昨今話題のChatGPT。AI技術を用いた対話に特化した文章生成サービスです。まるで人間が書いたような緻密で複雑な文章を自動生成できるため、大きな反響を呼んでいます。
先月、このChatGPTに技術資格で国内最難関である技術士第二次試験の問題を解いてもらいました。
結論として、『GPT4.0なら技術士論文が余裕で書ける』でした。当然、文章としては成り立っているというだけで、合格レベルかどうかは別問題です。そして今回は
人間が書いた技術士論文をChatGPTに添削してもらったらどうなるんだい!?
ということを検証していきたいと思います。使っていくのは、前回同様にGPT4.0です。それでは早速行きましょう!!
まずはウォーミングアップ
今回は、機械部門の令和3年度の過去(必須科目)をテーマとして取り組んでいきます。問題文は下記です。
今回は上記の設問1のみに絞ってChatGPT添削を試していきたいと思います。あと()内の文言は私が付け加えた分です。ChatGPTは文字数を縛らないとおしゃべりを続けるので、呪文的に組み込みました。まずはウォーミングアップとして、この問題の回答を作ってもらいましょう。
それではどうぞ!!
いやはや、やっぱり回答として普通に良いんだよなぁ。準備体操が終わったところで、ここから添削をしてもらいましょう!!ちなみに、添削をしてもらうのは昨年、私が勉強として書いた技術士論文処女作です。
指示:添削をしてください。
まずは、シンプルに添削だけを依頼してみます。
結果はこちら
添削という指示だと、内容ではなく誤字脱字や文章表現に対してチェックしてくれるみたいですね。普通にタイプミスで誤字ってたところもキッチリ修正してくれました。でも、やってほしいのはそうじゃないのよね。
指示:論述の問題点を指摘してください。
内容について言及してみます。
どんな指摘がくるかな?
微妙ですね。一般的な文章の添削って感じです。論述の中身までには突っ込まないフワッとした回答です。次はロールプレイングを試してみます。
指示:『技術士の立場』で、論述の問題点を指摘してください。
ChatGPTは、回答の前に立場や役割を与えてロールプレイングを与えると回答精度が上がるという結果が多く報告されています。それを踏まえて、ChatGPTには技術士になり切ってもらって添削してもらおうと思います。
どうかな?
おっ、ちょっと踏み込んできた感じがしますね。悪くはないですね。技術士ロールプレイングが有効なことが分かりました。次は、具体的な評価とフィードバックを貰えるように聞いてみましょう!!
指示:『技術士の立場』で、回答文の内容を評価してください。
上記の分をそのまま指示しても、フワッとした回答しか得られないのは目に見えているので、ロールプレイングの他にも精度向上のテクニックを試してみます。今回はプロンプトの形を項目ごとに整理して指示してみます。命令、評価条件、問題文、回答文と分けました。
何点くれるかな?
おおおお!!!
突然、めっちゃ良いやんけ!!
そうそう、こういう回答が欲しかったですよね。ちょっと評価が高めな気もしますが、それでも簡単にA評価を出さないのも良いですね。更なる精度向上テクニックを駆使して、更に踏み込んでみましょう!
指示:『技術士の立場』で、回答文の内容を評価してください。和⇒英⇒和
ChatGPTでは、英語での回答の方が回答精度が高まるという報告もあります。なので、質問は同じですが一度、英訳してもらって、そして和訳してもらうというプロセスを組み込みます。
という指示を与えてから、先ほどと同じ質問をぶち込んでみます。どう結果が変わるかな?
うーむ、言っていることはほとんど変わりませんが、翻訳であるため若干言葉に違和感があるのと、なぜか評価が上がりました。技術士は日本の国家資格であるため、英訳しない方がいいのかもしれませんね。
おまけ
最後はChatGPT自身に自分の回答を評価してもらおうと思います。ウォーミングアップで書いてもらった回答文を先ほどの評価プロンプトに入れてみます。さて、どう評価するんでしょうか?
自画自賛が凄い!!
流石に自分自身で生成した文章だけあって、評価が高めですね!
まとめ
ChatGPTで技術士論文の添削はそれとなく出来そうな感じはします。コツとしては
・技術士としてロールプレイングをする
・プロンプトを整理して指示する
ことでしょう。ここでは取り上げませんでしたが、全問題を一気に評価せず、設問ごとに評価してもらうのも大切だと思います。実際の技術士の先生の添削に及ぶことはないと思いますが、手っ取り早く客観的な評価が欲しい場合は極めて有効だと思いますね。ABC評価もしてくれますので、ChatGPTからA評価を貰えるように奮闘するのもありかも?
いずれにせよ、ChatGPTは技術士第二次試験に向けた勉強ツールとして一役買ってくれそうです!!