がつるっつるに凍っていたため断念。歩くのが本当に怖かった。
まずは北海道らしい魚を、ということで、にしんと八角。あとは私の好みで、はまち、まぐろ三種、いくら軍艦を頼んだ。ちょっと奮発して、トータル2500円くらい。
にしんはクセのない味。八角は歯応えがあって面白かった。はまち、まぐろは順当においしかったが、私が驚いたのはいくらだった。
……海苔、うまくね??
きらきら輝く大粒のいくらがおいしいのはもちろんなのだが、周りを囲う海苔のおいしさが尋常ではなかった。私がいままで食べたどの海苔よりも分厚く、しっかりとした噛み応えがあり、かつ歯切れがよかった。
この海苔のおいしさを裏付ける出来事が、翌朝起こる。
三日目 おにぎり(ザンギマヨ、すじこ)/セイコーマート
ビジネスホテルに三泊素泊まり、最終日の朝ごはんとしてホテルの目の前のセイコーマート(コンビニ)で買ったのがこれだ。ここでもなるべく北海道らしいものを摂取しようとしている。
一口目から目をみはった。なにこの海苔!
パリパリを通り越してバリッバリ。真っ黒で分厚くて食べ応え満点のその海苔は、一皿700円のいくら軍艦の海苔と同じクオリティを誇っていたのだった。
え、北海道の人って日常的にこんなうまい海苔食べてんの? 関東来たらつらくない? コンビニおにぎり食べられなくならない? と思ってしまった。(関東のコンビニおにぎりがまずいわけではありません)
北海道、もっと海苔のおいしさを誇っていいと思う。カニもウニもすごいけど、誰でも買えるコンビニおにぎりの味がこんなに違うなんてすごいよ。
というわけで、私が北海道で一番感動した食べ物は“海苔”だったのでした。
道外のみなさんは北海道に行く機会があれば、ぜひセイコーマートのおにぎりをひとつ買ってみてください。きっとびっくりします。
道民のみなさんは、「この海苔っておいしい海苔なんだなぁ」と噛みしめてみてください。
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