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【妖怪百科】歯痛殿下
水木しげるの妖怪大百科世界編によると、 ベルギーに歯痛殿下という妖怪がいるらしい。 歯痛殿下が電気の走る細い指で歯に触れると、 痺れるような痛みが全身を貫くと言う。
私は翻訳などの仕事に携わっているのだが、どうもこの歯痛殿下は誤訳のもとにうまれたようだ。仕事では絶対やってはいけないことではあるものの、こういった誤訳が転じて真となるようなことはよくある話で、なんとも魅力的な妖怪が生まれたものだ。
【妖怪百科】ぬらりひょんと琵琶牧々
完全な思いつきだが、なんとなくぬらりひょんという妖怪は洒脱に尺八で鈴慕でも吹きそうな気がする。そんな思いつきから、描いた。尺八というと、武満徹が好きな私としては琵琶を登場させないわけにはいかない。琵琶といえばもちろん琵琶牧々だ。尺八を吹くぬらりひょんと、琵琶牧々を合わせることでノベンバー・ステップスが完成するというわけだ。
妖怪にも現代音楽にも精通していない方にとっては、どうでもいい話であろう
【妖怪百科】夜行さん
夜行さんという妖怪がいる。忌み日ー冬至、夏至、彼岸、節分、朔日(月の初め)、望(満月)、晦日(みそか)ーの夜、首の切れた馬に乗り徘徊する髭面の鬼で、遭遇すると馬に蹴られ命を落とす。草履を頭に乗せ地面に平伏すれば、夜行さんはやがて過ぎ去るらしい。
首無しの馬単体で夜行さんという地域もあるが、共通点は忌み日の夜に現れるという点だろう。夜行さん系の伝承は多くあるようだが源流は不明となっている。
私
【妖怪百科】座敷童子
なんとなく古い家屋には何かがいるような雰囲気がある。倉ぼっこ、納戸婆婆、加牟波理入道(かんばりにゅうどう)など家に住む妖怪は多い。その代表格が座敷童子だろう。
座敷童子の特徴は家の特定の場所ではないところにある。言うなれば同じ家屋に居る妖怪の中でも最も自由な存在だ。座敷童子は住む家に幸福をもたらすが、「座敷童子が去ると、幸福ではなくなる」と言った伝承もあり、移動することが可能な妖怪と考えられる