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[総集編]知識創造理論の進化系SECIスパイラル #ワイズカンパニー #SECI #世界標準の経営理論

どもっ、しのジャッキーです。本記事は、知識の創造の理論である「SECIモデル」の進化系SECIスパイラルについて詳述した関する書籍「ワイズ・カンパニー」からの学びを12回にわたってまとめてきたnote記事の総まとめ記事です。

第1回:世界唯一の知の創造の理論「SECIモデル」をまとめてみた

SECIモデルを深堀して学ぼうと思うきっかけとなった「世界標準の経営理論」で解説されているSECIモデルについてまとめたのが第1回でした。

第2回:知の実践企業に立ちはだかる3つの問題の克服に必要なこと

第2回では、本書が取り組む3つの問題、解決の方向性、提言についてまとめました。

第3回:ホンダジェットの成功からみる知の実践の勘所とは

第3回では、ワイズカンパニーの事例として、ホンダジェットを取り上げたうえで、本書の核となる考えとして「理想と現実の両立をつなぐ知識実践」が掲げられました。

第4回:実践力のための知の源流、アリストテレスのフロネシスとは?

第4回は、知識実践という概念の源流を哲学にさぐり、アリストテレスのフロネシスという概念がそれにあたるということが提示されました。私は記事の中で、フロネシスとセンスメイキング理論の共通点についてや、現象学とアドラー心理学についてなど考察しました。

第5回:実践知と暗黙知とルーティンとダイナミック・ケイパビリティと

第5回は、第4回のつづきで、哲学など源流となる概念の過去の知見のおさらいです。ポランニーの暗黙知、社会科学におけるルーティン、ダイナミック・ケイパビリティなど、本書の礎となる知識について語られました。1枚まとめではポランニーの暗黙知のところをまとめました。

第6回:JAL再生に学ぶSECIモデルを回す実践知

6-8回は3回にわたって、SECIモデルのプロセスがどのように回るのかJAL、シマノ、エーザイの3社の事例を取り上げました。ここは、前著にあたる「知識創造企業」では、十分に語られていなかったところ、ということで、非常に個人的にも、SECIモデルを概念から、一歩踏み込んで理解する手助けとなりました。

以下、JAL再建のサイクルをまとめたものになります。記事の中では、私自身の新事業開発の伴走支援での実体験と重ね合わせて、知識創造のプロセスについて考察しました。

第7回:60年でSECI6回転のシマノに学ぶSECIモデルを回す実践知

JAL再建につづくは自転車部品大手シマノ社の事例です。60年で6回という時間軸を広げたSECIサイクルの事例です。

こちらでも、私自身が新規事業開発に5年以上取り組んできて、知識がどのように創造されてきたのか考察してみました。その中で、NLP(ニューロ・リングイスティック・プログラム)でしった、学習の5段階モデルと重ね合わせて、知識「実践」についてのイメージを深めました。

第8回:エーザイに学ぶSECIモデルを回す実践知

3社目、エーザイにおいて、SECIモデルの回転の度に、知識創造の範囲が広がっていくこと、高次元になっていくことが語られます。記事の中では、併読していた"「ダイナミック・ケイパビリティ」の経営学"で事例が紹介されていたYKK社の「善の循環」というYKKの精神との共通点を考察しました。

第9回:SECIスパイラルはパーパスを発揮し続け広げていく概念だったよ

ということで、SECIモデルを回し知識創造の範囲が広がり、より高次元になっていく原動力となるのがフロネシス(知識実践)である、ということが解説されます。

知識創造のSECIサイクルはコマの回転力であり、その回転の軸となるのがフロネシスだと表現されました。

そして、この回転を続け、知識を実践し続け回転力を高めていくことで、知識創造の範囲が、個人、チーム、組織、社会へと広がっていくことをSECIスパイラルと表現しています。

記事の中では、このSECIスパイラルの概念と、経産省が出していたレポートで描かれていた「市場形成力=遠心力+求心力」という概念との共通点について考察しました。

第10回:ワイズカンパニー6つのリーダーシップ実践から思うパラレルキャリア発想の価値

SECIスパイラルの概念が提示されたところで、第10回では、どうやってそれを実行しつづけるのか、求められるリーダーシップについて解説されます。

ここからの書籍の内容はかなり広範なものだったとので、個人的に刺さった部分をピックアップしていく形をとりました。第10回では書籍の以下の内容の部分からの学びをまとめました。

第4章 何が善いかを判断する
第5章 本質をつかむ
第6章 「場」を創出する

個人的な学びとしては、「ワーク・ライフ・バランス」についての違和感、「パラレルキャリアと共通善」という内容を考察しました。

第11回:そうかミドルマネージャってナレッジ・エンジニアだったのか!

第10回につづいて、ワイズカンパニーに求められるリーダーシップについて、以下の内容について学びをピックアップしてまとめました。

第7章 本質を伝える
第8章 政治力を行使する
第9章 社員の実践知を育む

ここでは、「スクラムとDual OS」、「ミドル・アップダウン・マネジメント」について取り上げさせていただきました。

Dual OSでは、両利きの経営ともまた一味違う組織の在り方を提示していて、非常に示唆が深かったです。いま、本概念のオリジナルにあたる「ジョン・P・コッター 実行する組織」を読んでいますが、めちゃめちゃ面白い!!またおりを見て紹介したいです。

ワイズカンパニー/野中 郁次郎, 竹内 弘高」より篠崎作成

そして、特にミドル・アップダウン・マネジメントの概念については、非常に励みになりました。

現場が直面している「いま・ここ」と経営が目指す「理想の未来」の間にある矛盾を解消する中間のコンセプトというナレッジを生み出す役割、この担い手こそがミドルマネージャであり、それはナレッジ・エンジニアなのだ、というのは、私にはエールにしか聞こえません。めちゃめちゃ元気がでました。

第12回:SECIモデルの謎が共進化で解けた!

最後12回です。「人間中心の経営とイノベーションのゼロから10」について取り上げられました。技術のイノベーションによって、技術が人を脅かす技術脅威論もはびこるが、「人と技術の共進化」が求められる。イノベーションを3段階に分けると、人と技術で得手不得手がある、ということを以下のようにまとめてみました。

また、ここから「共進化」という言葉を「世界標準の経営理論」の第31章エコロジーベースの進化理論から読み解くことで、SECIモデルの最後、Internalizationのプロセスについての理解が、非常に深まったことを書かせていただきました。

以下、図だけ貼り付けておきます。詳細はぜひ、記事をお読みいただけたらと思います。

「世界標準の経営理論/入山章栄」をもとに篠崎作成

ワイズ・カンパニーまとめの連載記事一覧

ということで、全12回にわたってまとめてきた書籍「ワイズ・カンパニー」からの学びの総まとめでした。以下に全記事のリンクを再掲しておきます。

第1回:世界唯一の知の創造の理論「SECIモデル」をまとめてみた
第2回:知の実践企業に立ちはだかる3つの問題の克服に必要なこと
第3回:ホンダジェットの成功からみる知の実践の勘所とは
第4回:実践力のための知の源流、アリストテレスのフロネシスとは?
第5回:実践知と暗黙知とルーティンとダイナミック・ケイパビリティと
第6回:JAL再生に学ぶSECIモデルを回す実践知
第7回:60年でSECI6回転のシマノに学ぶSECIモデルを回す実践知
第8回:エーザイに学ぶSECIモデルを回す実践知
第9回:SECIスパイラルはパーパスを発揮し続け広げていく概念だったよ
第10回:ワイズカンパニー6つのリーダーシップ実践から思うパラレルキャリア発想の価値
第11回:そうかミドルマネージャってナレッジ・エンジニアだったのか!
第12回:SECIモデルの謎が共進化で解けた! 

おわりに

今回のような過去の複数回にわたって紹介した学びのアウトプットのまとめ記事は以下のマガジンにまとめています。

このほか、当方の経営理論に関する記事は以下のマガジンにまとめていますので、もしよかったらのぞいてみてください。またフォローや記事への「スキ」をしてもらえると励みになります。

ということで「形のあるアウトプットを出す、を習慣化する」を目標に更新していきます。よろしくお願いします。

しのジャッキーでした。

Twitter: shinojackie

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