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ISO 30414は人材マネジメントにROIを組み入れるってことなのかぁ

しのジャッキーです。本記事は、ESG/SDGs/CSVに関しての個人的な学びのアウトプットです。

パブリックアフェアーズ協会から「従業員エンゲージメント活用による企業経営の新たな潮流 ~ISO 30414を中心とした国際動向と国内事例からの考察~」というレポートが2021年11月11日に発出されていました。

私自身、チームマネジメントをするようになったこととコーポレートの立場になったことから、また、個人的に応援している所属企業(NEC)の因果分析ソリューションが「従業員エンゲージメント」に関連していることから、本トピック注目しています。

ということで、本レポートざざっと読んで潮流に関して理解を深めてみたいと思います。以下は、ご参考。

サマリーからのトピック抽出

2018 年 12 月  ISO 30414 の出版をきっかけにした世界的な関心の高まり
・米国、EUで人的資本開示の義務化に向けた動きが活発
・注目概念は「Workplace culture」その一要素の「Cognitive Diversity
・本レポートの提言
 人的資本経営レポートを公表する企業を認証するテーマ銘柄の創設

「従業員エンゲージメント活用による企業経営の新たな潮流 ~ISO 30414を中心とした国際動向と国内事例からの考察~」

「第1章 はじめに」からの抽出

・日本のGDPの7割は人材という無形資産に依存するサービス業
・本レポートには以下の前稿がある
持続的な企業価値向上と 人材戦略に関する一考察~従業員エンゲージメントの企業経営への活用とその推進策~

「従業員エンゲージメント活用による企業経営の新たな潮流 ~ISO 30414を中心とした国際動向と国内事例からの考察~」

第2章 従業員エンゲージメント活用の概要

従業員エンゲージメントは従業員の企業への信頼であり、貢献意欲を示す指標。企業経営に活用するためにPDCAサイクルを回すことが求められるが、汎用的な解はなく、自社にとって最適な経営の探求が重要。

本章では、そのほか、従業員エンゲージメントとステークホルダーやESG/SDGs、パフォーマンスなどとの関係性も言及されています。これらについては、以前、一橋ビジネススクールの名和さんの講演で聞いた内容をまとめた以下の図にかなりきれいに集約されているな、と思いました。

CSVに取り組む4つの効果(一橋ビジネススクール名和教授の講演をもとに篠崎作成)

詳細については、以下の記事をご参照いただければと思いますが、右上の無形資産の向上というのが人的資本の向上に対応しています。

第3章 ISO 30414 を中心とした最新の国際動向

ISO 30414は金融資本主義から人的資本主義へという資本主義の在り方の移行の中に位置づけて説明がなされています。それを裏付けるファクトとしては、以下、を上げます。このレポートは、こういう文脈で必ず出てくる図ですが、2020年版、でてたんだなー。

出典:OCEAN TOMO, Intangible Asset Market Value Study

企業の価値の中で、生産設備といったような有形資産(Tangible Assets)から、ソフトウェアやデータといった情報化資産、人材・ブランド・組織変革といった経済的競争能力、研究開発・知財・デザインといった革新的資産といった無形資産(Intangible Assets)の占める割合が90年代から急激に高くなっている、というものですね。

ところで、NewsPicksのこちらの記事では、株主資本主義から、ステークホルダー資本主義へ、という言葉で表現していますが、基本的には同一の動きだと思えばいいのかな、と思いました。

ISO 30414 の基本的な考え方

上記のように人的資本を含む無形資産の重要性が高まる中で、2018 年 12 月に「ISO 30414」(Guidelines for internal and external human capital reporting(「人的資本の情報開示のためのガイド ライン」))が出版された、ということなんですね。

ISO 30414の中では、11領域58メトリックス(測定基準)が定められているということ。11領域に関しては以下のような感じ

  1. ワークフォース(従業員数とか)

  2. ダイバーシティ

  3. リーダーシップ

  4. 後継者計画

  5. コスト(人件費とか)

  6. 生産性

  7. 採用・異動・離職

  8. スキル・ケイパビリティ

  9. 組織文化

  10. 健康、安全、ウェルビーイング

  11. コンプライアンス、倫理

これらの非財務の情報を開示し、人的資本(資産)へどう投資した結果、どうリターンに転換されたかというROI(Return on Investment)の考え方を人材マネジメントに取り入れよ、というのがISO 30414の基本的な考え方と理解しました。

個人的にはリーダーシップに関心が高いのですが、リーダーシップのメトリックスは以下の三つが定められていました。

  1. リーダーシップに対する信用

  2. 管理する従業員数

  3. リーダーシップ研修に参加した従業員の比率

うーむー、これのうち「リーダーシップに対する信用」は大企業に関しては外部に公開すること、と定められているようです。これってどういう情報を開示すればいいんだろうか。エンゲージメントスコアは「9.組織文化」のところなんですよねー。レポートのあとのほうをバーッとみてもわからなかったのと、ISO 30414って、無料でPDFで読めるのかと思ったら、販売されているものなんですね(以下参考)。詳しい人に聞ける機会があったら聞いてみたいな、と思いました。

いずれにせよ、リーダーシップとエンゲージメントという意味では、最近は、「恐れのない組織」を読み始め、これもリーダーシップの話になっているので、粛々と向上していきたいと思います。

ここまでで27ページあるレポートの10ページまでとなります。以降は、欧米などでの人的資本開示への取り組みが紹介されています。また読んで学びを書いてみたいと思います。

続き書きました

おわりに

このほか、当方のESG/SDGs/CSV関連の記事は以下のマガジンにまとめていますので、もしよかったらのぞいてみてください。またフォローや記事への「スキ」をしてもらえると励みになります。

ということで「形のあるアウトプットを出す、を習慣化する」を目標に更新していきます。よろしくお願いします。

しのジャッキーでした。

Twitter: shinojackie

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