見出し画像

オマージュ作品その1・狩野一信の五百羅漢図

篠原愛/Ai Shinohara


Title:オマージュ「狩野一信・五百羅漢図」
Year:2016年
Media:Pencil and paper(鉛筆、トレーシングペーパー)
Size:10×15cm
作家蔵

昔描いたドローイングが出てきたので載せておきます。2016年に描いた鉛筆画で、これはトレーシングペーパーに描いた下図です。本画は人にあげました。

幕末の江戸に生きた狩野一信(1816-1863)という絵師の描いた五百羅漢図へのオマージュ作品。狩野一信の五百羅漢図とは、一信が10年の年月をかけて完成させた100幅(一幅は高さ約172cm、幅約85cmの大きさ、これが100幅!!)の空前節後の超大作。
一信はこの作品の制作で精神を追い詰め過ぎたのか鬱病にかかり、48歳で亡くなります。最後の数幅は制作を手伝っていた奥さん(妙安さん)とお弟子さんが仕上げたそうです。

徳川将軍家の菩提寺である増上寺に大切に保管されてきたのですが作品が公にされることは少なく、2011年に江戸東京博物館で開催された「五百羅漢-増上寺秘蔵の仏画 幕末の絵師 狩野一信」(美術史家・山下裕二氏監修)で100幅が一挙に展示され、そのインパクトは絶大で広く知られることになりました。

こちらの山口県立美術館での展示ページからも作品がみれます。

この展覧会の後も増上寺の宝物展示室で何度もみてきたのですが、作品の細部にわたる執念ともいえる描き込みにいつも圧倒されます。
心を病むまでに自分を追い込み、己の画道を走り抜けた一信の目の奥に最期にうつったものは何だったのか。

私がこのオマージュ作品で描いた場面は「第三十幅 六道 畜生」の一部です。

狩野一信「五百羅漢図」第三十幅 六道 畜生(部分)
羅漢さまが動物(畜生)らに教えを説いているシーン。
腹部からみせた仏様の神々しさに貢物をする猿も。

私は大学で油彩を学び、卒業後も油彩をメインに制作しつつも日本美術や東洋美術、仏教美術も大好きで(仏教そのものの考え方に共感する部分が多いのと、作品そのものの繊細な表現に共鳴してしまう)、なのでこういうオマージュ作品はよく描きます。
仏教についてはまた改めて書きたいです。

読んでくださりありがとうございました。愛

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!