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「ダイナミック・ケイパビリティ」からみる富士フイルムの既存技術転用の変革を1枚にまとめてみた

どもっ、しのジャッキーです。本記事は、未完の超重要経営理論「ダイナミック・ケイパビリティ」に関する個人的な学びをアウトプットするものです。

カリフォルニア大学バークレー校でデイビット・ティース教授に師事していた菊澤教授による"「ダイナミック・ケイパビリティ」の経営学"という書籍(以下、本書)からの学びをまとめていきます。今回は第4回です。

<過去記事>
第1回 未完の超重要経営理論「ダイナミック・ケイパビリティ」変化する力はどう獲得するのか?
第2回「ダイナミック・ケイパビリティ」が解決する問題とは?
第3回「ダイナミック・ケイパビリティ」は組織の不条理をどう回避するのか?
第4回「ダイナミック・ケイパビリティ」が提示する日本企業が目指すべき経営パラダイム

前回は、日本企業が目指すべき経営パラダイムとダイナミック・ケイパビリティがもたらす3つの有用性についてまとめました。今回は、その3つの有用性についての以下、日本企業の事例からの学びをまとめていきます。最後に今回取り上げた事例の1枚まとめチャートもあるのでご参照ください。

既存技術の転用を可能にする:事例「富士フイルム」★今回の記事
独自のビジネス・エコシステムを形成できる:事例「ソニー」
イノベーションのジレンマを回避できる:事例「YKK」

既存技術の転用を可能にする:事例「富士フイルム」

一つ目の有用性の事例は「富士フイルム」です。これは、様々なビジネス書で事例として紹介されるものなのでおなじみの人も多いのではないでしょうか。

写真フィルム市場が、デジカメの登場という新しいパラダイムの登場によって急激に縮小していく中で写真フィルムの2大巨頭のうちコダックは倒産し、富士フイルムはいまも繁栄しています。

コダックは株主利益最大化の原理にもとづきまじめに合理的に失敗した

コダックは、デジタルカメラも、周辺機器やサービスもいち早く市場に提供していたが、デジタルへの完全移行はしなかった。なぜなら、株主利益の最大化を考えたら、短期的には、いま儲かっているフイルムを捨てることは合理的ではないからです。90年代末の当時、写真フイルムは1ドルあたり70セントの利益だったのに対して、デジタル製品は5セントで、それが競争の激化で、マイナス60セントという状況にまで陥っていたといいます。

デジカメとの競争激化による株価下落を抑えるため、自社株買いで保有資金の枯渇コスト削減のため、内製フイルム生産をアウトソース、保有特許の売却やライセンシング、といった経営努力を行うも、2012年会社更生法の適用の申請に至ります。

これはまさに、不条理のパターンの「短期合理的 長期非合理」の不条理に陥った事例ともいえるのでしょう。(不条理のパターンは以下の記事をご参照)

第二の創業を実行した富士フイルム

コダックに対して、富士フイルムでは、既存のフィルム技術を、液晶素材、化粧品・医薬品へ転用し、多角化による第二の創業を実現しました。

これは、2000年に従来からのフィルム部門出身でない古森CEOが就任したところから始まります。社員と危機を共有するため従業員への情報開示により変革に伴う取引コストの節約。競合コダックと異なり、株式持ち合いで、現金内部保留の維持に寛容な環境下で200億円のフリー・キャシュ・フローを変革の実行に使うことができました。

具体的には富士フイルムの完全子会社化し、既存アセットを活かした多角化のためにリソースを再構成・再配置・再利用することに投資を行い多角化に成功したのです。

詳細は、以下の1枚まとめチャートの中にも書きましたが、既存のアセットを多角化実現のコアにするために、応用分野を定めて集中投資を行うという意思決定ができたことがすごいな、と思いました。

富士フイルム事例の1枚まとめ

次回は以下、ソニーの事例をご紹介します!

既存技術の転用を可能にする:事例「富士フイルム」★今回の記事
独自のビジネス・エコシステムを形成できる:事例「ソニー」★次回
イノベーションのジレンマを回避できる:事例「YKK」

おわりに

このほか、当方の経営理論に関する記事は以下のマガジンにまとめていますので、もしよかったらのぞいてみてください。またフォローや記事への「スキ」をしてもらえると励みになります。

ということで「形のあるアウトプットを出す、を習慣化する」を目標に更新していきます。よろしくお願いします。

しのジャッキーでした。

Twitter: shinojackie

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