見出し画像

医療におけるDX - 患者さんに伝えたい!ホームページ利用創成期に学ぶ

医師の切実な願い「治療方法を伝えたい!」

1998年に、まだまだ、ホームページはパソコンオタクのものと考えている人も少なくなかった時代。
でも、大きな可能性を感じている人もいました。
あるときに「自分が通院しているお医者さんがホームページに関心があるというので話を聞いてあげてくれないか?」というご相談がありました。
仕事もなく暇だった僕は、直ぐにご連絡をして、初めて「お医者さん」と、患者という立場以外で初めて話をしました。

その医師は、挨拶もそこそこに
「この病気の治療方法を日本中の人に伝えたい!
うちにくる患者さんは、古い情報、間違った情報で悩んでいる人が本当に多いです。
治療方法は進化しているのに、医療では伝える方法がないから無理もないことです。
それで、本を書いたり、ラジオで話してますが、全然伝わりません。
医療の世界は宣伝もできません。
ホームページというもので日本中の人に伝えられないですか?」

といった内容を熱く語ってくださいました。

この医師以外にも「治療方法を伝えたい」と悶々としていた方はたくさんいたようで、次から次へとご相談が来ました。

医療情報の発信は制限されていた

医療情報を発信する手段はごくごく限られていました。

  • 本の自費出版

  • テレビ・ラジオ・新聞(解説として)

  • 講演・セミナー

本の出版にはお金がかかりますし
テレビ・ラジオ・新聞はいつ発信できるかはわからない
講演・セミナーは拡散量が少ない
といった問題があります。
これをホームページは解決してくれました。

ホームページはきっかけに過ぎず、医療情報が発信できた本当の理由とは?

僕の感触では、1998年から2005年にかけて、ものすごい勢いで医療情報の発信が行われるようになりました。
「なぜ、こんなに情報発信ができるようになったのか?」
その理由を、当時は「ホームページという仕組みのおかげ」と心底思っていました。
が・・・時間が経過して、他業種の仕事をしていくにつれて、違う理由ではないか?と考えるようになりました。

僕の答えです。

  1. コメディカルが患者さんの希望や悩みを医師に伝え、情報発信元である医師が「嬉々として」情報創造(コンテンツ作り)を継続的に大量に実行した

  2. ビジネス的な効果を求めるのでなく「伝えること・理解してもらえる工夫」に集中した

  3. 情報発信のためにかかる費用(コスト)に価値を認識して投資した

  4. 医院全体で、新規患者に来院のきっかけを確認して、情報が伝わっているかを指標として、発信情報も改善した

OODAループとPDCAサイクルが大事だってことでは?

これらの流れ、OODAループとPDCAサイクルで絶妙に実践されていないでしょうか?(専門家の方が解説してくださったら嬉しいです)

たかだか、ホームページの話で、DXなんてもんじゃないよ!
なんて言われそうですが
デジタルを使って情報を発信していくという基本が
今では当たり前のようですが
企業・チーム・組織で本当に出来ていますか?
個人芸になっていないでしょうか?

医療情報を発信していたら、集患・人材獲得に革命が起きた

制作させていただいた医療施設のホームページが、サーバのアクセス上限を超えて(当時は制限があったりしました)パンクするんじゃないか?という状況になると、想像していなかったことが起こりました。
日本全国から患者さんがやってくるようになったのです。

そして、医療従事者の方から「働けませんか?」という問い合わせ電話が来るようになりました。
(あわてて、求人はしていませんという告知をしたこともありました)

今、医療施設で行われているホームページ活用の姿ですね。

コンテンツ創造のチカラは、現場も変えていく

当時は文字情報が中心でした。
今は、ホームページ技術が発展して多彩な表現ができるようになり、ブログやSNSなどで伝達方法も多様化しています。
しかし、相変わらず・・・・
発信する情報=コンテンツの創造と改善については何も変わっていません。

  • 人の頭の中にあるものをデジタルデータ化しなくてはいけない

  • 現場で起きていることをチームで拾い上げて共有して、発信できるデジタルデータにしなくてはいけない

  • 発信した情報の効果を、対象者の声やログによって分析して、改善し続けなくてはいけない

ホームページの利用は、もはや当たり前で、誰もがやっていて差別化しにくいと多くの人が考えているかもしれません。

ホームページの運用に必要な「コンテンツを生み出し、発信して、改善する力」によって、大きな差が生まれていくと考えています。
なぜなら・・・
ただのコンテンツ創造にとどまらず、現場のチカラも変えていくからです。
その体験談は、またお話したいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

Wix公式パートナー★★★★★
テットコム 代表 山内真一
https://www.imadoki-design.com/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?