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534日後に出版社に内定するナマケモノ|光文社新入社員の就活カレンダー

「いや長い!」というのが、このページを開いてくれた方が最初に抱く感想でしょうか。そうです。自分は人より少し長く就活というものに触れていました。ただ、今年の新入社員のなかには自分より長い時間を費やしている人もいるので、光文社の懐の深さを感じますね。

今年のnoteのテーマはスケジュール感をお伝えすることですので、具体的なアドバイスよりも、日記に近い形になると思います。アドバイスを見たい方は自分たちのひとつ上の先輩方が書いた『出版社どうやったら入れるの』シリーズをご参照ください!

自分の就活スケジュールは以下のとおりです。

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1.やる気スイッチが見つからない日々

うーん、今見ても2行目が恐ろしいですね。半年以上何もしていない。「何もしない」時期が2回訪れているのも背筋が凍りそう。これがナマケモノの由来です。

就活を始めたタイミングはわりと一般的だと思うのですが、ちょっと就活への意欲が低くて、魅力的な遊びが周囲に転がっていて、長期インターンに熱中していたら、いつの間にか年を越していました。

そんなナマケモノの人生(ナマケモノ生?)の転機は、2019年2月に行った出版社の説明会でした。さすがにそろそろ行動しなければと、重い腰を上げた頃です。

とある就活アプリでなにかしら説明会や選考がないかとアプリ内を漁っていた自分は、その出版社の説明会を見つけた瞬間に応募をしていました。何か明確な動機やきっかけがあったわけではありません。ただ、反射的に申し込みをすませていました。当日は道中でもワクワクし、社内に入ったらドキドキし、質問の手をドンドン挙げていました。「ああ、たぶん出版社に入ったら前向きに働けそうだな」と、初めて就活に対して前向きになれた日でした。

もうほぼ直感です。

でも、行きたいと思ってしまったのだからどうしようもない。ここから自分は、出版社志望として初めて”就活”と向き合うことになります。

2.変なところで意地を張るやつ

2月から晴れて出版志望となった自分ですが、お察しの通り手遅れです。早いところは2、3月にESの締め切りが来てしまいますし、そもそも知識がゼロ、何も書けません。

とりあえず、小説と漫画が好きだから!のノリで突っ込んで内定をもらえるほど、出版就活は甘くありませんでした。しかも、本の知識がないことを悟られないように、営業志望でESを出していました。なんという愚かな行為。1回目の出版就活はアッという間に、「ア」を「ア」くらい縮めてもまだ足りないくらい、超短期間で終わってしまいました。

ここで再度ナマケモノの登場です。

直感でしかないのに「出版社しかない!」と思い込んだ自分はなんと業界を変えて就活を再開することなく、また何もしなくなるのです。わたあめくらいの重量感しかない経験しか得られなかったのにもかかわらず、「せっかくやりたいことが見つかったんだから」という理由だけで、他の選択肢をすべて切り捨てました

また、昔からやりたいと思っていた長期の海外滞在をかなえられるのは今しかないという焦りもあって休学を決意し、いったん就活戦線から離れることにしました。

あと、大学の友達との卒業旅行なんかにも行っちゃったりします。せっかく休学したんだから!という喉元過ぎれば熱さを忘れるにもほどがある思考で2カ月ほどまったりライフを楽しんでいました。

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海外生活中に見た景色。心が洗われるううう。

3.生まれ変わったナマケモノ

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。何も参考にならねえよ!とお怒りになる気持ちはわかります。自分でもそう思います。

しかし、ご安心ください。不肖ナマケモノ、ここから超頑張ります。自分で自分のことを頑張っていたとはあまり言いたくないのですが、ちゃんと体験談を書くので許してください。スケジュールに沿って、行動を振り返ってみます。

①11~12月
1カ月半ほどの海外生活と半月の旅行三昧を経て大満足した自分は、ついに”就活”と再度向き合い始めます。

11月から2回目の就活を始めたわけですが、まずはここでは他業界のインターンシップに参加しました。1年目の反省として挙げられるのは、他業界に興味を持たなかったこと及び滑り止めを考えていなかったことです。銀行やら総合商社やらITやら、自分が興味を持てなかった分野にも応募し、インターンに参加し、琴線に触れる部分の有無をひたすらに探していました。

また、同学年が就活を終えてしまい、ともに頑張る仲間がいなかったので、就活頑張るぞーっていう人たちが集まるコミュニティに積極的に参加して情報収集をおこなっていました。自分とは違う価値観や将来像を持つ人間がたくさんいて、勉強になりましたね。就活を終えた今でも、つき合いがあります。

②1~3月
1月に入ると出版社のESの準備をしなければと意識し始めます。1回目に足りていなかったのは圧倒的に準備。できることはなんでもやろうと、出版社のインターンシップに参加し、OB訪問をし、国立国会図書館に通い、自己分析をし、筆記試験用のテキストを購入し、作文の予定稿を準備しました。

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ホワイトボード全面を使って企業研究や自己分析をおこなってみたり。なんだか先生になった気分でノリノリでやっていました。ちなみにこのホワイトボードは知人の家のものを勝手に借りました。

特に自分が力を入れたのはOB訪問です。OB訪問ではお話をうかがうことで業界・企業研究をし、あるいはESの下書きを添削していただき、直してまた見ていただくということを繰り返していました。会話の中でちょっといい言葉がもらえたら、それを自分風にアレンジして面接で話していましたし、落ちた時に反省会兼励まし会を開いてくれる方もいました。OB訪問は1月から内定をもらう7月まで定期的にしており、合計で10人以上の方々にお世話になっています。もちろん、光文社の方にも大変お世話になりました。

間違いなく言えるのは、OB訪問なしに自分の出版就活は成り立たなかったということです自分の最大の功績は、OB訪問を積み重ねたことにあると思っています

③4~5月
21卒の就活で最大の変化はコロナがあったことです。1年前の就活とはまったく違う顔をしていました。家から出られなくなり、Web面接という未知の面接が始まり、会社によっては日程を大幅に変えて、就活生をびっくりさせていました。ただでさえストレスフルな就活にさらに圧力がかかったことで、それはもう辛かったです。

早く解放されたいと願うなかで出版社から届くメールのほとんどは、面接日程を延期するというもの。人をよく見たいという出版社はWebではなく対面での面接にこだわりがあるようです。4、5月ではES提出以外の出版社の選考予定がほとんどなくなってしまい、地の底まで落ちたテンションのなかで考えたのは、他業界の選考のことです。

先述したように11月は他業界に興味を持とうと諸々対策をしていましたが、結局これという興味は得られていませんでした。しかし、出版社に絞った就活が危険であることは知っています。何も保険を用意せずに受験するのは心もとない。そこで、この空いた期間で一般企業の内定を取って出版就活に集中しろという神様からのお達しだということにしました。興味の湧かない業界の選考は大変でしたが、それでもなんとか1社内定を獲得することができました。よく他業界との両立の仕方を聞かれることがあるのですが、自分の場合はこういった特殊な事情があったからこそできたことになります。参考にならずにすみません。

④6~7月
ここからは出版社に集中した就活をおこなっておりました。この期間にもOB訪問は続け、時間があれば国立国会図書館に通い、面接を受けてはその振り返りをおこなっていました。

不幸中の幸いで(と言っていいのかわかりませんが)、コロナの影響によって筆記試験が通常のWebテストに切り替わったり、そもそも作文だけの提出やテスト自体を省略する企業もあったので、面接対策への時間が十分に取れたと思います。この期間は非常に楽しかったです。選考のたびに一喜一憂し、次はこうしたら伝わるか、どんな面接官が出てくるのか、と楽しみながら一つひとつの選考を受けていました。

出版社の面接は、本好き同士の会話がたまたま面接部屋でおこなわれたという具合の気軽さで、時にはこれが面接でいいのか?と思うくらいラフな会話が続くことがあります。面接を重ねるごとに出版業界で働きたいという思いを強くし、自分のしょうもないボケを微笑みながら聴いてくださった方が社長を務める光文社にご縁をいただきました。

こうして無事に、ナマケモノは就活を終えたのです。

4.まとめ:ナマケモノの独り言

どこかから「憧れだけで将来を決めるなんて」とか「キャリアプランをしっかり立てないと」とか「好きだけで内定が取れるほど甘くない」とかいう声が聞こえてくるかもしれませんが、結局は自分の人生です。どんな道を歩んだって自分が満足していればいいじゃないですか

一足先に社会人になった同学年の友達からは「会社つまらない」「やめたい」などの言葉を多々聞きます。4月1日に絶望したという人もいました。自分もそうなったらどうしようと思いましたが、そうならないための選択をしてきたつもりですし、実際そうはなっていません。このnoteの執筆中はまだ研修中の身ですが、日々の課題も楽しく、本や雑誌の話で盛り上がれる同期がいて、憧れる先輩方がいます。あの時の直感は間違っていませんでした。

やりたいことがあるというのは幸せだと思います。出版社を目指す人はそんな人が多いでしょう。一度抱えてしまった憧れやこだわりに縛られて、苦しい思いをすることもあるかと思います。でも、どうかその熱意を大切にしてください。諦めなければかなうみたいな無責任なことを言うつもりは一切ありませんが、それでもやっぱり自分の心に正直になって、こだわるところはこだわったほうが我が身のためでしょう。

自分は次のやりたいこと、こだわりに向けて光文社で頑張ります!もうナマケモノの自分は封印されていますように!いや、封印します!

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