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小山伸二
2015年1月16日 23:54
あれはいつ見た夕焼けなのかを忘れた切れ切れの雲のように語りつくせない感情を言葉に結ぶことができないままに心と呼ばれる場所で大切にしまったはずなのに禁断の箱を開けてしまった時から始まるぼくたちの時間を神話のカタチにして今日に伝承してきた、と教えてくれたひともとうの昔に消えてしまった世界という言葉それはまるで失われた足跡見えない影を嗅ぎまわるぼくたちは帰り道を忘れた老
2015年1月1日 00:33
甲州街道の南側からはじまる水の傾斜あらたまった年の滴まるで天から降りてきた伝言のように光る淋しい頬笑みを湛え揺れている言祝ぎのとき ひとが発ち、そして帰る場所その門前で酒を呑み蕎麦をすする晴れ着の行き交う街道ひとの世の駅になって居なくなったひとを数える 境内の梅の庭を巡る本の形にくり抜かれた石碑に触るこの町の文学に出会うあかね色の雲が西に消えていく冬の風はしずかだ