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火傷をしたら絶対、病院に行こうっ

今日は旅行記をお休みして私の体験談による教訓をお伝えしたいと思います。


私たちの家では蒸留水器を使って飲料水を作っている。お釜で生成された蒸留水をノズルを通してガラス瓶で受け取るシステム。


2023年7月30日夜のこと、寝る前にシャワーを浴びてからキッチンに向かった私はびっくり。ノズルの下にガラス瓶が置かれておらず、水が滴り落ちている
夕食を作るのは私、洗い物をするのは夫のたぁ。今日は洗い物が終わった後に水の生成を彼にお願いした。

「ちょっとたぁ、何しているの?」

私のイラつきヴォイスが彼の耳に届く。

たぁは日々、いろんなことを忘れやすく私に怒られるのは日常茶飯事。そのせいかその習性を直そうともしない。まぁその分、他人のミスにも寛大なんだけど。
今日も不貞腐れヴォイスで返答してきた。

「なに?」

キッチンにやってきた彼は機械から水が滴り落ちて台の上が水浸しになっているのを見て、自分がやったことに気がついた。

「どうして瓶を設置しなかったの」

不貞腐れボーイは返答することなくタオルで台の上を拭き、もちろん私も反対側からお手伝い。出来立ての水はまだ暖かい。
これ以上水が生成されないように彼はコンセントを抜いて機械を移動させようと触ってすぐに手を放した

「熱いでしょ」

「うん」

蒸留水器は水を蒸発させて蒸留するので機械自体も熱くなる。私も前に生成中に触ってその熱さにびっくりしたことがある。
1時間以上も回していたこともあって水は大量にこぼれて機械の下も水(お湯?)浸し。

鍋掴みを持って持ち上げようと思った時、たぁは蒸留水器の上部だけを持って持ち上げようとした。機械は上部の冷却ファンと下部のお釜に分かれコードで繋がっている。設置は上に置くだけだから簡単に外れてしまう。それにコードはたぁサイドに繋がったまま。

 冷却ファンを持ち上げる
     ↓
コードに引っかかってお釜が傾く
     ↓
  私に熱湯がかかる
     ↓
    火傷した

私の太ももとふくろはぎに大量の熱湯がかかった瞬間、濡れたことに気づいたけど熱さは感じなかった。あまりの熱さに痛覚は危機を覚え反応を止めてしまったのだろう。

「あぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」

「あぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」

慌てる二人。私はすぐにシャワー室へと戻って火傷した部分に水をかける。たぁは保冷剤を持って追いかけてきた。水と保冷剤両方で足を冷やしながら興奮状態で文句を言う。

「どうして瓶を設置しなかったの」

「・・・・・・」

「上だけ持ち上げたらこぼれるって思わなかったの」

「思わなかった」

たぁは浴室入り口から可哀そうな顔でこっちをみているだけ。彼は保冷材の他に水を入れて凍らせたペットボトルを持ってきてくれていた。7月上旬に冷房機が壊れてしまい、二週間以上新しいのが設置されるのを待っている時に部屋を冷やすアイテムとして使っていたものだ。

「キッチンはどうなっているの」

「知らない」

「片付けて」

「ペットボトルここに置いておくね」

彼はバスタブの縁にそれを置こうとしたので、ブチ切れる私。

「そんな不安定な場所に置くな」

彼はそれを持ってキッチンに戻ろうとする。

「置くなら床に置いて」

凍って滑りやすいペットボトルを縁において、何かの拍子に私の足に落ちてきたらひとたまりもない。興奮状態でもそれは理解できた。
たぁは戻ってきてボトルを床に置いてから戻って行った。

びっくりした痛覚が冷やされることによって回復してきたのか次第に痛みを感じるようになった。キッチンに戻ると熱湯がかかった床のコーティングはとれ白くなっていた。私の足のお湯がかかった箇所は赤く変色している。

「どうして今日、こんなことするの。明日から暑中稽古だよ」

私たちの趣味は合気道、一年に二度、夏と冬に特別な10日間があり、連続して出ると表彰され、手ぬぐいがもらえる。まぁ週に六日稽古をしているので通常とさほど変わりはないんだけど、やっぱり表彰されるって嬉しい。それに二年前は腰を痛め、昨年はコロナになったせいで達成できなかったので、「今年こそは」と硬い決意を持っていたのに。

文句は尽きず、彼は聞くだけ。

「何て言うの」

「・・・・・・」

「ごめんなさいでしょ」

欧米人って本当に謝らない。

「ごめんなさい」

言わされたような雰囲気が腹が立つけど、とりあえず彼だって故意でやったわけじゃない。だけど気持ちの整理はつかないよ。

保冷剤を取ると痛みが走るのでずっと冷やしたまま。一時間以上経っても痛みは取れず寝られるのか不安。

とりあえずこんな広範囲で火傷を負うのは初めてなのでググって検索してみよう。

フムフムフム。

火傷には何段階かあるらしく皮膚が赤くなり浮腫むだけならば痛みはあっても数日で治癒するらしい。水ぶくれになったら病院に行くようにと書いてある。

「痛み止め飲む?」

痛さに弱い欧米人は何かと痛み止めを使う。

「こういう時にも効くの?」

薬があまり好きではない私はどのタイミングで使えばいいのか知らない。

「うん。痛いのを止めるからね」

「ならお願い」

二錠飲んで、電気を消す。

しばらくは痛みと興奮状態で寝るどころじゃなかったけど、「これじゃ明日の稽古に響く」とばかり瞑想をしたら「体勢をいれかるように」と言われてその指示に従ったら気づいたら眠りこけていた。


翌朝起きてすぐ足の調子を確認すると火傷部分は赤身と紫色になっているけど痛みは触らなければほとんどないから合気道には行けるだろう。
ちょっとの不安を抱えながら道場に行ってみると問題なく受けは取れ、普通に稽古が出来た。ただ汗をたくさんかいたのでふくろはぎの火傷部分に小さな水ぶくれが出来ていたけど、「汗が溜まったもの」と認識してこう思った。

病院に行く必要はないね。

火曜日も問題なかったのに水曜日の稽古前、正座で座っている時、火傷した部分に皮膚を切るような痛みが生じた。

水ぶくれが破けちゃったかな。

そう思いながらも痛みを我慢して稽古を続け、終わってから足を確認してみるとふくろはぎの中央部分の皮が大きく剥がれていた。

イテテテテテ・・・・・・。

その後も急なお誘いがありシャワーを浴びて出かけてしまった。夜帰ってきて、破れた箇所に治癒用クリームを塗って寝た。夜、トイレに行こうと立ち上がると激痛が走る。痛みのせいでうまく寝られなかったこともあり、「体は治癒しようと頑張っているんだ」と解釈して午前中は休むことに決めて、NOTEにアップが出来なくなってしまった。

その日、火傷の経験がある姉と電話で話す機会があり状況を伝えたら「病院に行くように」と勧められた。

「とりあえず今から薬局行ってくる」

「それなら薬を塗って油紙を引いてからガーゼをしな」

「わかった」

薬局のスタッフさんに相談する。

「油紙はないので直接ガーゼで覆ってください。痛みがあったら痛み止めを飲んでください」

そうか。ちゃんと対処すれば病院に行かなくても大丈夫かな。

どうしても暑中稽古に参加したい私は手当てをして痛み止めを飲んで今日も稽古に向かった。

道場に行くと私の足を見てみんな心配してくれた。
「病院に行かないとだめ」と強く言われたこともあり、翌日に行くことを決心。

別の友人から次のようなアドバイスを受けた。
「薬を塗ったらそこにサランラップを置いてガーゼを当てるといいよ。乾かすんじゃなくてグジュグジュの状態がいいから」

「わかった、そうする」

素直な私は帰宅後、明日、皮膚科の予定を入れて、患部を洗った後、サランラップを使って言われた通りに手当をした。

体はまだまだ治癒を求めているのか20時半には疲労感に襲われてそのまま深い眠りに就いた。

布団で寝転がっている分には痛みがない。だけど起き上がると血が足へと流れ込むせいか激痛が走って、びっこを引く。


朝六時、稽古に行くために目覚ましがなった。

足の痛みは取れていない。多分、今日稽古しても昨日と同じように相手に迷惑をかけることになるんだろう。

昨日は女性らしい合気道をする方に組んでもらった。私の技はと言うと、男勝りなので状況を知らない人と組んだたらそれは激しいものになると恐れたからだ。彼女は私よりも私の体を気遣ってくれて、受け身を取らせない。

「大丈夫。痛かったらちゃんと言いますから」

そんな強気発言をしながら足を守るため変な受け身をする私に一言放った。

「暑中稽古まだ4日目ですよ(あと6日もあるんだから無理しないでください)」

「あっ、ありがとうございます」

それからは彼女に任せて痛い方の足で受けを取らないように気を付けた。

本望じゃない。他人に迷惑をかけてまで稽古をするなんて。

「今日、行くの止める」

「わかった。僕も」

たぁは責任を感じているようで、そのまま二人して目を閉じた。しばらくしてから起きてびっこを引きながら歩く。そのびっこすらもずっと立っていると痛みがなくなるので普通に歩けるようになる。

これなら夕方の稽古に参加できるかも。暑中稽古、出来るかも。


シャワーを浴びて薬を塗り直し、サランラップの上からガーゼを巻いた状態で予約していた皮膚科に行く。先生に見せるためそれを剥がして診察してもらう。

「これ痕になるかもしれません」

「そうなんですか」

「いつ火傷したんですか」

「日曜日です」

もう五日経過している。

「随分、経っていますね」

「だって痛くなかったから」

ついムキになった。

「今、縫っているお薬は止めてもらってこちらから出すのに変えてください」

看護婦さんが薬を塗ってガーゼを直接置いた。

「サランラップを間に挟まなくていいんですか」

「ダメです。絶対」

えっ、そうなんだ。

「運動をしているんですが」

「無理でしょうね」

えっ。

「どのくらい無理なんですか」

「一週間ほどですかね」

「どうなったら再開してもいいですか」

「私の指示と言うことにしましょうか」

・・・・・・。

暑中稽古、やっぱり諦めないと。

自分の行いが原因じゃないだけに納得がいかない。


落ち込みは絶大、心の中で「どうしてこんな目に」と思っては涙を流す。家に戻っても辛い気持ちを隠すことが出来ずにたぁに当たってしまう。だけどそれと一緒に別の本音も伝えた。

「たぁは午後の稽古に行って暑中稽古やって」

「行かない」

「行くの」

「行かない」

「どうして」

「頑固だから」

彼は自他ともに認める頑固さんだ。

「私のために」

「嫌だ」

それから数時間後。

「本当に行って欲しいなら行く」

「うん、行って」

夕方、彼は稽古へと向かった。


薬を塗るのは一日に一度、汗をかいてシャワーを浴びた場合は数回でもいいけど、変えすぎないほうがいいようだ。

皮がむけた部分は真っ赤になり皮膚が破壊されているのがわかる。薬は皮が剥けた部分だけではなく全体に塗ってガーゼで覆う。姉曰く、本来は水ぶくれで剥がれそうな皮膚を剥がさないように固定して治癒するのが一番らしい。

三日間は痛かった。布団から起き上がる度、低い椅子から立ち上がる度、びっこを引く。だけどそれも三日もすれば落ち着いてきた。
病院に行ってから言われた通りに手当をして5日目の今日、真っ赤だった皮膚はピンク色を帯びてきて皮膚が修繕していることが分かる。

ごめんね、そしてありがとう。私の体。

「明日は稽古に行ってもいいかな」

「ダメ」

そうだよね。ここまで我慢したんだからとりあえずは金曜日までは様子をみよう。


自分勝手な判断ですぐに病院に行かなかった。それは大きな間違いだった。手のひらや油が飛んでできた小さな傷ならともかく、熱湯や油がかかってしまった場合、どんなに痛くなくても病院に行ってください。

今思えば、早めに病院に行けば激痛も最小限に抑えられたと思うし、傷も完治する可能性も高いはず。

それをせずに後悔したからこそ私は皆さんに伝えたい。

火傷専門病院もあるので、火傷をしたら絶対に病院に行ってください


ここからはスピリチュアルなお話。

火傷を負った翌日の月曜日、日々重なる災難について瞑想で聞いてみることにしました。
私は本命六白金星、月命六白金星の辰年生まれです。小さな頃、母親が熱心に通っていた秩父御岳神社では守り神として清滝不動明王様を授かりました。
六白金星の象意は龍、水神様として龍は多くの場所で祀られています。そして辰年。

そうなんです。私の生まれ星は龍とご縁があります。

昔から大好きな龍、だけどそれは他の動物を好きなのとは異なり偉大なる存在として崇拝しているに近い状態です。

だから龍をどんなに愛していてもそれを自分と重ねることは一切しませんでした。

ファンタジー本が好きなたぁが次のように質問してきました。

「もし魔法を一つ持てるなら何がいい?」

「ヒーリング」

カウンセラーの仕事をしていたこともあり、そこに迷いはありませんでした。それからずっと瞑想を通して自分を解放してきたこともあり「純粋な水になりたい」と思うようになりました。

純粋な水、それは龍が持つ力。龍になりたい。

最近、そう思うようになったことを瞑想を通して思い出させてもらいました。

火傷の後はかぎ爪で引っかかれたように上から下に伸びている。

龍に引っかかれた痕、これが龍の印。

目立つ傷が残ることは他人の目に止まるので、完治するのが一番ですが、「すべてはなるようになっている」と解放と理解を示してもらって、今ではそこにある理由を受け止められるようにもなっています。それでも暑中稽古に参加できない悔しさはまだ残っていますけどね。

何が真実かはわかりません。意識が作り上げる世界に生きていて、すべてを顕在意識だけで理解はできません。だけど物事は常に動き、事は成し遂げられることを思ったら、これも一つの過程のようにも思えます。

この時期になったことは悔やんでも悔やみきれませんが、時が流れれば「あぁ」と納得するときが来るのかもしれません。



お知らせ:
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
相変わらず不要とも思える細かな記録で長い文章になってしまったにもかかわらず最後まで読んでいただきありがとうございます。
現在、毎水曜日に更新を続けておりましたが来週から木曜日に戻ります。
17日はお天気が良ければハイキングに出かけるのでお休みします。
皆さんも健康でお体を大切にお過ごしください。



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