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悲しいメトロノーム

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自作小説、悲しいメトロノームです。 いわゆる年の差百合
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悲しいメトロノーム 第6話

悲しいメトロノーム 第6話

 こんなに広いお店、初めて見た。
 田舎のスーパーで価値観がストップしている私にとって、そこは謎の組織のアジトかと錯覚しそうになった。
「豊洲ってこんなところなんですね……」
 あれから私は紫苑さんにメイクを施され、綺麗な白いワンピースを着せられ、髪を巻かれた。魔法にかかったかのように心がわくわくする。
「うん。私は丸の内の方が好きだけどね。まああそこは千代田区だし」
 ガラス張りの天井から差し込

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