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広告に頼らず売上を増やす!D2CブランドがInstagramとUGCを活用してファンと売上を作る2つの方法

9/18にソーテック社より「世界一やさしいInstagramマーケティングの教科書」という本を出版する運びとなりました。自社で運用している28万フォロワーのアカウントのノウハウを全てさらけ出しており、おそらく内容は全然やさしくありません(笑)

25万文字くらいのボリュームになってしまったので、それを削りに削っての編集となりました。色々伝えたいこともあるので、内容を分割してこのnoteで伝えていきたいと思います。

BASEやShopifyの利便性の高さ、またコロナ禍でのEC需要の爆増もあいまって、D2CブランドさんからSNSマーケティングのご相談をいただくことも増えています。

大手ではスピード感をもって生み出しづらい自社開発のプロダクトを、小売を介さず顧客に直接届けるD2Cブランド。創業2年ほどで38億円で大手に売却をする事例も出てくるなど、その盛り上がりはまだまだ続きそうです。

D2Cブランドのマーケティングといえば、創業者の想いが乗ったコンセプトと世界観を武器に、情緒的にSNSを駆使してフォロワーを増やし新規顧客を獲得している印象が強いかと思います。

しかし実情はそんなことなく、アフィリエイトを中心に、リスティング広告、SNS広告など獲得チャネルをチューニングし、獲得効率の高い新規チャネルを模索するなど、どれだけ初回購入のCPA(獲得単価)を下げることができるか日々数字と向き合い最適化を行っているのが現実です。

アド(広告)とアフィリエイトを専任の社内スタッフが最適化し、CAC(顧客獲得コスト)をどれだけ下げられるか、そしてその後のリピート率を最大化してLTV(生涯顧客価値)をどれだけ上げられるか、というようにいわばシンプルにCAC<LTVの計算式を成り立たせる勝負になっている側面があるのです。※この式はどの業界にも言えることですが、特にD2Cはその名の通り変数が少ないため、CACダウンとLTVアップに向き合うことが大切です。

SNSのフォロワーを増やすのにも時間がかかり属人的になるため、ビジネスとしてリターンが求められる以上、即売上に繋げられ、再現性を出せる広告チャネルをどうハックするかが業界では重要な論点になっています。

Instagram広告がスタートした2016年あたりは競合も少なく、クリック単価を抑えられ、高い費用対効果を実現できましたが今や雨後の筍のごとく広告ハックを試みるブランドが増え競争環境は厳しくなってきています。

こちらのYouTubeでの三崎さんのお話も面白く、多数のD2Cブランドに出資している中で各社で異なる施策を行ってもらい、勝ちパターンをすぐに全体で共有して他との優位性を保っているというお話でした。

三崎さんの会社を有名にした伝説の商材「フルーツ青汁」は、初期のまだ広告主が少ない時代のTwitter広告をインハウスでフル活用することで低いCACを維持して伸ばせたとのことです。

今はTikTokがそれにあたるかもしれませんが、獲得効率が極端にいいチャネルもそうそう出るものではありません。昔に比べ情報が出回るスピード感も上がっている今、資本があるブランドは早々にそれに気付きものすごい予算を投下してきます。

他にも世界的な潮流であるプライバシー問題からくるクッキー規制の流れもあり、これまで獲得効率のよかったリターゲティング広告の配信が難しくなってくると広告効果は悪化の道を辿っていくでしょう。

この問題含め他にも以下のような課題を多くのD2Cブランド担当者は抱えているように見受けられます。思い当たる節がある方も多いのではないでしょうか。

1.広告最適化によるCPAの下げ止まり問題
2.クッキー規制による広告効果の悪化問題
3.獲得優先で後回しになっているLTV最適化問題
4.ギフティング頼りでオーガニックUGCがだせない問題
5.フォロワー増えずInstagramでの集客うまくいかない問題

今回のnoteではこれらの課題を解決に近づけるための、Instagramの2つの活用方法についてご紹介していきたいと思います。

以下Substackからメールアドレスを登録しておけば、更新のタイミングでメールで届くため見逃しがありませんのでオススメです。

また、このnoteをご覧になって頂いている事業者担当者の方限定で、Instagramマーケティングについての無料アドバイスが可能です。もしご希望される方はDMをください。

Twitter:https://twitter.com/illshin
Facebook:https://www.facebook.com/shin.kinjo
MAIL:hello@trevary.com

1.InstagramでECサイトの直接売上を増やす方法

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広告経由で顧客を獲得して売上を増やしていくのは再現性もあり、費用対効果も見込みやすい施策ですが、どうしても予算がかかりますし、出稿を止めれば同時に売上も減ります。

広告は新規を獲得するための有効な施策なのですが、改善に時間と労力を費やしてもCPAはどこかで必ず下げ止まりますし、その後のリピートに繋げられなければザルに水を注いでいるようなものです。

アフィリエイトも有効な施策ですが、拡大に比例してアフィリエイターさんたちとの交渉やマネジメントも膨らむ一方であり、潜在的なリスクも増大するチャネルでもあります。

広告チャネル以外に、運用を通して購入率を改善していける場所としてオススメなのがInstagramです。1万フォロワー以上になれば、Instagramストーリー経由で自社ECに誘導が可能ですので、フォロワーの増加に従い無料でいくらでも良質な見込み顧客を連れてくることができます。

例えばフォロワー数が1万人いる場合ストーリーの閲覧率が30%、そしてリンクタップ率が10%であれば、10,000×30%×10%となり、一度のストーリー投稿で約300人を商品ページに誘導することができます。

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商品ページの購入率が1%で客単価が平均3,000円であれば、ストーリー投稿だけで約9,000円の売上に繋がることがおわかり頂けるでしょう。

無料でかつ2,3分ほどで対応可能なInstagramストーリー。フォロワー数>閲覧率>タップ率を上げることで大きな売上インパクトを生み出すことができます。

ストーリー閲覧数=フォロワー数×ストーリー閲覧率(KPI)
ストーリー誘導数=閲覧数×ストーリータップ率(KPI)

KPIとして閲覧率は30%、タップ率は10%を目標にぜひそれぞれの最大化を目指してみてください。

これが10万フォロワーの場合、一度のストーリー投稿だけで3,000人の誘導が可能です。広告の場合、クリック単価50円だとするとECサイトに3,000人連れてくるには150,000円を要することになります。

その作業が運用担当者の数分の対応で済み、フォロワー増加に従いそのレバレッジは大きくなります。広告に頼らず、ストーリー上のクリエイティブやコミュニケーションで、いくらでもフォロワーを顧客に転換できるチャネルなのです。

この方法を成功させるには、ストーリーの閲覧数を最大化させるため「フォロワーを増やす」ことが最優先事項となります。前回のnoteでもお伝えした通り、そうなると投稿の保存数を増やすことがKPIとなり、そのためには文字入れをした投稿がマストになってきます。

一方、ブランドによってはビジュアルを通した世界観をInstagramでは重要視し、文字入れNGのところも多いかと思います。

やり方によってはブランドの世界観を維持できるものではあるのですが、文字入れをするとどうしてもミニブログ(メディア)感がでてしまいブランディングにそぐわないので🙅🏻‍♂️というところも多いでしょう。

そこで次にご紹介するのは、このnoteの本題とも言える、文字入れに頼らずにフォロワーを増やし売上に繋げていく方法です。


2.文字入れに頼らずInstagramでECサイトの売上を増やすためのUGC活用術

アフィリエイターさんのように個人でやっているアカウントはまだしも、企業やブランドで運用しているInstagramの場合はガッツリ文字入れをするInstagram運用の意思決定は難しいところも多いかと思います。一方、予算も潤沢でなければ広告を使ってフォロワーを増やすというのも難しい選択肢でしょう。

Instagram上で「文字入れ投稿→フォロワー増加→ストーリー誘導」という施策に頼らずECサイトの売上を増やすのにおすすめなのが、ブランドに関するUGC(ユーザー生成コンテンツ)を増やす戦略です。

つまり自社プロダクトの口コミ投稿の数を増やすことにコミットした運用戦略に変えることで、UGC数を最大化し間接的に売上げアップに繋げていくというやり方です。

こちら横浜国立大学教授 鶴見教授による口コミの研究結果ですが、UGCは販売数アップに繋がるというエビデンスもあります。

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上記はTwitterのUGCを扱った研究結果ですが、また別のクチコミ接触者の購買転換率調査においてはInstagramのUGCは他SNSに比べ圧倒的に購買転換率が高いことが証明されています。

左下のグラフがそれで、調査結果を引用します。

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今回の調査で、偏差値ベースで全体的に高い購買転換率を示したのがInstagramでした。元々Instagramならではの業種と言えるファッションや化粧品はもちろん、食品、飲食店、映画、テーマパーク、百貨店、旅行など、写真を見るだけで良さが伝わりやすい商品カテゴリーにおいては、ほぼ全て購買転換率が高い結果となっています。
※アジャイルメディア・ネットワーク :各SNSごとにおける口コミ接触者の購買転化率調査を実施

こういった結果を踏まえての取り組みとして、多くのブランドが展開されているのがギフティング、つまりインフルエンサーへの商品配布とPR依頼です。

インフルエンサーマーケティングとも言われる施策ですが、実際に有効といえ、知人のプロテインブランドは広告出稿することなく、ギフティングのみのマーケティングで黒字化しているといいます。

決して目新しい施策ではなく、Instagramマーケティングにおいて定番の施策ですが、多くのブランドがインフルエンサーによって生み出されたUGCに対してレバレッジを最大限効かせられていないように感じます。

ギフティング施策では、ブランド側が自分たちの世界観にあったインフルエンサーを選べるので良質なUGCを生み出せているにも関わらず、投稿をしてもらったらそれで終わりで、後はそのインフルエンサー経由の購入を待つだけになっているところがほとんどです。

ここで行うべきは、自社のアカウントでそのUGCをリポストしていき、世界観を体現しているUGCの見本として伝えた上で、他の一般ユーザーに対してもUGCを促していくやり方です。

インフルエンサーのUGCをフックとして、既存顧客にUGC投稿をしてくれるようお願いをしていきましょう。それはいたって簡単でプロフィールや投稿キャプションに「#[自社ブランド] @[自社ブランド] タグが付いた投稿を紹介していきます」というような一文を載せるだけです。

自社ブランドに言及してもらった投稿をまた自社アカウントでリポストしていくことで、それをみた方がまたUGC投稿をする、というサイクルが周り数が倍増していくだけでなく、フィード投稿も魅力的になります。

ここで一つ質問です。スタジオで撮影された素材写真が淡々と投稿されているブランドのInstagramをフォローする理由はありますでしょうか?もともと好きなブランドならまだしも、それだけを見て購入意欲が掻き立てられることは少なくなってきているように思います。

これまでは自己満世界観ファーストな魅せ方でもよかったかもしれませんが、今では競合も増えユーザーの可処分時間も減り費用対効果を重視するようになっています。そのやり方だけでは売上はもちろんフォロワーを増やすことも難しいと言わざる得ません。

文字入れが難しくとも、お客さまの目線にたったフィード投稿が求められているのです。以下に素材写真の投稿から、UGC投稿に切り替えることで成功した2つのアパレルブランドをご紹介します。

Classical ElfのUGC事例

わかりやすい事例としてClassical Elf(クラシカルエルフ)というブランドのInstagramをご紹介。今では10万フォロワーを超える人気アカウントですが、2021年に入りほとんどのフォロワーを獲得しています。 左が2020年におけるフィード、右が2021年以降のフィードの世界観になっています。

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ご覧の通り左はスタジオで撮影したよくあるいかにもアパレルブランドのInstagram、という感じのものに対して、右はお客様のUGC投稿を活用した自然体の写真が中心になっています。

2019年2月からあるアカウントですが、2021年に入りUGCメインの運用にした結果以下の推移グラフのようにフォロワーの爆増に繋がり、今ではzozotownにおける売上げランキングでも上位にきているといいます。

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GUのUGC事例

もう一つの事例としてGUのInstagramアカウントをご紹介します。こちらgu_globalというメインアカウントでフォロワーは128万人。よくあるアパレルブランドの運用で、スタジオで撮影したモデルの写真を投稿しています。

一方、以下の投稿はGUのサブアカウント @gu_for_all_ です。タグ付けされたUGC投稿をリポストしていくのに特化したアカウントとなっており、フォロワー数はなんと138万人とメインよりも多いフォロワー数となっています。

単にリポスト投稿するのではなく、上記のようにGU側で文字入れを行っています。まさに今のInstagramトレンドにフィットしたものになっており、ものすごい高いエンゲージメントを生み出し、今では国内アパレルInstagramランキング1位になっています(海外向け英語アカウントの@uniqloは除く)。

また、いずれも以下のように引用元のユーザーのメンションを行っています。このようにフォロー導線を作ってあげることで、引用元ユーザーには喜ばれエンゲージメントが上がるだけでなく、それを見たフォロワーにも「自分もリポストしてもらいたい!」というモチベーションを醸成させることができます。

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Instagramを積極活用している多くのユーザーが持つ、フォロワーを増やしたい、自分の写真を多くの人に見てもらいたいというインサイトを、ブランド側がリポストとメンションを通じて実現してあげることでUGCを自走的に生み出せるだけではなく、お客さまとのエンゲージメントも生み出すことができるのです。

私自身、合計27万フォロワーとなるInstagramアカウントのtrevaryを運用しており、そのうちの一つで以下のようなプロフィールにしているのですがアンバサダー希望のDMを毎日何件も頂く状況です。

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このプロフィールや投稿内のリポスト元アカウント紹介のテキストを見た新規フォロワーさんから、以下のようなアンバサダー希望のメッセージが毎日届きます(アカウント名を伏せ字にしています)。

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Instagramで積極的に情報発信をしている多くのユーザーは、フォロワーを増やしたい、自分の写真をできるだけたくさんの人に見てもらいたいという強いモチベーションを持っています。

なのでお客さまのUGC投稿をリポストしていくというのは、とても喜ばれるアクションとなり、エンゲージメント向上に繋がります(※リポスト許可取りは必ず行いましょう。8割以上の確率でOKを頂けます)。

ほぼ100に近い確率でその方は自分のストーリーでリポスト投稿をシェアしポジティブな口コミを生み出し、御礼のコメントをくれるでしょう。

好意をもっているから、お金を払って購入したブランド(商品)なわけです、そのブランドの公式Instagramに自分の投稿が紹介されて嬉しくない人はいませんよね。このコミュニケーションにより、次の購入検討の際にも高い確率で選択肢にはいり、リピート率が上がることが考えられます。

長くなりましたが、まとめますと、以下のフローがD2CブランドにおけるUGC活用の勝ちパターンといえます。

1.世界観を体現してくれるインフルエンサーへギフティング、または案件としてPR投稿を依頼
2.ブランドの世界観の”お手本”となる、1でアサインしたインフルエンサーによる投稿をリポスト
3.一般のお客さまのUGC投稿をリポスト

この手順を繰り返していくことで、既存顧客とのエンゲージメントを増やすことができ、その結果のUGC投稿によってポジティブなリーチの拡大を見込むことができます。フォロワー数、リピート率、新規獲得などパーチェスファネルのあらゆる面にじわじわと効いてくる施策なのです。

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補足ですが、そのUGC投稿に文字入れを行えばさらに最強になりますので、おすすめです。参考までに以下が直近のClassical Elfのフィードですが、GUと同じく文字入れが中心になっています。

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あくまでのブランドの世界観とクオリティが第一優先

UGC活用のメリットばかりお伝えしましたが、もちろんブランドのイメージにそぐわないものは無理して使う必要はありません。ストーリーズと違ってフィード投稿は残るものであり、ブランドを体現するギャラリーなので妥協してはいけません。

ブランドの世界観にフィットするUGCがあがっていなければ、都度ギフティングやインフルエンサーアサインを行って見本となるUGCを意図的に生成する、またはギャラリーに合うよう色合いを調整したり、文字入れ含め加工を行って世界観を統一するなど対応を行いましょう(許可取りの際に画像を加工する旨を伝えておくとベターです)。

実際にGUの事例をみても、しっかりとブランド側で加工をして正解感を統一しているのがわかります(上がお客さまによるUGC投稿、下が文字入れ加工したリポスト投稿)。

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まとめ:Instagramでモノを売るには、UGC投稿をきっかけにお客さまとのエンゲージメントを高めるべし

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AppleJALじゃらんなど誰もが知るブランドのInstagramも、従来からUGCを投稿するアカウントとなっておりそれは決して新しいものではありません。

ブランドの世界観にマッチするインスタグラマーがいる場合は、自ら声掛けを行い良質なUGCが生み出されるブランドコミュニティを作るのもおすすめです。

実際にtrevaryのアカウントではそれを行い、今では日本中に1,500名ものアンバサダーがいます。許可取りの手間なくリポストさせて頂く関係性を築くことで、運用の効率化を図ることができ、運営しているアプリも広告費ゼロであらゆるKPIを達成するなどそのメリットを多分に享受できています。アンバサダー同士でオフ会を行うなど、自発的にコミュニティも強くなっているのを実感しています。

以上、広告に頼らずにInstagramのオーガニック運用で効果を上げるための方法をご紹介しました。

D2Cに限らず、ホテルやグルメ含めInstagramを活用しているあらゆるブランドに通じる再現性ある施策になります。どちらかというとLTVを上げる施策のように見えますが、既存顧客の口コミリーチがどんどん増えていくため、獲得単価の低減にも繋がるものとなります。

模倣されにくいエンゲージメント、およびコミュニティを生み出すことに繋がりますので、まずは既にタグ付けをされている投稿をリポストするところから始めてみてください。

Instagramマーケティング無料アドバイスのお知らせ

弊社ではそのUGC活用をさらに一歩進め、Instagramを通して売上を上げるだけではなく、ECサイトに訪問したユーザーすべての購入率をアップさせることができるプロダクトの開発を進めています。

その無料利用のサポートもさせて頂きますので、ご興味ありましたらぜひアドバイスを含めてお話もさせてください。

D2Cブランドのマーケティングご担当者で、Instagram活用についてアドバイスをご希望の方はTwitterまたはメッセンジャーまでDMをください。もちろん無料で対応させて頂きます。



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