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#07 ChatGPTで論述試験【技術士二次試験】

最近、業務経験がついて技術士二次試験の受験資格を得ました。
建設部門の河川、砂防及び海岸・海洋を受けます。

これでもかというくらいの手書き論述試験(計600字×9=5,400字)なので、言語生成AI:ChatGPTが活用できるんじゃないかと。受験生目線で考えてみました。

試験要綱の抜粋 書かせすぎでは…?

技術士二次試験への活用

既にyoutubeでも解説動画がたくさんありますが、印象としては、

「問題読ませてみたら、だいたいいい答え出します。でも、ファクトチェックは重要ですよ。AIすげえなあ。」

に留まっている気がします。
当日ChatGPTに解かせるわけにもいかないので、どう勉強に生かすかを考えてみました。

※※解説動画アンチではありません。

ChatGPTの使い方

最近、ChatGPT少し触る機会が増えてきたので、自分なりのポイントをまとめます。

基本

まずは、よくまとめられている記事・サイトをご紹介。
情報が膨大すぎてどれを見るか選ぶのが大変です。


プロンプトエンジニヤリング

聞き方として必須です、深津式です。
いい返事が返ってくることに加えて、こちらも質問の修正条件の追加、あとから見返すときに便利です。


一応、ChatGPTにブラッシュアップしてもらいましたが、本人も概ねしっくり来ているみたいです。出力形式だけ少し指摘されました。

深津式を質問
GPT-4.0の回答
GPT-4.0の回答(続き)


有料版GPT-4.0

最近、有料版始めました。月20$(約2,600円くらい)です。
まずは数か月試してみようと思います。
触った印象は以下です。

  • 長い文章や複雑な条件、過去の内容を引き継いだ質問への対応が優れている。

  • 返事は少し遅い。

  • 25やり取り/3hrの制限がたまに困る。

使用を優先されたりもしているらしい


GPT-4またいろいろできるようになったみたいですね。
未だあんまり試せていません。

ブラウザ連携とかプラグインとか出てきた(R5.6.4時点)


拡張機能とか

WebChatGPT」を入れています。BingAIのように出力結果にブラウザのURLを根拠としてつけてくれます。

結局、ネットの情報なので公的なURLじゃなかったら、あんまり信じていません。インターネットを使うのと同じネットリテラシーですね。


あと、拡張機能ではないですが、サイトに投げ込めばPDFファイルの要約をしてくれるChatPDFです。
無料だと若干制限があるものの、登録もインストールもなしでぱっと使えます。AI活用の一歩として触ってみるのもいいです。


論述にどう活用するか

問題に対するChatGPTの得手不得手をまとめました。

専門知識

専門の基準読み込んでいるわけではなさそうなので、やっぱり専門知識に関するところは頼るのが難しそうです。

土木は基準が古い図書に準じていることが多いからでしょうか。最近の技術の方がよく答えます。

柔構造樋門について教えて」と聞いたら、以下が返ってきました。

1段落目の「可動部分が柔軟な材料」というのは概ねあっていそうですが、2段落目の「柔軟な材料で作られており、~」は少し誤解を生みそうな感じです。

空洞化や杭基礎との違いなどポイントになりそうな内容の記載がないのは、試験的には微妙かなあと。

「柔構造樋門について教えて」へのGPT-3.5のアンサー

一応正解も。材料は柔らかくありません。

 河川堤防を横断して設けられる樋門は、堤体土との重量・剛性等の相違から周辺土とは密着し難く、特に地盤の沈下が大きい軟弱地盤における支持杭基礎の樋門においては、函体底版下の基礎地盤や周辺堤防に空洞が発生する例が少なくありませんでした。この空洞は洪水時の河川堤防の安全を脅かす重大な課題として認識され、その対策が急がれていました。

 本書は、この空洞化に対処するため、樋門を周辺地盤の沈下に追随させることで空洞化の抑制が期待される「柔構造樋門」の設計法の基本的な考え方についてとりまとめたものです。

柔構造樋門設計の手引き 抜粋
樋門のイメージ
https://www.thr.mlit.go.jp/shinjyou/02_kasen/kanri/himon.html


意外だったのは、同じ質問をGPT-4.0でしたところ、ちゃんとわかんないと言ってきました
賢い方がわからないことを認められるって人間と同じだ…!!と気づきを得ました。

「柔構造樋門について教えて」へのGPT-4.0のアンサー


国土交通白書

専門知識の件とは反対にこれは強いです。
思えば、公表されている大量の文書データなので、ChatGPTが得意そうな内容でした。

白書に強い=技術士の試験にも強いんだと思います。特に必須問題は白書に準じた答えを出すよう条件に入れています。


論理的な文章であたり障りのない答え

ここがポイントな気がします。

解答事例集などを見ると、技術士二次試験では文章の書き方はOKの範囲が広い気がしますが、①論理的にねじれていないこと、②倫理に反していないこと、③国土交通省と同じ意見なことが重要なだと感じています。
(未だ受かっていませんが)

なので、意外とふわっとしたことしか書いていないような回答も及第点には到達しているため、「論理的な文章であたり障りのない答え」を出すChatGPTが非常に向いています。


例題とポイント

以上を踏まえて、ここは使えるぞ?なところをまとめます。
聞き方はプロンプト使います。

R4選択Ⅱ-2-1(建設/河川砂防)

細かいところは見ないとですが、概ねこのまま提出できるんじゃない?というレベル。
箇条書きと文章を交えて答えてくれるのも高得点期待できます。

特に、(3)調整方策はいろんなパターンの答えがあるので、経験値の少ない私にとっては参考になります。ちょっと参考にして、リアルの指導者から添削もらいましょう。

R4選択Ⅱ-2-1の例

(1) 防災施設の被災状況の把握や応急措置を行うに当たって、以下の資料や情報を収集・整理すべきである。
防災施設の基本情報: 各施設の設計図、施設の規模、年数、建設時の地質情報、過去の維持管理記録など。これらは施設の現状把握、ダメージの可能性評価に役立つ。
・地震発生情報: 地震の規模、震源地、震度分布、余震予報など。これらは地震による被害の予測と対策策定のために必要である。
・防災施設の被災状況: 現地からの報告、ドローンや衛星からの画像データ、地震計、水位計等の観測データ。これらは被害状況の具体的な把握と、必要な応急措置の決定に利用する。
・地元自治体や地域住民からの情報: 人的被害、生活インフラの状況、地域の避難状況など。これらは生活復旧の優先度を決め、地域との協力体制を作るために重要である。

(2) 応急措置に着手するまでの調査・検討の手順は以下の通りである。
資料や情報の収集・整理: 上記で述べた情報を速やかに収集、整理する。
・被災状況の初期評価: 収集した情報をもとに、被災施設の安全性、機能低下の程度、復旧の緊急度を評価する。
・詳細な現地調査: 安全が確認できた施設について、具体的な損傷状況を確認する。その際、地質、気象条件、余震の可能性等を考慮に入れる。
・応急措置の策定: 調査結果を基に、必要な措置を策定する。優先度やリソース、時間制約を考慮に入れる。
調査・検討に関し、留意すべき点は以下の通りである。
・人的安全: 現地調査の際は人的安全を最優先に考える。余震や施設の二次的な損壊の可能性を考慮し、安全確認を徹底する。
・情報共有: 透明性と迅速性を持って情報を共有する。関係者全員が同じ理解を持つことで、迅速かつ適切な対応が可能となる。
・多角的視点: さまざまな視点(技術的、社会的、環境的等)からの調査・検討を行う。広範囲な視点から対策を考えることで、より効果的な対策が可能となる。

(3) 応急措置を効率的・効果的に進めるための関係者との調整方策は以下の通りである。
・コミュニケーションの確立: 定期的なミーティングを設定し、情報共有や意思決定のプロセスを明確にする。
役割と責任の明確化: 各関係者の役割と責任を明確にし、業務を効率的に進める。
・協力体制の構築: 地元自治体、地域住民、専門家、他の関連機関等との協力体制を構築する。その際、地元の理解と協力を得るために、地元の意見を尊重し、対話を通じて信頼関係を築くことが重要である。
・優先順位の共有: 必要な措置の優先順位を明確にし、共有する。これにより、限られたリソースを効率的に使うことができる。
以上、地震による被災状況の把握と応急措置について、資料や情報の収集・整理、調査・検討の手順、関係者との調整方策を述べた。このような対応が迅速かつ適切な災害対策につながり、被災地の早期復旧に貢献することを期待する。

R4選択Ⅱ-2-1への解答(プロンプトあり)
文字数もクリア


ちなみに、プロンプトなしで直接問題文を入れると以下のような回答になります。
文字数や書き方の指定ができていないので、文章が単調で解答としては今一つな感じになります。

選択した分野: 河川
(1) 資料や情報の収集・整理

被災状況の把握や応急措置を行うに当たって、以下の資料や情報を収集・整理すべきである。
防災施設の基本情報: 施設の設計図、建設年、耐震性能など。
目的: 施設の基本構造と性能を理解し、被害状況を把握するため。
地震の詳細データ: 震源地、震度分布、余震の発生状況など。
目的: 地震の影響範囲と被害状況を把握し、対策の優先順位を決定するため。
被災状況の報告: 現地からの被害報告、写真、動画、無人機による空撮データなど。
目的: 現場の被害状況を正確に把握し、応急措置の必要性を判断するため。
災害対策本部からの指示・連絡: 被害状況、救援要請、避難指示など。
目的: 緊急事態への対応を円滑に進めるため。

(2) 調査・検討の手順
以下の手順で調査・検討を行う。
上記で収集・整理した資料や情報を基に、被災施設の被害状況を詳細に把握する。
被害状況に応じて、応急措置の必要性と優先順位を決定する。
応急措置の具体的な内容を検討し、専門家や関係者と協議する。
応急措置の実施計画を策定し、必要な資材・人員・予算を確保する。
留意すべき点や工夫を要する点:
地域の地理や気象条件によって、被害状況や対策が異なるため、柔軟な対応が求められる。
余震の発生や天候の悪化による作業の中断や追加被害を考慮し、状況に応じて計画を見直す必要がある。
被害の大きさや状況によっては、専門家や外部の支援が必要になる場合があるため、その連絡網を確立しておくことが重要である。

(3) 関係者との調整方策
効率的・効果的な応急措置を進めるためには、以下の調整方策が有効である。
災害対策本部との連携: 現場の状況や救援要請の進捗状況を適時共有し、他の救援活動との調整を図る。
現場スタッフとの情報共有: 現場の状況をリアルタイムで把握し、必要な措置を迅速に決定できるようにする。また、スタッフの安全確保にも繋がる。
関係自治体・機関との協力: 応急措置の実施に必要な資源や設備を共有し、効率的な対策を行うための協議を行う。
専門家との連携: 必要に応じて専門的なアドバイスを求め、最適な応急措置を決定する。
地元住民とのコミュニケーション: 被害状況や応急措置の進捗状況を適時伝え、不安を緩和する。
これらの調整方策は、地震発生後の混乱を最小限に抑え、迅速かつ効果的な応急措置を実施するために重要である。

R4選択Ⅱ-2-1への解答(プロンプトなし)


R2必須Ⅰ-1(建設)

必須の方は、制約条件に白書を踏まえることを入れるとよい感じです。

文字数1,800字にしてなかったのと、解決策も3つが基本だと思うので、そこも条件に加えた方がよかったですね。

R2必須Ⅰ-1の例

(1)地域の中小建設業が担い手を確保していく上での課題は、以下の観点から考えられる。
・技術革新と人材育成: AIやロボティクスなどの技術革新は、建設産業に大きな影響を及ぼす。しかし、これらの新しい技術を活用できる人材の育成が課題である。
・高齢化と労働力の減少: 日本の人口減少と高齢化は、建設業の労働力不足を深刻化させる。労働力を維持・確保する手段が求められる。
・若年層への魅力発信: 建設業に対する若年層の関心・志向性が低下している。建設業の魅力を伝え、新たな人材を引きつける取組が必要である。

(2)最も重要な課題として、技術革新と人材育成を挙げる。この課題に対する解決策は以下の通りである。
・教育・研修体制の整備: 新たな技術を学べる教育・研修体制を整備する。これにより、現場の技術者が新技術を取り入れる能力を身につけることができる。
・メンターシップの推進: 経験豊富な技術者が若手に技術や知識を伝えるメンターシップを推進する。これにより、新人の成長を促すことができる。

(3)これらの解決策を実行することで、以下の波及効果が期待できる。
・技術力の向上: 新たな技術を活用できる技術者が増えることで、建設業の技術力が全体的に向上する。
・建設業のイメージ改善: 若年層に対する魅力的な研修プログラムやメンターシップ制度が整備されることで、建設業のイメージが改善される可能性がある。
新たな懸案事項としては、新技術の導入に伴うリスク管理が挙げられる。これに対する対応策としては、リスク管理の専門家を雇い、定期的にリスク評価を行うことが重要である。

(4)業務を遂行する際には、技術者としての倫理と社会の持続性の観点から以下の要件・留意点が必要である。
・安全第一: どんな新技術を導入する際も、作業員の安全が最優先であることを忘れてはならない。
・技術革新の公平な利用: 新技術の恩恵は一部の大企業だけでなく、地域の中小企業にも行き渡るようにする。
・持続可能な開発: 新たな技術や手法は、地域社会や環境への影響を考慮し、持続可能な開発に寄与するように取り組むべきである。

R2必須Ⅰ-1への解答


解決策追加したり、白書のどの内容使ったか聞いたり、更問がマストです。
過去の内容を踏まえた質問をしていくと、GPT-4.0の賢さも身に染みてきます。

更問の内容

おわり

指導者をやっていただいている上司からしたら、その遊んでる時間も勉強しろよ、だと思います。その通りです。

どう活用しようと当日頑張るのは自分なので、いまのところ言語生成AIは試験の本質に影響を与えるわけでもなく、解答をつくる参考になるくらいだと思います。
がんばれ自分。勉強しろ。

こちらも技術士試験+ChatGPTの記事です。添削をしてもらうのもいいですね、参考になりました。

モチベーション上がったので引用させてください、20代で取りたいんです。


お時間あれば、以下の記事もどうぞ。


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