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物語綴り

92
考えたショートショートを投稿していきます。
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1日の終わりに
1冊の本を読み終えた

見つめた先が
あなたの幸せでありますように

温まることで
心を癒す

ひと息つくことを忘れないで

どんなに離れたとて
あなたの言葉が
あなたの歌声が
気づけば背中を押してくれる

去り行く時間を
見過ごすんではなくて
愛しむ心で過ごしたい

本屋で新しい本に出会うドキドキ

色とりどりの表紙を眺めているだけで
あっという間に過ぎゆく時間

思わぬ出会いに浮き足立って
緩む財布の紐

手にとっては棚に戻すことすら
楽しくて仕方がない

今日はどんな本と巡り合うのか
そんな気持ちで本屋に向かう

窓からのお客さま

窓からのお客さま

窓をコツコツと叩く音で目が覚める

今日も窓の外で羽を休めるこの子に起こされた

なんとなくあの子に向かっておはようと一言

伝わらないのはわかってるけど
なんとなく挨拶

予定より早く起きたことをプラスに捉えて
飲み物の準備
それを窓から少し離れた場所に座って
あの子を観察

ここ最近はこれが日課になりつつある

あどけない笑顔

あどけない笑顔

どの瞬間を切り取っても
あどけない笑顔が目に映る
あなたのその表情は
とても少女のように純粋、清楚
少年のように無邪気で
男性のように色っぽくて
女性のようにあざといの

こちらのことなんかお構いなしに笑う姿に
ドキドキされっぱなし

街を歩けば
至る所に
寂れてしまった場所が

時間の流れとともに
活気を失った場所もあれば
以前からそうだった場所も

それはこの街の過疎化を
意味しているけれど

その寂しげな雰囲気が
居心地の良いものであったりする

今日も以前とは変わってしまった
場所に赴いた

街の音を聞く

街の音を聞く

車の音
誰かの話し声
風の音

生活をしている音の中を歩く

黙々とただ歩く

どこかのお家で料理をしているにほひ
いつかきっとこの何気ない日が
人生を彩る1ページとなる

何度忘れようとも
私はきっと想いだす

それが刻まれたものだとするならば

消えないなにか

消えないなにか

風にはためく洗濯物が
誰かを想起させる

それは想い人かもしれないし
古い記憶の中の誰かかも
もしくはどこかで印象に残った
名前を知らない人かもしれない

誰かの言葉に傷ついて
誰かの言葉に救われる

そんな日々だからこそ
自分が救われる時間を