人生で、私がずっとほしかったもの

 たまたま今日、仕事の席で、「自分が、昔から〝ほんとうにほしかったもの〟は何だろう」と考える機会がありました。

 私には3つあり、どれもお金では買えないものでした。

 ひとつめは、「信頼できるパートナー」。頼り、頼られ、夢を一緒に追える人。ずいぶんませているようではずかしいけれど、小学生のときから、そんなふうに考えていました。家族との関係がよくなかったから、心を許せる人がほしかったのだと思います。

 ふたつめは、「安心して眠れる場所」。これもやはり、育った家庭環境が影響しているのかもしれません。

 みっつめは、「時間」。自分の思索をかたちにする、創作作品をつくる時間です。

 ふり返ると、〝この3つを希求している自分〟というのは、人生のどの時点でも、一貫して変わりませんでした。

 けれども、3つがすべてそろうということは、なかなか叶いませんでした。時間があってもパートナがいない、とか、パートナーがいて安心して眠れる場所があっても仕事が忙しすぎて時間がない、とか。

 その3つが、奇跡的にそろったのが今年、2020年です。3つ同時に実現したのは、これまでの人生ではじめてといえます。

 コロナや、それによる仕事の変化、生活の先行き、健康のことなど、不安要素はもちろんいくつかあるけれど、私がずっとほしかったものはそろって与えられていた。それに今日、気づくことができました。

 気づけてよかったです。

 これまで生きてきた52年、苦悩していた日々のほうが多かったと思います。でも、ここにたどり着けました。ほんとうにほしかったものがいま、そばにあるのです。
 だから、ここまでたどってきた道のりの、数々の決断、苦労、悲しみ、痛み、それらはすべて正しい方向に進んでいくなかで起こったことだったんだよ、間違ってなかったよ、と、自分の人生を肯定してもいいんじゃないか。そんな気分になれました。

 それは、とても幸せなこと。私にとっての〝GOOD NEWS〟、ひとつの福音の発見でもありました。

 静かな日常が、いま与えられていること、その尊さを思い、深く深く感謝しました。そして、ここから私は(いまどきのキリスト者として)自分のできることをしていこう。していかなければと、思いを新たに、気持ちを引き締めたのでした。


◇見出しの写真は、みんなのフォトギャラリーから、HanaKokoroさんの作品を使わせていただきました。ありがとうございます。

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