見出し画像

来年、ヨーロッパ旅行の行き方が変わります 《英語NEWS》

TOEIC SW ライティング対策の地道な取り組みとしてやっているこのシリーズ。今日も様々な最新ニュースから気になるトピックを独断と偏見でピックアップして、ライティングのヒントになる表現を学びます。

👂音声はこちら(聞きながら読むと楽しいかも)

<今回のニュース>You'll be charged to visit Europe from 2023

さて、今回取り上げるのは海外旅行に関するCNNの記事。

CNN, 24th June 2022

You'll be charged to visit Europe from 2023
2023年から、ヨーロッパ渡航が有料に

そりゃ飛行機代もホテル代もかかるでしょうよ…という話ではもちろんなく、「入国」(正確にはEU圏に渡航する)にあたり、これまでかからなかったお金がかかるようになることを言っています。

簡単な文ですが、もしこの和訳から英文を作るという逆の作業=ライティングをするとしたら、CNNと同じ英文が浮かぶか?という視点で、学びポイントを掘り出していきます。

■有料
「有料」と聞いて思い浮かぶ単語は charge(料金)。ただ、「有料である」「有料の」という形容詞はパッと浮かびません。どうやら形容詞はなく、There is a charge for X とか There is a X charge のように名詞で使うようです。

There’s a charge for plastic bags. 
レジ袋は有料です。

There is a
 delivery charge. 
送料がかかります。

参考までに「有料ですか?」と聞く場合はどうでしょう。
Is there a charge for children?
とも言えますし、
Does it cost money to subscribe to the service?
そのサービスに加入するのにお金はかかりますか?
という表現もできます。

ちなみに、「無料」は
complimentary
free
free of charge 
at no charge

CNNのタイトルでは、charge=「(お金を)請求する 」という他動詞として使っています。しかも受動態で。なるほど。

<動詞のcharge:請求する>
charge
+人+金額+for 物事 / to do
(物事/〜すること)について、(人)に(金額)を請求する

How much do they charge for this service? 
彼らはこのサービスにいくら請求しているのですか?

■一般論のyou
なかなか日本人の英訳だと出てきにくいのが、主語のyouではないでしょうか。このyouは「あなた」ではありません。これは世間一般の人(自分も含む)を表す使い方で、「一般論のyou」という人もいます。ネイティブは頻繁に使うそうで、使いこなせたらかなり自然な英語話者ということに。

You never know what will happen in the future.
人は未来に何が起こるのか決して知ることはない。

You should be kind to the elderly.
お年寄りには親切にするべきだ。

GLOBAL SQUARE BLOG

これはTOEIC SWの英文エッセイ(意見を述べる問題)でも活躍しそうな知識です!

さあ、では「お金がかかるようになる」とは一体どういうことなのか、記事本文を読み込んでいきましょう。

<ニュース本文>

(CNN) — It's finally here: the end of fee-free travel to the European Union.
The EU has announced the launch of its long-awaited visa waiver scheme, ETIAS, to debut in May 2023.
While ETIAS is not the same as a visa -- it is quicker, done online, and requires no biometric information -- there is still a procedure and a cost to acquiring it, rather like the United States' scheme, ESTA.
ETIAS, which stands for European Travel Information and Authorization System, had previously been slated for a late 2022 debut.

いよいよEUへの無料渡航が終了。EUは、満を持してビザ免除制度「ETIAS」を2023年5月に開始すると発表した。ETIASは、ビザとは違い、オンラインでより早く手続きができ、生体情報も不要だが、米国のESTA同様、やはり取得には手続きと費用を要する。ETIASは、European Travel Information and Authorization Systemの略で、これまで2022年末のデビューを予定していた。

■long-awaited
待望の、満を持しての

■visa waiver scheme
ビザ免除制度

■While A, B.
Aである一方、Bである。

■stand for X

stand for 〔略語などが〕~を表す

U.S. stands for the United States. :
U.S.はUnited Statesの略です。

What does this abbreviation stand for? :
この略語は何を表していますか?

アルク英辞郎ON THE WEB

渡米経験のある人はETSAをご存知でしょう。90日以内の短期滞在をする場合に、留学・就労の場合をのぞき、年齢を問わず誰しもが登録しなければならない有料の入国審査制度ですね。出発の72時間前までに手続きを行い、一度登録すると2年間有効です。2001年の9.11同時多発テロを契機にできた制度で、テロリストと思しき人物を搭乗前に排除することが目的。

ETIASも全く同じように欧州でのテロ防止目的で導入準備が進められ、2016年の発表時は2020年からの導入を予定していたそうですが、いろいろあって来年5月にずれ込んだようですね。

ETIAS(エティアス)導入の背景には難民問題、宗教戦争、民族侮蔑(ヘイト)などが挙げられますが、導入理由の最も大きな理由としては、各地で起こるテロへの脅威を抑止することです。テロ行為を未然に防ぐためには海外からの入国者の情報を早く正確に共有することで、難民の大量流入や外国人による犯罪を抑止する効果が見込めます。

ETIASオフィシャルサイト


それでは、最後のパートに進みましょう!

EU travelers are exempt, and have freedom of movement around the bloc, allowing them to spend as much time as they want in many countries. EU residents will also be exempt. But for everyone else entering the bloc from a country which didn't previously require a visa, the ETIAS will be obligatory
...
The application process will be via a "largely automated IT system," with approval granted "within minutes," for an estimated 95% of applicants, according to a new memo issued by the EU. 

EUの旅行者は免除され、EU圏内での移動の自由があるため、多くの国で好きなだけ過ごすことができる。EU居住者も免除される。しかし、それ以外のすべての人は、これまでビザが不要だった国から圏内に入る場合、ETIASが義務づけられることになる。
(中略)
EUが発表した新しいメモによると、申請手続きは「ほぼ自動化されたITシステム」を通じて行われ、申請者の95%が「数分以内に」承認されるという。

exempt (from X) エグンプトゥ 米
[形] (Xを)免除されている

obligatory  アブガトォリ米
(法的や倫理的に)守るべき、拘束力のある

viaヴァイア
~を経由して、~を通って  → throughに着替え可能
発音を「ヴィア」だと思ってましたが、「ヴァイア」なんですね。

■grant
(嘆願・申請など)を認める、認可する


ETIAS authorization be valid for an unlimited number of entries over three years. 
...
The cost: €7 ($7.35) for those aged between 18 and 70. It's not yet clear if others will have a reduced rate or will be able to apply for free. In comparison, the US charges $21 for an ESTA authorization.

ETIASの認可は、3年間、回数に制限なく有効。
(中略)
費用は、18歳から70歳までは7ユーロ(7.35ドル)。それ以外の人は割引になるのか、無料で申請できるのかはまだ不明。なお、米国ではESTAの認証に21ドルかかる。

※和訳はDeepLで翻訳した上で整えています。

■ETIAS authorization be valid
これ、何で「be」と原形なのでしょうか? Grammarlyも「is」にすべしと言っていますが。もしかしてwillが抜けている?何か特別な用法があるのでしょうか?わかる方、教えてください。

In comparison,
DeepLの「なお」という訳になるほどね〜という感じ。in comparison with(to) 〜だと「〜と比べて」という訳になりますが、文頭または挿入的に使う場合は、前の文を受けて「それに対して」という意味になります。

★日本版オフィシャルサイト


<感想>

今回は特別難しい言い回しはありませんでしたが、目を皿にして読んでいくとやはり発見がいくつもありました。あなたはどんな学びがありましたか?
それにしても、早く海外旅行いきたいけど、コロナも安心とは思えないしヨーロッパも緊迫してるし、まだしばらく「エアトラベラー」は続きそうだなぁ。ちなみに、ボクがEUで行ってみたい国No.1はエストニアです。

それではまた次回をお楽しみに!

ダイアモンドオンライン


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?