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【最新展覧会】 #16 「TOKYO GENDAI2024」で現代アートのトレンドを学ぶ

こんにちは!Webデザイナーのしいのきです。

本日2024年7月6日、横浜のパシフィコホールで開催されている
「東京現代2024」展に行ってきました。

この展覧会は、世界各国で注目されているアーティストの作品が集結する貴重な機会なので、とても楽しみにしていました。

作品を購入する方がメインになるとは思うのですが、
私のように展示を楽しみに足を運ぶ一般の方も多いので入りやすく、若い方に向けてアートが開かれている雰囲気があります。

今回は「今」注目されているアーティストの作品を見ながら、
「現代アートのトレンド」を自分なりに調べながら感想をまとめましたので、お付き合いいただけますと幸いです☺️


︰展覧会情報
東京現代 Tokyo Gendai 2024
https://tokyogendai.com/ja/
パシフィコ横浜
 C/D展示場
2024.07.05-07


今年のメインビジュアル
配色は昨年と同じグラデーションだけど、3Dの液体のような物体がモチーフになっていて、より「現代感」「最先端感」が増したような印象でした。


会場に入ってすぐのエリア。
白で統一されて、キーカラーのグラデーションがところどころに配されています。


会場に入ると、昨年はすぐにさくらんぼのオブジェ作品があったのですが、
今年はインフォメーションデスクがあり、昨年よりも開けた印象がありました。

世界各国のアートギャラリーが白い壁によって区切られていて、多彩な作品群を一度に見ることができます。

今回一番気に入った作品はこちらです。


大庭 大介 M (2024)
アクリル・アルミパウダー・シルバーパウダー・麻布・パネル


グラデーションの上にキラキラと光る偏光ラインが施されていて、
見る方向によって表情が変わります。
とても大きな作品で、会場にはいってすぐ目に入ってきて存在感がありました。


Keiichi Tanaami
善夢と悪夢 / Good Dream and Nightmare (2018)

作品タイトル通り、カオスな印象とぶっ飛んだ配色センスも好きなのですが、よく見るといろいろなモチーフが散りばめられていて遊び心もすごく面白いですね。天才。


すみません、作品タイトルを撮り忘れてしまいました・・


見る角度で別のものに見えてくる、
こちらの作品も印象的でした。

Tomokazu Matsuyama (B.1976)
Side Effects Hope 
2023 / 316 Steel


ここからは今回の展示を通して、2024年の現代アートのトレンドの特徴で見えてきたことを、掘り下げていきたいと思います。



Trend Edge 01
デジタル+アナログ


AIを使った作品が増えている昨今ですが、
今回の展覧会を見ていて「デジタル」+「アナログ」を模索しているように見受けられました。

デジタル作品に人の手が加わることで生まれる「可能性」という探求が今まさに行われているのが「今」の現代アートの面白いところではないでしょうか。

もちろん前からその動きはありましたが、それがより「見る側」も「展示する側」も”意識している”という意味で、顕著に見られるようになったという点で一番最初にあげさせていただきました。

今回の展示で印象的だったのは、デジタル映像と展示が融合したインスタレーションです。蛍光色の隙間から垣間見える美しい映像は、まるで別世界にいるような錯覚を与えてくれました。

鬼頭 健吾 – LINES – | LINES LINES

空間へオブジェクトを配置する行為を絵画の制作行為と同義に捉える鬼頭健吾は、インスタレーションと絵画を往来しながら、色と形、そして光の生み出す効果を探求します。地表から真っ直ぐに立ち上がった鮮やかな線が鑑賞者の視点によってさまざまな表情を見せる「Lines」を展示。

TOKYO GENDAI 公式Instagramより引用


蜷川実花さんの展示会でも、自分の作品を映像にした上で会場にスクリーンを複数用意して、見ている人も「作品の一部になる」というインスタレーション作品を展示されていました。

まさに「自分の作品」+「デジタル技術」+「お客さんを巻き込む」という現代アートのトレンドを体現したような作品でしたので、
デジタルだけではない「アナログの要素」を含ませて、新しい見せ方の可能性を探求している、というのがポイントになっていると感じました。




Trend Edge 02
環境問題+社会的問題


昨今サスティナブルが注目されていることもあり、アーティストの中でもやはり、環境問題や持続可能性への関心が高まっているように感じられました。

リサイクル素材や自然との共生をテーマにした作品など、社会的責任を考慮した作品制作に取り組んでいるアーティストも多く見受けられ、不平等やジェンダー問題などに関連する作品もあり、アーティストが社会的問題に関心を向けていることで「見る側」に問題提議と共感を促しているように感じられました。

菅 木志雄(Kishio Suga)
周集系|System of Surroundings

菅は活動初期からその個々に散在する「もの」の存在が連なり、全体が生まれるということを常に意識してきたといいます。幼少期から森や林、川など自然の中の石や木をながめ、自然もものも人も、全ては対等で一続きであることへの気づき。「すべては分断できない。あらゆるものは存在することによって、それぞれの位置を得ている」という感覚を、作品に反映しています。

TOKYO GENDAI 公式Instagramより引用




Trend Edge 03
作品+人


《草上の休息》 ユーイチロー・E・タムラ 

巨大な草色のバンダナ柄の絨毯の上にバンダナを巻いた3人のカウボーイが座り、思い思いの休息をとるというパフォーマティブな作品である。根幹にあるのはペイズリーという謎の存在と人間との出会い・混交、それによる生命・魂の回復である。構図はエドゥワール・マネによる《草上の昼食》を下地にした。

TOKYO GENDAI 公式Instagramより引用


こちらの作品、目に飛び込んで来た時は「なんだこれ!?」
周りの人もみんなそんな顔をしていました。

説明してくださっていた男性の話に耳を傾けてみると
「ペイズリーって謎じゃないですか?」という一言が聞こえて、思わず笑ってしまいました。

たしかに。
「ペイズリー」ってなんだ。

後から公式のInstagramで作品の解説があり、
エドゥワール・マネによる《草上の昼食》の構図が参考にされていることを知り、より面白い作品だなぁと感じることができました。


パフォーマンスアートは一時的瞬間の体験で、訪れた時間によってその作品の見え方が変化するため、この一時性と即時性が魅力といえると思います。

身体を通じて特定の問題を観客と共有することができるパフォーマンスアートはインパクトがあり、「今っぽさ」や「映え」にも通じると思います。

他の展覧会でもしばしば見受けることができ、あらためて再評価されている兆しを感じました。



まとめと感想


今回はトレンドに注目して深堀りしてみましたが、やはり現代アートは見ていて面白い。単純に面白い。

深く考えることもできるけれど、深く考えずに「美しいなぁ」という感覚を満足させることができるのも「現代アート」の魅力だと思います。

舘鼻 則孝 / Noritaka Tatehana


Isabelle . D


奈良 美智 / Yoshitomo Nara

これらの作品に新たな視点のインスピレーションをもらえました。
アートに埋もれる週末を過ごすことができて大満足です。

今年行けなかった方は、来年はぜひ訪れてみてください。

ここまでご拝読いただきありがとうございました!
少しでもいいな、と感じていただけたら「♡」で知らせていただけるととても嬉しいです。(書くモチベーションになります🙇‍♀️)

それではまた、次回の展覧会でお会いしましょう〜!


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