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欅坂46が組織崩壊した論理的な理由と、櫻坂46がすべきこと

普段、IT企業で新規事業の経営をしている者です。
櫻坂46のファンで、このように度々ビジネスの視点を交えながら欅坂46/櫻坂46の分析記事を書いています。

今回は、守屋茜さんが副キャプテンを勇退したり、松平璃子さんが卒業したりとニュースがあったので、改めて欅坂46はなぜ組織崩壊したのか考えてみました。

本記事では大まかにこんなことが書いてあります。

・欅坂46/櫻坂46は特に卒業者が多いわけではない
・欅坂46はモラルハザードを原因としたイレギュラーな卒業が問題だった
・原因は①下位メンバーの固定化②具体的なビジョン不在③キャプテンの機能不全 の3つ
・櫻坂46では、これら原因への対応に加えて卒業年齢に差し掛かる2期のケアが重要課題
・守屋茜さんは、恐らく副キャプテンとしての役割をやりきったのでは

面白いなと思ったりしたらコメントやハートをいただけると嬉しいです。
他にもいろいろと櫻坂関係の分析しているので、良かったら読んでみてください。

そもそも、欅坂46の卒業者は多くない

まずは、問題の所在から分析していきます。

乃木坂46や日向坂46(けやき坂46)と比較して卒業・脱退者が多いイメージがある欅坂46/櫻坂46ですが、他アイドルと比較して卒業者が多いのでしょうか。
AKBグループのデータをまとめたサイト様よりデータを拝借して分析しました。(性質が似ていて、母数が407人と多かったためAKBグループと比較しています)

まず、在籍期間です。

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見ていただいて分かる通り、在籍期間が短い方が卒業人数が多く在籍3.5年で半数は卒業です。
欅坂46時代から考えていくと現在は5年目に当たりますが、AKBグループだとこの時点で初期からいるメンバーの約70%は卒業している計算です。
実績値では、活動開始前の実績を合わせて1期生の卒業率は52%(12人/23人)なので、欅坂46/櫻坂46の卒業者数(卒業率52%)は相場より多くないというのが結論になりそうです。

次に卒業時の年齢を見ていきます。

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見てわかる通り、17歳~18歳のタイミングでの卒業が突出しています。
これは高校卒業のタイミングの年齢であり、大学進学や別の道に進むタイミングと重なることから、納得感のある数字では無いでしょうか。
先ほどの在籍期間のグラフと合わせて考えると、中学生~高校1年でデビューして高校卒業を期限にアイドル活動し、その時点で将来の見込みが立っていれば残るし、そうでなければ卒業、というアイドルの姿が見えてきます。

一方の欅坂46/櫻坂46は、結成時の平均年齢が17.2歳。どちらかというと、高校卒業後の進路としてアイドルを選択したメンバーが多いことを示しています。(推察ですが、欅坂46PJの開始時にAKBグループのこのような傾向を理解したうえで、高校卒業のタイミングでのグループ卒業を減らすような採用を意識的にしていたのだろうと思います)

したがって、欅坂46で問題だったのは「本来卒業するタイミングではないようなタイミングで卒業が起きたこと」だったと言えるのではないでしょうか。

イレギュラーな卒業が問題。なぜ起きた?

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欅坂46ではメンバーの卒業理由がネガティブなものであると報道をされたことや卒業後の立ち振る舞いがチーム全体の停滞につながっていました。
真相は本人たちのみが知ることですが、報道では以下のような卒業理由とされています。

《欅坂46卒業・脱退メンバーの理由》
今泉佑唯さん:タレントして独立のため。いじめがあったとして炎上。
志田愛佳さん:体調不良。休業期間での男性との面会が炎上。
米谷奈々未さん:大学入学を機に。
長濱ねるさん:詳細語られず。各種スキャンダルへの責任(?)。
織田奈那さん:恋愛スキャンダルによる炎上。
鈴本美愉さん:モチベーションが無くなってしまった。
平手友梨奈さん:「脱退」と表現。体調不良?他メンバーへの配慮?
長沢菜々香さん:夢に向けて独立。在籍時からの恋愛が発覚し炎上。
石森虹花さん:挑戦に向けて。ホストとの熱愛スキャンダルで炎上。
佐藤詩織さん:グループ改名を機に将来を考えて。

欅坂46ではスキャンダル(または誤報による炎上)を伴う卒業が実に50%と多く、スキャンダルを起因にした意に反した卒業が多かったことが、イレギュラーな卒業が多い原因です。

つまり、欅坂46の組織上の課題は「グループ内のモラル向上」だったといってよいと思います。
では、モラルが低いのは何が原因だったのでしょうか?

ファンの立場から思い当たる点はいっぱいあるのですが、論理的にその理由を既に解き明かしています。

原因①下位20%メンバーが固定化(2・6・2の法則)

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経営組織論で説かれる内容の1つに、「2・6・2」の法則があります。

これは、組織を運営していくうちに自然と

成果を非常によく出す優秀なメンバーが20%
平均的な成果を出すメンバーが60%
満足な成果を出せないメンバーが20%

に収斂していくというものです。
必ずしもこの割合は絶対のものでは無いようですが、本質は「どんなに選抜してメンバー集めした組織であっても、そのなかでローパフォーマンスのメンバーが一定数生じてしまう」というものです。

この20%/60%/20%が固定化したまま組織が運営されていくと、下位20%のモラルハザードが起きます。会社で言えば、「たばこの時間が長くなる」「社内ルールを破る」「不倫が横行する」などです。
だから、組織は下位20%が固定化しないような対策をせざるを得ないわけです。

例えば、私が前いた会社は外資系だったので「up or out(成長するか、会社を去るか)」が仕組み化されており、下位15%の社員は毎年クビにするという方法で、この必ず発生するローパフォーマーへ対応をしていました。

アイドルで言えば、新曲発表の度に入れ替わる選抜メンバー制度がそれにあたるでしょう。
一方で、欅坂46は事業戦略上の理由から「全員選抜」「センター固定」を取っていたことで、この下位20%の流動化に失敗していたことが想像に難くないです。

卒業したメンバーが原因となってモラルハザードが起きていたのかは不明ですが、理論からするとこれは原因の1つと推測されます。

原因②具体的なビジョンの不在

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超分かりやすいビジョンである「甲子園優勝」。
こうした具体的なビジョンは、組織へのコミットメントを高めます。
会社で言うと、スタートアップ企業がIPO(上場)をビジョンに掲げて、低賃金低待遇で社員を馬車馬のごとく働かせていることは一般的ですが、まさにそれです。

分かりやすいビジョンは、
・メンバーが自身の働く意味(パーパス)設定につながり、
・それが故に組織への能動的な貢献に繋がり、
・結果、下位20%メンバーの意識底上げにつながる
という因果関係で、モラルハザードを防ぐ効果を持ちます。

ちなみに、この「パーパス・マネジメント」という言葉が昨年のバズワードで、社員同士のピアボーナス(少額の褒賞を社員が互いに送り合う)ことや全社定例会などが増えるという現象が起きていましたね。

アイドルに置き換えると、
・公式ライバルグループと同等の知名度になる(乃木坂46)
・アンダーグループからの昇格か脱出(日向坂46)
などが「具体的なビジョン」にあたると思います。

一方で欅坂46は1曲目「サイレントマジョリティー」がスマッシュヒットし、1年目から紅白歌合戦に出場してしまったことで、具体的なビジョンになりやすいイベントが大体達成済になってしまった状況でした。

「誰でも知っているようなグループになりたい」
では具体的とはいえず、それゆえメンバーが自身のパーパスを持ちづらかったのだと推察されます。

原因③キャプテンの権威不在

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こちらは征夷大将軍・徳川家康です。
彼は圧倒的な武力を持って天下統一をしたので「将軍」になれたのですが、なぜこんな公家風な格好をする必要があったのでしょうか。

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実は「リーダー」としてしっかり機能するためには、制度やルールによって定められる「権力」だけではダメで、メンバーが納得し従う理由となるとような「権威」が必要です。
徳川家康の場合は、日本の最大の権威である天皇家より官位を賜ることで各地の大名が納得する「権威」を手に入れました。だから、公家風ファッションをしているわけです。

この構図は会社や組織でも一緒で、株主総会・取締役会で代表取締役社長やCEOに選任されたといっても、社員が納得できるような実績や経歴の権威付けが無ければ職責を果たすことはできないです(だから特に役に立たないMBA持ちか、分かりやすい実績を持つ叩き上げが社長になる)。

組織が大きくなって、1期2期のような縦関係ができれば1期であることが「権威」になりますが、同期の組織であれば「能力」「年齢」程度しか権威付けの道具になるものがありません。

この点、乃木坂46や日向坂46と欅坂46を比較すると分かりやすいかもしれません。

乃木坂46の場合「暫定選抜メンバー」という権威のもと桜井玲香さんが暫定キャプテンに任命され、卒業を機に1期の秋元真夏さんにキャプテンが移管されました。

日向坂46の場合、けやき坂46時代は欅坂46(選抜グループ)との兼任という権威を持つ長濱ねるさんがキャプテンっぽい立ち回りをし、その後は最年長・1期の佐々木久美さんへ移管されました。

欅坂46では、最年長の菅井友香さんがキャプテンに突如指名されました。

つまり、菅井友香さんの能力云々という話ではなく、欅坂46では状況が原因となってキャプテンの権威付けが上手くできなかったと想定されます。
その状態で、モラルが低下しているメンバーに何か指導ができるかというと「それは無理筋でしょ」という感じです。

欅坂46に2期生・新2期生が加入してきた辺りから菅井さんに「キャプテンらしさ」が出てきたのも偶然では無いでしょう。下の期が出てくれば自然と権威付けがされるので、役割を十分に果たすことができる環境が整います。

ちなみに日向坂46も同様の轍を踏むリスクがあったのだと思いますが、
・けやき坂46時代には具体的なビジョンがあったこと
・ビジョン達成の前のタイミングで2期生が加入したこと
が偶発的に発生したから、モラルハザードを起こさなかったと思います。

佐々木久美さんが優れたキャプテンであることに異論はないですが、では菅井友香さんと同じ状況に置かれた時に組織崩壊を回避できたかと言えば、そんなことは無かったのだろうと思います。
つまり、菅井友香さんが悪いわけでは断じてない。

櫻坂46が欅坂46と同じ轍を踏まないためには?

こちらは、「櫻坂46」が新グループ名と発表された際の動画です。
ちなみに、手は菅井友香さん、声は小林由依さんとのこと。ゆっかーは大分ごつい手をしているんですね。

さて、ここまでの話をまとめると

・欅坂46ではモラルハザードを原因としたイレギュラーな卒業が問題だった
・その原因は3つ①下位メンバーの固定化②具体的なビジョン不在③権威が足りないことによるキャプテンの機能不全

でした。

恐らくこの考え方が正しいと思っていて、何故ならば櫻坂46では

①下位メンバーの固定化⇒櫻エイトなる半選抜制の導入
②具体的なビジョン不在⇒動画の「欅坂を超えろ」で仮想敵を明確化
③キャプテンの機能不全⇒1期菅井友香さんの継続登用

とそれぞれ対応をしているように見えるからです。
運営もプロなので、欅坂46時代の失敗は十分に研究して櫻坂46に向かっているというわけですよね。
個別の施策で見るとファンから色々な意見がありましたが「モラルハザードを起こさない」という文脈で見ると、それぞれの施策が有機的に繋がっているように見えます。プロの仕事ですね。

では、これで万全かというと全くそんなことは無いですよね。

直近では、欅坂46で副キャプテンだった守屋茜さんがリリースされ、櫻坂46副キャプテンに2期生松田里奈さんが指名されたり、2期生の松平璃子さんが突如卒業を表明したりと目まぐるしい動きがあります。

特に、スキャンダルがらみの卒業ではないですが、イレギュラーな卒業となった松平璃子さんの卒業は新生櫻坂46が組織として十分に機能していないことを示唆しています。

今まで起きた組織上の不具合は1期だけの運用での不具合だったのですが、これが1期・2期・新2期と代が増えると新たな対応が必要になるのではと思います。

最後にこの点を考察して終わります。

副キャプテンの役割とは?

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写真の右側が欅坂46で副キャプテンをしていた守屋茜さんです。
櫻坂46の副キャプテンにはスライドしませんでした。
このことで「そもそも副キャプテンとして何やってたの?」と叩かれていて心が痛いのですが、そもそも副キャプテンの役割って何でしょうか。

通常、会社組織が「副社長」を立てる時に期待するのは
 ①社長が非常時の代表権代行(ピンチヒッター)
 ②重要事業領域や重要課題に対する最終責任者(権限移譲先)
 ③後継者としての成長(次のリーダー候補)
の3点と言われています。

今回、2期生松田里奈さんが副キャプテンに指名されましたが、②③からその理由が説明できます。

冒頭分析したように、2期生・新2期生の多くがアイドルが卒業しやすい18歳前後に差し掛かっています。そのため、早期に卒業の意向をキャッチして場合によっては説得する必要も出るでしょう。その対応に「副キャプテン」という肩書を与えることは合理的です。
また、③の次期キャプテン含みであることも結構自明ですよね。

キャプテンは菅井さんが継続であるものの、新たに生じる組織崩壊リスクを封じ込められるかは松田さん次第、ということでしょうか。

では、守屋茜さんに期待されていた「重要課題」とは何だったのでしょうか。
これは完全に推測ですが、脱退となってしまった平手友梨奈さんのケアだったのではないかと思います。

番組でも仲が良い姿が見られ、プライベートでも鎌倉旅行に行った等のエピソードがあり、ドキュメンタリー映画「僕たちの嘘と真実」でも平手さんの変化について詳しく語っています。

完全に推測でしかないですが、そう考えるとスッキリします。
表立って成果を公表できるものでもないですし、かつ課題は残念ながら解消してしまったので、自身のスキルアップと今後のために副キャプテンを離れたのではないかと。

他にもいろいろと櫻坂関係の分析しているので、良かったら読んでみてください。

以上です。
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