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有馬信夫監督という『教育者』に魅せられて【取扱説明書】

 6月27日(日)は都立日野高校のグラウンドで恩師の赴任先である都立足立新田高校が練習試合していると聞きつけ、父と2年振りに野球を観に行ってきました。野球っていいなと。父との時間も良かったですし、学生野球って賞味期限があるスポーツなので必死っていいなあって心底思いました。

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本題ですが、恩師である有馬信夫監督の説明書についてです。恩師に対して、このタイトルが適切かどうかわかりませんが...自身は監督が異動してくるって聞いて、総合工科へ入学を決意したし本当にここで良かったと思える野球人生を送ることができました。全ては有馬監督を初めとした指導者や仲間のおかげです。

2018年より総合工科から足立新田高校に異動して監督として指導しています。その日は久々に監督が采配している姿を見ました。今でも怒鳴りまくるし、吠えまくる。夏の大会前なのでシビアだったなあと感じました。選手交代も大会を想定しているなあと。

有馬監督の経歴等々に関しては『有馬信夫』と検索していただければ出てきますので調べてくださいね。

野球も時代が変わってきたってところもありますが、時代に逆行して有馬監督は怒鳴りまくります。(笑)当時からスタイルは何も変えていません。

有馬監督が何故これでもかと生徒に怒鳴り続けるのか。ちゃんとそこには意図がある。教え子なので、どういう人なのかは自分が一番よくわかります。周りが見るとなんだあの人と思われやすい、勘違いされやすいです。いろいろ勘違いされている方も多いのでちゃんと説明します。

有馬監督は生徒のことを『宝』と言います。来てくれた部員が全てなのでずっと怒っているわけではありません。都立だろうが私立だろうが関係なく野球選手として、選手に求めるレベルというのはとてもとても高いところを想定しているので、全く満足なんてないんです。少なくとも高校生の間は。もっとできるをずっと求める監督さんなんです。

これって部員からしたら嬉しいですよね?自分も現役時代、もっと努力しろとずっと言われてました。これは人間満足したら成長しないよというメッセージです。

そういう有馬監督自身も甲子園へ出場したことが転機となり、さらにレベルアップしないといけないと気づいたって言います。こんな監督いますか?普通は甲子園へ出場したことで満足してると思います。自分がもっといい指導者になれるように多方面に教えを仰ぐんです。いくつになっても、ちゃんと教えてほしいと頭下げれる人ってもう最強でしかないと思う。頭でっかちにならないように選手で試して、合わなかったらやらない。選手のために取捨選択もちゃんとやってくれる方でした。

全員とはいいませんが、都立の生徒は強豪でやる自信がなかった選手や中学時代に全く試合経験がない選手達なんです。向かっていかないと私立に勝利することはできないよとずっと言われていました。気持ちの部分を強化するんです、生徒が持ってるナニクソを引き出すために。自身もそうです、最初から公立で一生懸命やるところに行きたかったので総合工科を選びました。

私立が学校として強化しているから、都立は勝っちゃいけない?なんてことはない。絶対私立の強豪を食ってやるんだという気持ちが前面にある監督さんです。だから夏の大会中は血圧が上がりっぱなしでいつも薬飲んで戦ってます。要するに有馬監督は『本気』なんです。

赴任していた各学校で甲子園経験校に勝利してきました。

野球の指導者でもありますが、教育者でもあります。

有馬監督は暴力もないし、理不尽なこともありませんでした。一切です。

周りから見ると一匹狼に見えるので近寄りがたいオーラは確かにあります。社会人になってからでも、そんなんではまだまだ。もっと努力しろと言われていますね。

今では問題なのでは?ということも言いますが、当時からです。有馬監督には関係ありません。もっとできる、上手くなれるからこれでもかという限り吠え続けるんです。人に指摘されたぐらいで自分のスタイルを変えません。

よく考えるとチームのトップが周りの目を気にしてたら生徒達なんて監督を信じますかね?自分だったら不安になります。常々、負けたら俺の責任だ。思い切ってやれと監督は自分達のことをちゃんと守ってくれました。

だから弱気、言い訳は大嫌い。そこが見える選手に関しては怒鳴られます。
ここを指導するのも常々言ってますが、高校野球は通過点なので大人になって全うに生きることのほうが大事。大人になっても弱気のままでは負けてしまうぞと。

有馬監督は自校の選手に可能性しか感じていないので求めるものが相当高いのですが、選手は怒鳴られたとしても流しておけば大丈夫です。監督のことをとやかく言うのではなくて、監督に何も言わせないプレーをしてやるんだと黙って練習したらいいんです。

まだまだ甘いと怒鳴られながらも、監督は生徒を見捨てないんですよね。平気で翌日の練習試合に出したりします。だから監督は厳しいけど部員からの信頼は抜群にありました。監督のことを同期で悪く言う奴なんて一人もいませんでした。

外部から見たら生徒が可哀想なんてことを言う人もいるかもしれませんが、部員の方は大丈夫です。ほっといてもらえれば平気です。

有馬監督は選手から好かれようなんてちょっとも思ってないと思います。
あえて嫌われようとしているんです。褒められて伸びるなんてことは考えてませんよ。うちの監督は。(笑)

唯一、自分達の代で後悔していることがあるとするならば有馬監督を慕って入学したメンバーが多かったので、有馬監督についていけば勝たせてもらえると思っていたこと。事実、創部4年の新興勢力を軌道に乗せてくれたのは有馬監督なんです。慕って入学したのであれば、監督のことを勝たせてあげようとより強く思えなかったのだろうと今でもそこに関しては後悔してます。そういう思考がなぜ作れなかったんだろうって。

苦言になって申し訳ないんですが、足立新田の子達は野球うまいんですけど。。。いちいち監督の言うことに反応しなくていいよ。くそオヤジ!と思って黙って練習しよう。

うちの監督はどんな生徒でも見捨てない。ちゃんと勝負できる生徒を作れる。当然だけど生徒が信じてくれれば監督も生徒を信じる。

自身もこてんぱんに怒られました。やっぱり卒業して10年経ちますが有馬監督を慕って入学して本当に良かったということです。自身は有馬監督専属のボール渡しと三塁ベースコーチでした。試合出場には全く引っかかりませんでしたが卒業しても毎年挨拶行ってます。この間は福岡県のテレビにも出していただきました。

有馬監督が異動してくるって聞いて総合工科入ることにして100%正解だったなと。大人になってもあの時に監督に言われたことが今でも生きています。

有馬先生の教え子も東京都含め各地で指導者になっています。城東時代に甲子園出場して「また甲子園に行きたきゃ教員になれ」と言ったそうです。これは教員仲間でも語り草になっているそうですね。

最後に私から。
教え子に対しても、教員仲間に対しても、メディアの方に対しても厳しいのが有馬監督です。総合工科を野球誌に取材してもらえるってなったのに、記者さんの不勉強で怒ってることがありました(笑)

それでもあの人ほど、生き方が教材になる人っていないんですよね。
自分で経験したものを信じて生徒に教えています。人としての深みがあります。あの人しか持っていないものがあります。

これからも有馬信夫監督を宜しくお願いします。


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