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経営学とフランチャイズ

学問と資本主義は相反する物だと捉えられがちだ。

その中でも経営学は、資本主義の申し子のような雰囲気だ。
学問ではないという人までいる。

「哲学は進学のはしため(不倫の子)」と述べたのはトマス・アキナスだった。
彼の言葉になぞらえるなら、「経営学は経済学のはしため」とでも言おうか。

事実、経済学は限られた富を均等に行き渡らせる為に創意工夫を凝らす学問だ。
逆に、誰かが富を独占すると、困った事が起きる。
価格が上がったり、必要な人に行き渡らなくなったり。
だからこそ、第一次世界大戦のころ、グローバル企業が市場を独占するようになると独占禁止法がつくられた。

経営学の成立は、その頃。
経済学者のフィリップ・コトラーが『競争の原理』を裏返してつくった学問だ。

経済学では、できるだけ独占が起こらないようにすると、価格は安くなるから完全競争を目指す。

ならば、できるだけ独占が起こる状態をつくれれば、会社にとって理想的な儲けられる環境だ。
これが経営学の始祖、コトラーの基本理念だった。

今でも電波法で限られた局しか参入できないテレビ局や、高すぎる技術力から参加企業が参入できない航空業界の年収が平均年収の倍以上なのは、これらの参入障壁の高さで説明できる。

独占禁止法に引っかからない程度に、独占する事が企業の本質だ。ここに議論の余地はない。

そして、バカでもお金が稼げる法則があるのではないかと、お金を稼ぐ法則を理論化しようとしたのが現代経営学だ。

ほとんどの学問は再現可能性がある事が、その学問を体系立てている理由となる。
例えば、水は100度で沸騰する(沸点)し、りんごは手を離すと地面に向かって落ちる(万有引力)。

それまで、石油帝国を築いたカーネギーのような天才経営者が勘によってやっていたと思われていた「経営」を、誰にでもできるような法則へと言語化したことが近代経営学の最大の功績である。

まるでフランチャイズを想像すると分かりやすい。

フランチャイズは契約料や月々のマネージメント料など、総額3,000万以上の大金を払っても脱サラして契約する人が多い。

それは、「このお店と取引して仕入れをして、この包装紙を使って、このオペレーションをするとお金が入る」と、知識ゼロのものでもお金が稼げるノウハウを丸ごと使えるからだ。

フランチャイズは、ファストフード業界のマクドナルドや塾業界の公文式など、業界を限定した物だが、経営学では全ての業界にあるてはまるような普遍的な法則を探求するところに相違点がある。

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