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【書評】【人生の勝算】を読んでわかった、なりたい自分になるためのモチベーションUP術

すでに読まれた方も多いと思いますが、人生の勝算は、SHOWROOMの起業家としても有名な前田裕二さんが書かれた本です。

小学2年生の時に最愛のお母様を無くされ、その後、親戚に引き取られるも現実との葛藤の中でやんちゃな日々を過ごすも、尊敬するお兄様の温かい支えで再起。

親戚のお兄さんからもらった1本のアコースティックギターを手に、1人路上での弾き語りをする中で気づいた、人との絆の大切さ。

外資系証券会社でトップ営業マンとして活躍する中で築いた、人を思いやる気持ち。売れないバンドマンとして過ごす中で感じた機会に恵まれないアーティストの葛藤。

誰もが生まれ持った環境や才能ではなく、後天的な努力で運命を変えられる、そんなプラットフォームを作りたい。そんな強い思いで設立したSHOWROOM。

前田裕二さんのこれまでの壮絶な人生とその中で導き出した、人生の勝算を描いた1冊です。

コミュニティーの大切さ

現在はSNSで誰もが自由に自分の伝えたいことを発信できる時代です。

これまでは先天的に特別な才能や環境で生まれてきた人以外は、自分の好きなことがあってもそれだけで稼いでいくのは至難の業でした。

しかし、通信インフラの発展とスマホの普及により、これまでは機会が与えられなかった人に活躍の場所ができています。

それが、オンラインを活用したファンの集客と、コミュニティの作成です。

前田さんはコミュニティーが機能するには、クリエイター自身の余白と常連客の存在の2つが必要だと言います。

余白のある人と言うのは、端的に言えば、人が応援したくなる隙を持った人です。

これまでのアイドルやクリエイターのように、人目を見る前からすでに完璧な実力を持っている人ではなく、むしろ、不完全だけど、いま一生懸命努力して夢を叶えようとしている人がコミュニティーに人を集められる。

すでに誰かによって完成されたレゴブロックを購入するのではなく、自分もクリエイターと一緒に未完成なものを完成させたいという人が増えています。それはある種、人の夢を叶えることで自分の欲求を満たしているからとも言えます。

そして、常連客とは、クリエイターの1ファンでありながら、コミュニティー内で先頭を切って他のファンをまとめていける人間です。

地方のスナックが潰れずに残っているのは、常に店を応援してくれる常連客がいるからです。スナックには高級なお酒も上手い食事があるわけではありません。

ではなぜ常連客ができるのか。それは店を仕切るママや他の常連客との絆が人を惹きつけるからです。お客さんよりも早く潰れてしまうママ、そんなママを介抱し、時にはママの代わりにお酒を自分で注いで飲むこともある。でもそんなママの隙が人を離さない愛嬌になっています。

…足りないもの、欠けている部分が見えているからこそ、視聴者がコンテンツを自分事として捉えて感情移入し、共感を寄せます。pg.69-70

圧倒的な熱量で目的を叶える


本書では、前田さんがUBS証券で働かれていた時のエピソードも紹介されています。そんな中で、前田さんが尊敬し仕草から持ち物まですべてを真似たという、上司の宇田川さんとの話が印象的です。

宇田川さんは20代後半で最年少でUBS株式営業部のマネージングディレクターに抜擢された超エリート社員だったそうですが、そんな生き馬の目を抜く外資系証券会社で宇田川さんは、他にはないほど誰からも愛される人だったとのことです。

そんな宇田川さんから学んだことは、誰からも好かれてサポートしてもらえる環境づくり、自分のこと以上に周りに時間を使うことだったそうです。

「仕事で大切なのは、人に好かれること」という宇田川さんは、

会社に来たらみんなに挨拶する、誰より早く来て勉強する、日経新聞は毎日隅々まで読むなど、ビジネスマンとして当たり前のことを誰よりも圧倒的エネルギーを注いでやり切る方だったそうです。

また、宇田川さんは営業成績トップとして活躍する中で、自分で出来ることは限られていると考えて、いつも自分以上に周りの育成に時間を使うことで、自分自身の成長のみならず、周囲の成長にもなり、結果としてチームとして個人で出せる以上の成果を出すことを心掛けられていたそうです。

また、宇田川さんの一番弟子で前田さんのメンターだったという藤川さんのエピソードでは、大切なのは、「スキルよりも愛嬌」であり、自分が何を与えたいかよりも、相手が何を欲しいか? を考えて、他者目線で相手が欲しいものを届けられる人がお客さんに選ばれる。

お客さんから選ばれる決め手は、数値で表せない人間的な感情。ハードスキルが優秀な人は沢山いるが、代替可能なハードスキルではなく、この人がいいと選ばれるソフトスキルが大切なこと。

が大切だと書かれています。

例えば、営業電話一つとっても、「どんな人の電話だったら取ってあげたくなるか」を徹底的に考えることが大切で、まずはコミュニケーションの接点を増やすことに注力し手から仕事を始めること、お客さんからあいつバカだねと思ってもらえるくらい、バカをしてまで自分をさらけ出すことで、はじめてコミュニケーションの扉が開くそうです。

これは営業マンとして、お客様の気持ちに立って考えるという姿勢をさらに強くするきっかけになるエピソードでした。

人生のコンパスを持つこと

「問題を解く前に、解くべき問題かを見極めることの方が大切。」という前田さん。

実りある人生を生きる上で、自分は何を幸せと定義し、どこに向かっているのかという価値観の言語化は、必要不可欠であり、その大切な価値観を言語化したものが、人生のコンパスだと書かれています。

コンパスなしに海に出ると船は目的地を見失います。自分の人生でも目指す目的をはっきりさせて、目指す場所に行けるようにコンパスを持つ努力をすべきとのことです。

"船を漕ぎ出すよりも先に、コンパスを持つための努力をすべきだと思います。あとは原動力さえしっかりしていれば、どこへでもいけます。pg 149-150"

自分のコンパスを持っていないと、いつまでも人の人生を羨ましく感じてしまったり、急な外的要因で進むべき道を間違えてしまうかもしれません。

人生には必ずおわりがあります。でもおわりがあるからこそ、人生のコンパスを持って、残された時間をもっとも良いものにしたいと思いました。

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