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小山伸二
2022年3月23日 00:44
『まーめんじ』細田傳造(2022年)栗売社今年の3月3日発売の細田傳造さんのできたてほやほやの詩集。1943年生まれの細田さんは、2012年、69歳のときに出した第一詩集『谷間の百合』(書肆山田)で、中原中也賞を最年長で受賞した詩人。平易な言葉のつらなり、うねり、ささやく世界が、さざなみのように、そよ風のように紙面から立ち上がってくる。地面に落っこちている記憶のなかの石ころが、細田さ
2022年3月23日 00:09
きみが居てくれたらそれだけでいい空があるのだからどのくらいポケットのなかに重たいものがぎっしり詰まっていても父さんだってたくさんの嘘を泳いできたんだ事業のこととか父親との確執とかぜんぶありきたりのこと母さんだって恋したこともあったんじゃないかなあの時代にグラマンの機影に気づいたのと同じ耳と瞳で樹を眺め歌を聴いたそんなこともあったはずだきみがここから見えなくなるのが
2022年3月9日 16:46
ベルリンからミュンヒェンに向かう列車の中で 通訳者が隠した書類が 世界の運命を変えたかもしれない 理想と現実 情熱だけでは切り抜けられないんだ政治は そう一喝される青年外交官 Netflixの配信を見つめるぼくは 採点待ちの学生たちのレポートを 同じパソコンのなかに放置したまま 煙草と酒が嫌いだった鬼のことを思い出す 殺人工場を発明させた鬼 有機農業と菜食主義を世に広めるた