マガジンのカバー画像

#野生の月評

54
「月評」スピンオフ企画。新建築社刊行の雑誌『新建築』『住宅特集』などの掲載作品・論文にまつわる感想などの記事をまとめていきます。「#野生の月評」とつけてご投稿いただけると嬉しいで… もっと読む
運営しているクリエイター

#都市

#01 エストニア④ “負の歴史”に立ち向かうクリエイション

いま注目すべき取り組みを行っている街を訪れ、街づくりの未来を探るプロジェクト。 最初の訪問先は、“世界最先端の電子国家”として発展を遂げたエストニア共和国。 旧ソ連時代の巨大な廃墟、日本人の設計による悲願の国立博物館……リサーチメンバーの視点から、この国を突き動かす原動力の正体に迫ります。 ▶︎ 前編 ③ “仮想移民”とデザインが導く新たな展望 ▶︎「Field Research」記事一覧へ 「テクノロジー×街づくり」の歴史・文化的背景“世界最先端の電子国家”の現状を通し

みんなが見る建築(論)の姿─「野生の月評」を紹介,その1!

今年の6月よりスタートした「野生の月評」. 『新建築』『住宅特集』などに掲載された建築プロジェクトに触れた,皆様の投稿を『#野生の月評』マガジンにpickしていっています. 誌面上の紹介だけでは伝えきれなかった建築の魅力,雑誌自体の感想などそれぞれの投稿からは学ぶことばかりです. pick数も40を超え,量が増えてきましたので,イントロダクション記事として,それぞれの投稿が,どのプロジェクト・論考,雑誌に触れているかを紹介する記事を順次投稿していこうと思います. 本記事

金色の野に降り立つル・コルビュジエ|内田祥文の防空理想都市

『新建築』の1941年4月号は一冊まるごと東京都市改造計画案。それはちょうど、同じく『新建築』の1961年3月号に、丹下健三研究室の「東京計画1960 その構造改革の提案」が掲載されたり、2006年6月号に、東京大学大野秀敏研究室による「FIBER CITY 東京2050」が特集されたのに似ています。 そして、この1941年4月号は「新しき都市特輯號」と題し、若手建築家らによる都市提案、題して「新しき都市-東京都市計画の一試案」が掲載されているのです(図1)。 図1 『新

都市で生きるとは?一一『ひとり空間の都市論』

建築家・伊東豊雄が、1989年に雑誌「新建築」に寄稿した論考「消費の海に浸らずして新しい建築はない」。この時私は生まれてすらいないが、どうやら当時の建築家社会+その界隈に、強烈なインパクトを与えた論考らしい。 たしかに、毎月コンスタントに発刊される雑誌の冒頭たった数ページの論考が、今もなおあらゆる局面で引用されるというのは、情報が横溢するこの時代には少し驚きを覚える。 伊東は「凄まじい勢いで建築が建てられ」と語り始め、高度経済成長期のピークを経て社会が成熟し始めた当時の建築界

東京駅丸の内駅前広場にもっと注目してほしい

最近,日本の都市空間においてとてもインパクトのある空間が誕生しました. それが,2017年12月7日に全面供用が開始された「東京駅丸の内駅前広場」です. 2012年に復元が完了した東京駅の駅舎はインパクトを持って完成し,すっかり東京のお馴染みの顔となりました.そして,歩行者空間「丸の内中央広場」,交通空間からなるこの駅前広場も地味ではありますが,東京駅の駅舎と同じくらいとても興味深いプロジェクトです. 何が興味深いのか簡単に解説します(正確な表現ではなかったら,ご指摘く

『#野生の月評』マガジンスタート!

いつも新建築社の投稿をお読みいただきありがとうございます。 noteでも公開している「月評」。 「月評」は前号の掲載プロジェクト・論文(時には編集のあり方)をさまざまな評者がさまざまな視点から批評するという企画です. こちらは専門家の方々によるものですが、読者の方が『新建築』や『住宅特集』など新建築社の雑誌をどのように読まれているか知りたく、この度スピンオフ企画として「#野生の月評」マガジンをスタートすることとしました。 読者の皆様の『新建築』『住宅特集』掲載作品・論