健康促進体操動画シリーズ作成〜オンライン公開による高齢者支援
シャイニングアークスは、チームとして『うらやす健康・元気コンソーシアム』活動に参加している。この活動は、アークス・ホームグラウンドのある浦安市高洲南地区において、住民がココロもカラダも健康になっていくために、住民自身が主体的に地域活動に参加できる環境を整備していく目的で様々な団体が連携して発足されたものである。
*参考:浦安市ホームページ
https://www.city.urayasu.lg.jp/shogaigakushu/chiiki/1032072/index.html
人は歳を取ると段々とカラダの力が弱くなり、外出する機会が減り、病気にならないまでも手助けや介護が必要となってくる。このように心と体の働きが弱くなったり、社会的に孤立した状態を『フレイル』と呼ぶ。
『うらやす健康・元気コンソーシアム』活動の一環として、シャイニングアークスは高齢者のフレイル(虚弱)予防のために、タムス浦安病院監修の下、2021年3月から順次健康促進体操動画を作成してきた*。また、それを元に高齢者とのオンライン体操交流会を定期的に開催している。今回、その活動の軌跡を辿ってみる。
*取り組み参考記事:シャイニングアークス公式サイト・ニュース
https://www.ntt.com/rugby/news/2020/210326.html
選手主体となって活動再開
そもそもコンソーシアム連携でシャイニングアークスを代表して話を進めていたのは、内山GMを始めとしたチーム運営スタッフと未来プロジェクトを企画・運営するフューチャーセッションズの面々だった。しかし、計画はコロナ禍の影響によりストップしていた。今では当たり前になったオンラインミーティングだが、コロナウィルス感染が拡大してきた当初は、誰もが気軽に使えるツールでは無かった。
オンラインミーティングが一般化していくと、選手の有志グループはそれを用いてすでに特別支援活動を行っていた。その実績が買われて、内山GMから彼らに「選手主体でコンソーシアムを動かして欲しい」と話が振られた。
彼らとは、SO喜連航平、CTB池田悠希、CTB本郷泰司から成る『ASR’s(Athletes’ Social Responsibilities)』と名付けられた3人のグループである。そこに、当時選手会長であったLO目崎啓志も加わり、プロジェクトが再び動き出した。
彼らは、オンラインでできることをゼロベースで考えていった。自分たちがラグビー選手であることから、まず自らお手本となって高齢者の方々が『カラダを動かしてみたくなる』『その効果を実感できる』をテーマとした。それまでに、リモートワークが中心となった社員たちを対象として手軽にできるオンライン体操を配信するなど、『健康』系の活動には4人とも経験やノウハウがあった。
次に、社会福祉法人『聖隷福祉事業団』が運営する高齢者福祉施設に入所している方々から実際に話を伺って、どんなニーズがあるのかを肌で感じていった。またそれを元にプログラムを開発するにあたっては、『タムス浦安病院』のセラピストの方々からアドバイスを受けている。
そして、選手どうしで練習や仕事の合間を見つけてはLINEなども使いながら、ラグビー選手だからこそできる、心から喜んでもらえるコンテンツとは具体的にどういう内容が良いか話し合いを重ねながら詰めていった。さらに、オンライン用のコンテンツを作るだけで無く、それを題材として月一回ぐらいのペースでオンライン交流会を開くことによって、高齢者たちに段々と元気になってもらいながら、コロナ禍収束以降の更なる交流に向けて関係性を深めていきたいとの思いを持って計画を作り上げていった。
そしてこの春、プロジェクトは回りだした
トップリーグシーズン本番最中の3月の第一週から、4人が集まれる時間を作り出して、選手とチームスタッフだけで手探りの状態で試行錯誤しながら、室内練習場を使って見本となる体操の撮影を行った。そして、編集作業を終えると3月28日にまず2本の体操動画をYouTubeで公開した*。
*ShiningArcs公式YouTubeサイト・オンライン体操動画シリーズ (現在までに計7本完成)
https://www.youtube.com/channel/UCcIQWJcp3ULpbSTLEsIzhxA
その動画を題材として、3月31日には社会福祉法人『聖隷福祉事業団』が運営する高齢者福祉施設に入所している方々と、オンラインで初めての交流会を行った。
選手たちがお手本となって、いっしょに体操をやっていくと、明るい笑いが広がった。そして人生の先輩として、選手たちからの質問も受けてもらった。初めての交流会であったが、ラグビーチームで日頃から集団行動をしている選手たちのコミュニケーション能力は目を瞠るものがあった。またこの様子は、NHKニュースでも取り上げられることとなった。
その先へ広がる想い
この体操動画シリーズをYouTubeで公開することで、誰でも気軽に見てもらってどんどん活用していって欲しいと考える。高齢者の方々も含めてみんなが健康で元気に日々の生活を送るきっかけづくりになりたい。プロジェクトを進めていくに連れ、喜連・池田・本郷の想いは膨らんでいった。
「月一回ぐらいのペースでオンライン交流会を行って、そこでその毎回の成果を『タムス浦安病院』の専門スタッフの皆さんによってフィードバックしてもらい、『○○さん、がんばりましたねー』みたいなコミュニケーションを取りながら、毎月会える状態を作って行けたらなあと」
「先々は、そもそも話す機会が無い高齢者の方々と交流の機会をもちたい」
「このプロジェクトの趣旨に賛同してくれるメンバーを募って、活動範囲をもっと広げて行きたい」
「コロナ禍が収まったら、オンラインだけでは無く、先方に実際に伺って交流を持ちたい」
「この経験を題材にして、『夢先生』のようなかたちで例えば浦安南高校の生徒たちに向けて未来授業的なこともやってみたい」
現在も月に約1回のペースで、オンライン体操交流会は続けられている。そして、参加する選手も増えてきた。また今後の展開に関して、浦安近郊の他のスポーツチームにも参加してもらって、もっともっと地域に根ざした活動としての輪を広げていきたいとも考えている。選手自らが企画し、自らが動き周りを巻き込んでいくことで、これまでに無かった形でアスリートが社会に貢献し始めている。今後の展開にも注目して欲しい。
★今回ご紹介した健康促進体操動画シリーズは、高齢者向けに作成しましたが、一般の健康な方が行っても十分効果が感じられると思います。またチーム公式YouTubeの『選手と一緒に体操しよう!』シリーズでは、他にも多数の体操動画を公開しています。リモートワークの合間の気分転換にも、10分ぐらいの時間で済みますので、ぜひご活用下さい!
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