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第4回新宿ケアフロンティア

新宿歌舞伎町を拠点にする新宿デイサービスは
地域で高齢者を見守る、新宿の福祉を盛り上げたいという思いを元に
誰でも参加することのできる「新宿ケアフロンティア」という勉強会を月に一度開催しています。
 
11月27日に行われた第四回新宿ケアフロンティアのテーマは「~新宿区の高齢福祉の現状と課題~」でした。

今回は大久保高齢者総合相談センターの山崎晋さんと洞口秀子さんにお越し頂きました。
 
大久保高齢者総合相談センターは、新宿デイサービス直轄の高齢者総合相談センターです。新宿区では、地域包括支援センターのことをより馴染みのある分かりやすい名称にということで、高齢者総合相談センターとしています。
 
※地域包括支援センターとは、第一号介護予防支援事業および包括的支援事業を実施し、地域住民の心身の健康の保持および生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上および福祉の増進を包括的に支援することを目的とした施設です。
 
新宿区には10箇所の高齢者総合相談センターがあり、大久保高齢者総合相談センターは新宿中央エリア内を担当しており、高齢者の皆様を介護、福祉、健康、医療など様々な面から総合的に支えるための総合機関となっています。

まず大久保高齢者総合相談センター管理者の山崎さんより、数値で見た新宿区の年齢や人種等に分けた人口分布についてお話がありました。
 
皆さんは「新宿区に住んでいる人」と聞いてどんな年齢の人を思い浮かべますか?私は若い人が多く住んでいるイメージがありました。もしかしたら若い人が多いイメージを多くの方が抱いているかもしれません。
しかし、数字で見てみるとどうでしょうか?
 
新宿区の特徴
昼間人口約77.6万人
転入等の数23区の中で4番目に多い。
転出等の数23区の中で2番目に多い。
高齢化率19.4%(23区の中で4番目に低い=若年層が多い)
独居高齢者の割合33.4%(23区の中で3番目に高い)
 
データを見ると全体としては若者が多い中で、独居の高齢者の割合が多いことは意外でした。
新宿区の単身世帯者数出張所別統計によると、令和5年10月1日現在、大久保高齢者総合相談センター管轄の大久保・百人町・新宿地区では65歳以上の単身高齢者世帯の日本人男女が約3,300人で10地区中2番目に多く、外国人の男女は約340人で1番多いそうです。
他の新宿のエリアと比べて大久保地区は単身高齢者世帯の方々が比較的多く、その中でも特に外国人が多いことがわかりました。
 
大久保高齢者総合相談センターに相談に来る外国人の出身国のベスト3は、1位中国、2位韓国、3位ネパールとなっており、他にもメキシコや北朝鮮の方々も相談に来るそうです。高齢者福祉も国際色豊かなのは新宿ならではですね。
 
大久保高齢者総合相談センター管轄のエリアでは
・1人暮らしの高齢者が多い。
・高齢者世帯が多い。
・家族がいても連絡を取りたがらない方が多い。
・他の地域を転々とされて来た方が多い。
・国籍やジェンダーなど多様性のある方が多い。
 
といった特徴があるそうです。
 
実際に新宿デイサービスでも、以前は中国出身のご利用者様や、現在は台湾のご利用者様がおり、併設されている事務所スタッフやボランティアの方による中国語での個別対応をしています。また、一人暮らしの方や、最近新宿に引っ越されてきた方も比較的多くいらっしゃいます。ロシア出身のスタッフも在籍していて英語が得意なご利用者様と英語会話をしています。

続いて洞口さんからは、地域包括ケアシステム、生活支援体制整備事業について説明がありました。
 
地域包括ケアシステムとは高齢者がストレスを感じる環境変化に対応し、住み慣れた地域での生活を支援するために、家族、医療機関、介護者が連携して「住まい」「医療」「介護」「予防」「生活支援」の5つのサービスを提供するシステムです。
 
生活支援体制整備事業は、多様な社会資源と、地域で活動する多くの人々による「地域の活力」を生かし、区と区民が一体となって、高齢者を地域で見守り支えあう仕組みづくりを推進してくものです。
 
両者の狙いは可能な限り自宅で生活ができるよう支援することです。
 
そして新宿区が目指す姿として3つの未来像を提示されました。
 
1.新宿区は高齢者を始め、誰もが住み慣れた地域で、安心して暮らし続けることができる地域。
2.安心して暮らせる地域の実現に向け、地域での見守りや支えあい活動が不可欠であり、そのために、高齢者が地域で活躍できる仕組みづくりと地域の多様な機関との連携により、互いに支えある地域社会の実現。
 
3.「高齢者が住み慣れた地域で暮らし続ける」ためには、衣食住の最低限の生活が保障されるとともに、一人一人の高齢者が、できるだけ健康な状態であり続け、生きがいや楽しみをもって、いきいきと地域で暮らせること。
 
他者とのつながり、役割を持って自分も地域も元気になるというメッセージなのではないかと解釈しました。
 
他者とのつながりは、多くの若者も必要としており、私自身も必要としています。トー横界隈でたむろする若者は現代の一例ですが、寂しさを覚えたり他者からの承認を求めています。

 
そして今重要なのは、自助及び互助だそうです。

自助(個人)とは自分で自分を助けること。自分の力で住み慣れた地域で暮らすために、市場サービスを自ら購入したり、自らの健康に注意を払い介護予防活動に取り組んだり、健康維持のために検診を受けたり、病気のおそれがある際には受診を行うといった、自発的に自身の生活課題を解決する力。

互助(近隣)とは家族・友人・クラブ活動仲間など、個人的な関係性を持つ人間同士が助け合い、それぞれが抱える生活課題をお互いが解決し合う力。
相互に支え合うという意味では「共助」と共通するが、費用負担が制度的に裏付けられていない自発的な支え合いであり、親しいお茶飲み仲間づくりや住民同士のちょっとした助け合い、自治会など地縁組織の活動、ボランティアグループによる生活支援、NPO等による有償ボランティアなど幅広い様々な形態が想定されます。
現状、行政の予算は厳しく拡充は見込めないため、共助及び公助は期待できないようです。
 
大久保高齢者総合相談センターでは地域住民が見える関係つくりを10年以上なされていて、ネットワーク会議という会を開かれています。新宿デイサービスの職員も参加させていただいています。
 
 その他にも「大久保地域高齢者交流会」を年1回開催、「にこにこサロン」という体操などをする集まりや、「大久保まつり」「医大通り音楽フェスティバル」などの活動の企画運営にも参加されているようです。
「医大通り音楽フェスティバル」には、新宿デイサービス職員も足を運ばせていただきました。
医大通りの飲食店から屋台が出展されていたり、新宿のサッカーチーム「クリアソン新宿」催し物を開催されていたりと子供から大人まで楽しめ、生演奏を聴きながら飲食ができる、とても賑やかなお祭りでした。実際に、とても好評だったそうです。
 

最後に洞口さんからから皆様へメッセージがありました。
 
「一人の100歩より、100人の1歩」
 
高齢者の生活に身近に関わっている町会・自治会・事業者、そして住民の皆さんが、地域づくりに参加することが重要です。
1人ひとりができることは小さなことでも良いです。例えば挨拶やゴミ拾いなど。これらの小さな1歩が集まることで地域が豊かになります。新宿がそんな素敵な地域になることを願っています。

第5回新宿ケアフロンティアを通じて、新宿区、特に大久保地区の高齢者の状況や課題を理解しました。
高齢者の在宅生活の継続が難しい状況や独居の高齢者の支援の必要性、外国人高齢者の受け入れ体制の強化などが課題として浮かび上がりました。
地域全体で高齢者支援に取り組み、高齢者の方々が生き生きとした在宅生活を継続できる地域を実現したいという意識が共有されました。
 
私たち、新宿デイサービスも積極的に地域に参加し、安心して暮らせる地域の実現に努力したいと思いました。高齢者の方々が、生き生きと生活できるよう、新宿デイサービスではプロフェッショナルサービスを提供し、個別ケアで元気になれる場所をこれからも目指していきます。


「新宿ケアフロンティア」では、
 
・介護業界の第一線でご活躍されている方の講演
・弊社デイサービス内の見学
・参加者同士の交流
etc
多くの学びを得られます。
 
 
【次回日程】
日程:2023年12月25日(月)
時間:15:00-17:00
場所:新宿デイサービス
東京都新宿区歌舞伎町2-1-2 HANRKUビル6F
内容:事業団を取り巻く経営環境 ~地域共生社会の担い手としての役割~
講師:社会福祉法人 新宿区社会福祉事業団体理事長 濱田幸二氏[s1] 
 
<社会福祉法人 新宿区社会福祉事業団>
安らぎと心豊かな暮らしを提供することを経営理念に掲げ、お客様が安全で安心できる施設で必要なサービスを受けることで、日々の平安を享受し、心の安らぎを得られる経営を追求しています。特別養護老人ホーム(かしわ苑)やデイサービスなど、様々なかたちで高齢者の方々とご家族に寄り添い、支援やサービスを提供しています。
 
 
お気軽にお問い合わせください。
一緒に新宿の福祉を盛り上げていきましょう。

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