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黒澤:誰だ!時代劇で眼鏡をかけてる奴は!!!『眼鏡じゃありません。眼光です。』

「蜘蛛巣城」の三船敏郎氏を描いた。

今年の夏は、黒澤明、「デルス・ウザーラ」以外は、コンプした。
(デウス~は、なんでU-NEXTになかったのかな?)

黒澤明、前々から観よう観ようとは思っていたのだけれど、

サブスクやその他、環境でやっと全部観れる時代が来たのだった。
黒澤さんの映画は、動く墨絵のよう・・・。

そして、黒澤作品に生涯17本も出演した三船敏郎さんという俳優は、
どんな人なのだろうかとそれもとても気になった。
お二人の並々ならぬ関係も。

そうして一冊の本を手に取ったのでした。

写真も豊富で見応えがありました。
まさか、赤ん坊時代の三船さんを拝見できるとは!
戦時中、熊本で特攻隊を送り出し、ポートレイト写真を撮る部隊
(ご実家が写真館で、写真家のお父様の技術を受け継いでいらした。)
に、いらっしゃった時の、軍服姿の貴重なお写真も!
役者じゃない時代の三船さんももうすでに役者でした。
このお写真を見て、
デコちゃん(高峰秀子さん)が、
「ちょっと、ヤバい人がいるから見に来て~!」
と、当時、恋人だった黒澤明さんに速攻伝えたいと、
わざわざオーディション会場を抜け出したというのも無理ないな~
というのが頷けましたね・・・。

普通の人じゃないです。

いやいや、この時、三船さんは、役者になるつもりはぜんぜんなくて
映画を撮影するカメラマン側として、試験を受けに行ったらしい

のですよね。
運命のイタズラは素晴らしい方向に転がりましたね・・・。

この辺の経緯に関しては、
私も、ここで、とっぷり前編と後編に分けてお話していますので
ぜひ観て聴いてくださいませね~~~(^o^)

この本のお話に戻ります。
なんと言っても一番、印象に残ったエピソードは、

三船さんの眼光が鋭すぎて、
黒澤監督に、助監督が叱られた
というエピソードです。

黒澤さんが、撮れたもののチェックをしていたら、ピカーーーーッて、
目が異常に光ってる箇所
があって、これは眼鏡としか思えず、
時代劇ものに眼鏡かけてるのはおかしいだろ、
なんでちゃんとチェックしなかったんだって助監督に注意したところ、


「眼鏡じゃないです。

これは、三船さんの眼光です。」


と、言われたというのです。

でーーーすーーよーーねーーーー!!!!!
眼光!!!!!


だって、特に「蜘蛛巣城」の時の、三船さんの目の光り方は、
異彩!!!!!!!!

まあまあ、この辺の経緯も、さっきの私のYoutubeクロサワ論で、
篤とお話しているのですが、
三船さんの「七人の侍」からの→「蜘蛛巣城」
までの成熟ぶりがほんっっっとうに、凄くて!!!!!

何があった?!??何があった?!!たったこの3年の間に?!??
って、一人でざわざわしてたんですが(笑)、

本当に、「蜘蛛巣城」の時の三船さんは、やっとクロサワ映画で、
鎧兜を着させられて、馬に乗せられたな~ってだけの
かっこよさだけじゃないんです。
顔が凄い。凄くなった。目がますます爛々として・・・。

お隣で能面フェイスで絶えず静かに激昂してらっしゃる山田五十鈴さまと
本当にペアでお似合いなんです♥
あの眼光が全てを物語っていらっしゃいました。

その光は、やはりもうもはや生物が放つ光を超えていたのですね・・・。
黒澤監督に、何か異質のものに違いないと思われたなんて・・・。
とにもかくにも面白すぎる楽しすぎるかっこよすぎるお二人なのでした。

あああ、三船敏郎になりたいな。

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(この記事は、書評サイト”シミルボン"でも掲載しています。)

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