見出し画像

修学旅行の旅費を、みんなで稼ぐ

以前、サイパンで過ごした高校時代に関するこのツイートに、意外にも多くの「いいね」をいただいた。

画像1

ちょっと前に小学校1年生の男の子がおこづかいを稼ぐために家庭内企業をしたというnoteが話題になったように、子どものビジネス経験というのが注目を集めているように思う。

小1起業家 〜900円借金して、コーヒー屋を家庭内起業〜
https://note.mu/sato_nezi/n/n7b911aadd691#qS6Iv

高校生までをアメリカ領土であるサイパンで過ごしてきた僕は、小中高生といった子どもたちが自分でお金を稼ぐ姿を見てきたし、僕自身スモールビジネスをたくさん体験させてもらった。

今回は、そんなサイパンで得た「スモールビジネス」の経験にどんなメリットがあったか紹介したいと思う。

旅費は、自分たちで稼ぐ

日本の高校だと、修学旅行の行き先は学校側で決めれられていることがほとんどだと思う。しかし、僕が通っていた高校は行き先は決まっておらず、「修学旅行費は自分たちで稼ぐ」スタイルだった。

つまり、どれだけ自分たちでお金を稼げたかで、修学旅行の行き先や宿泊地のクオリティが変わってしまう。

向こうの高校は4年制なので、4年生で行く修学旅行のために、4年ほどかけてそれぞれのクラスでビジネスに取り組む。取り組むのはどれもスモールビジネスで、車の洗車代行やお弁当販売、キャンディグラム(プレゼント用のかわいいお菓子)の販売など様々だ。

雰囲気としては、日本でいう文化祭のようなノリだと思う(経験したことないからわからないけど笑)。目標金額の設定から、仕入れ、売り方まで自分たちで考えて取り組んだ。

高校時代の僕の小さなビジネス体験

高校時代、修学旅行のために僕のクラスが取り組んだのは、「バーベキュー(BBQ)」だった。サイパンだと、週末に家族でBBQを楽しむような文化があって、BBQは身近なものだ。そこで、道端に屋台を出して肉や野菜を焼き、BBQをお弁当にして売ることにした。

ときどき、トラブルもあった。使う食材は各家庭から持ち寄ったりしていたのだけど、その食材を持ってくる予定だった友達が、当日突然来られなくなった、なんてことも。その日は、急いでスーパーに走り、買ったポテトサラダでお弁当の穴埋めをした記憶がある。笑

「無事に売上を上げて修学旅行を楽しめたのか?」という結論で言うと、僕のクラスは可もなく不可もなくといったところだった。歴代、大きな利益を出したクラスの行き先はグアムなどサイパンの島外だったけれど、僕のクラスは島内だった。とはいえ、そこそこいいホテルに泊まって、ビュッフェを楽しんだり動物園に行ったり、なかなか楽しかった。

僕のクラスの売上が大きく上がらなかった理由は、仕入れが多すぎて材料が余ったり、他のクラスの似たようなビジネスにお客さんをとられたり、クラスメイトのモチベーションにばらつきがあったりしたからだった。

ある意味クラウドファンディングが日常的な環境

僕が高校時代に体験した「自分たちでお金を稼ぐ」という経験は、サイパンという環境に身を置いていたからこそできたことでもあると思う。

サイパン、というより、アメリカでは、大人子ども関係なく、「自分たちで資金調達をする」という風潮がある。修学旅行の費用のほか、地元のスポーツチームなどで遠征費を稼ぐのに、子どもたち自身で資金調達をするのはよくある話だ。

例えば、地元のサッカーチームで活動しているとしたら、サッカーで活躍している子どもたちの写真をまとめてカレンダーにして、メンバーの家族や親戚に買ってもらう。カレンダーにはメンバーの誕生日などをいれたり、メンバーの家庭レシピを載せたり工夫することで、たくさんの家庭に購入してもらうことができていた。

資金調達という面で考えてみると、日本で一般的になりつつあるクラウドファンディングも、サイパンでは日常的なものだったように思う。

例えば、僕の中学校時代、水道管工事の予算を集める必要があったときには、学校の生徒たちの寄付で賄った。多くの寄付を集めるために学校がとった施策は、「クラス対抗で、寄付が一番集まったクラスが校長先生にパイ投げできる権利を得る」というもの。

「ある目的のためにお金を集める」ことに対して引け目がなく、むしろ楽しんでやろうという工夫があった。

スモールビジネスを経験するメリット

夜市での出店など、サイパンでは家族が副業として自分たちでビジネスをしているケースも多かった。自分でビジネスをすることが自然で、子どもにもローリスクでビジネスを経験させてあげようという風潮があるように思う。(・・・というと聞こえがいいが、「家族全員が食うために毎日必死であらゆるビジネスをしていた」というのが実態に近いかもしれない)

僕が中高時代に経験したビジネス経験は、もちろんアメリカ領土であるサイパンという地域だからこそできたことで、それが日本のビジネスに直結しているかと言われれば、そんなことはない。

でも、それが今の自分に繋がっていることは確かだと思う。自分たちでお金を稼いだという実体験は「万が一何か起きても、いざとなれば自分で稼げるんだ」というちょっとした自信になっている。

スモールビジネスでも構わない。誰しも「自力でお金を稼ぐ」体験をしてみたら、きっと見える世界が変わる。批判が来るのを承知でいうと、会社から給与として頂くお金と、副業など自分で稼ぐお金とでは、重みや達成感が全く違う。「自分で稼げる」ということを知っているだけで自信や強みになるし、何をするのか?誰とするのか?どうお客さんに届けるのか?を自分で決めていける楽しさもある。

スモールビジネスを始めるのに大切な「環境」

何より、自分でビジネスをするときに大切だと思うのは「環境」だ。僕の高校時代の経験も、サイパンという国で当たり前な環境だったからこそできたこと。

副業する人が増えたり、自分でビジネスしやすい流れになってきているとはいえ、日本でゼロからビジネスを始めるとなると、難しさを感じると思う。

僕がこれからスモールビジネスを始めたい人におすすめしたいのは、自分のやることに対して肯定的な反応がもらえる環境に身を置くこと。

例えば、フリーランスの人や副業で何かやっている人が多いコミュニティに行ったり、自分の興味のある分野の講演会に参加するのもいいと思う。

ビシネスを始めるときには孤独でノウハウもゼロで、さらには周りに白い目で見られたりと、自分だけでやるのは厳しいかもしれない。でも、「そんなことやって大丈夫なの?」より「いいね、やってみなよ!」と言ってもらえるような味方がいれば、話は別だ。自分を応援してくれる人がいる場所をつくることが大切だと思う。

ただし、馴れ合いは避けよう。僕の経験上、馴れ合うと成長が止まることが多い。あくまで「挑戦」を応援してくれる人とつるむべきであり、自分の「プロダクト」や「サービス」に対して無条件で褒めまくってくる人が多い場合は気をつけるべきだ。

もちろん、日本とサイパンで環境は大きく異なるけれど、今回の話をきっかけに「○○作りが好きだから、売ってみようかな」なんて、スモールビジネスを始められる選択肢を増やせればいいな、と思う。

やりたいけど、一歩踏み出せない人がいたら、連絡ください。
背中おしまくります。笑

いいなと思ったら応援しよう!

SHIN
▼サポートしてもらった翌日に起こること ①朝ごはんのおかずが1品増える ②カルピスをいつもより濃いめ目に作れる ③銭湯でサウナと岩盤浴にも入れる