とびきりのお気に入りをひとつ買う
6月に始めた飲食店のアルバイトが、なんとなく軌道に乗ってきて、今度こそ長く続けられるかもしれない、という希望が見えてきた。(大学を卒業してから今まで、どのバイトも2,3ヶ月で辞めてばかりだった私である)
働き始めたばかりの7月頭に、店長が代わった。
それまでの温厚なおじさん店長から、無愛想で、バイトの負担を考えずに新商品の導入ばかりする若い女性の店長になった。
当初の私は文句たらたらで、もう辞めてやろうかと思ったけれど、今まで遭遇してきたパワハラ社員に比べれば小物だし、辞めてやるのは惜しいほどたくさん仕事を覚えてしまったので、今もその店長の下で働き続けている。
不満がないわけではないが、勤務する曜日や時間、日数の希望はきっちり守ってくれているし、給料は必ず給料日に振り込まれるし(前のバイト先は給料日に給料が入らないことがザラだったのだ、恐ろしいことに)、仕事内容も自分に合っていて楽だ。バイト仲間も優しくて感じのいい人が多くて、お局的な面倒な人もいないので、快適そのもの。
今のところ、デメリットよりもメリットの方が多いので、続けている形だ。
稼いだバイト代だが、服だとか文房具だとかぬいぐるみだとか、学生時代よく買っていたような「自分のもの」にほとんど使っていないと、ふと気がついた。
趣味のコスプレ関係の衣装や小物は買っているので、強いて言えばそれが「自分のもの」だが、自分の日常を楽しくするもの、みたいなものを全然買っていないなぁと思った。
コスプレ以外では、友達との飲食や、プレゼントばかりにお金を使っていた。
そんな私が久方ぶりに自分用に買ったのは、GUのショルダーバッグである。(たしか2000円弱で買ったのだが、いま見たら1490円に値下がりしていてへこんだ)
友達が似たような大ぶりのショルダーバッグを持っていて、「それいいね!」と言ったら、「GUにこんなのあるよ」と教えてくれたのだった。
バイトのとき、制服を毎回持ち歩かなければいけないのだが、私の手持ちの大小2つのリュックでは、(小)だとパンパンだし、(大)だと大きすぎて邪魔くさい。かといってトートバッグは使い勝手が悪く、ちょうどいい鞄がなくて困っていた。
このバッグなら大容量なので、制服を入れても身の回り品を入れる余裕があるし、斜め掛けできて使い心地がいい。内ポケットが2つあるのもポイントが高い。(欲を言えば外ポケットも欲しかったけれど、2000円以下でこの機能性なら十二分だろう)
水筒、日傘などのかさばるアイテムも余裕で入るので、最早バイトの日だけでなく、毎日この鞄で出歩いてしまうくらい気に入っている。
使いすぎて壊れたら困るので、色違いでもうひとつ買っておこうかなと思っている。黒を買ったので、買うなら白かグレーかな。
今年の夏は、服もTシャツ一枚しか買わなかったけれど、その一枚を着るのがいつも楽しみで、るんるんと過ごせたので、意外と自分の買い物って少なくても楽しめるのかもしれない。
というか、自分の価値観が「欲しいものをできるだけ多く買う」から「とびきりのお気に入りをひとつ買う」に変化してきたのかも。なんか、ちょっと、「20代後半」っぽくて、かっこいい気がする。
安いから、とか、衝動的に、とかじゃなくて、じっくり吟味して、ずっと大事にできる大好きなものだけを手元に置けたら幸せだと思う。
そんな大人になっていきたいな。
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