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私の面接スタイル

いつも面接する側の人間が逆に面接を受けると、非常に学びが多いです。
取り入れようと思うこともあるし、逆に自分はやらないように気をつけようと思うこともたくさんあります。

でも、転職活動をご自身でしてみないことにはこの学びは得ずらいはず。
ということで、私の面接スタイルを公開し、転職活動はしないけど人の面接スタイルを参考にしたい方の役に立ちたいと思います!
(転職を検討している方や学生の参考にもなるとさらに嬉しいです)

なお、下記に記載する質問を必ずしも全部の面接で行うわけではありません。私が面接で知りたい事とその確認方法に関する思考法を伝えることが本記事のミッションです。

以下が具体的な質問内容です。↓↓

「まず私から自己紹介と求人の説明をしますね」

面接でもお見合いでも商談でも人と話すとき全般そうだと思うのですが、何者かわからない相手に対し、何を話せば良いかわからなくないですか?

私は採用の仕事を始める前に営業の仕事をしておりました。
当時の上司から幾度となくお叱りを受けたのが下記言葉です。

「お客さんの悩みがわからないのに提案できるの?悩みを解決することが仕事の価値であり、自分の主張を押し付けても価値を提供できていないよね」

そう、これが鉄則です。お客様の悩みを理解し、それを解決できるからこそ、パートナーになれるのです。

労働市場における商談の場である面接でも同じことが言えます。面接官の悩みがわからないのに候補者が自分のことを語るのは不毛な時間になりかねません。候補者として渾身のエピソードだったとしても、面接官がそれを求めていなかったら空を切ります。面接官の悩み事解決になっていないからです。

そこで、まずこちらの悩みを候補者に説明した上で、候補者から、それを解決できそうなエピソードを話してもらうのが筋と思います。

これでやっとお互いフェアに話ができます。

「価値観を作る出来事や時期を教えてください」

その人がなぜ働くのか、働くことで何を実現したいのか、どういう環境なら力を発揮するのかといった要素をこの質問で確認していきます。
上記要素はその人が自社で働くモチベーションに起因するので非常に大切な質問です。

それを読み解くには、人の価値観はどのように形成されるのか知ることが必要です。常々教養が深まるたびに変わるのですが、私が今のことろ信頼しているのは下記2つです。

・進化心理学
世の中にはいろいろな文化や価値観がありますが、その目的を上位までたどると一つに集約される。生存と種の繁栄の為である。人間は生物の一種であり、生物の目的は生存と種の繁栄である。

・神経言語プログラミング
強い価値観は大きなインパクトを伴う物事か、継続して長期間取り組んだ物事により形成されやすい。

人間には、生物として変わらない本質があり(進化心理学)、経験が多様性やオリジナリティを与えていく(神経言語プルグラミング)。

その人は生物としての本質を全うするためにどれくらい工夫し、楽しみ、悲しみ、怒り、歓喜し、その結果オリジナルな自分を作っているのかを知ることがその人の価値観を知ることに繋がります。

その価値観が自社と合っているのであれば入社後もモチベーションもって働いてくれる可能性が高いと言えます。

「一番集大成と言えるエピソードを教えてください」

モチベーションの湧く世界なら、人は本当にコミットします。
では、本当にコミットした時どれほどの力を発揮するのか(その人の実務能力)を知ることがこの質問の目的です。

ヒアリングする上で大事にしているのは、下記3つ

⓪何を実現したのか
①どんな状況で実現したのか
②「なぜ」取り組んだのか
③「どう」取り組んだのか

①どんな状況で実現したのか
ヒアリングする際は5W1Hを意識します。
例えば、サッカーでインターハイへ出場経験のあるAさんとBさんがいるとします。Aさんは自らの意思でキャプテンを勤め、多様性のあるメンバーをまとめあげて成果を出している。一方、Bさんは練習を休みがちで補欠である。
私がプロチームの監督だとしたら、一緒に仕事をしたいのはAさんだと思います。

状況を把握しないとミスリードが起きるのでまず聞いておきます。

②「なぜ」取り組んだのか
すごい頑張り屋さんだけど、意味のないことを頑張っているのが一番悲惨だと思うのです。なので、「なぜ」それに取り組んだかの筋の良さは、仕事で価値を出すために必須な要素です。(いろいろな有名な本にこのことは書かれています。私としては下記の本を推薦します。)

③「どう」取り組んだのか
「なぜ」で良い決断をされていても、その先良い行動ができていなければ、結局世の中にはなんの変化も起きません。
「どう」取り組んだかはその人の実行力を意味します。さらに言うと、その中でどう試行錯誤したかが知りたいです。

①②③の結果⓪へ結びついていることを確認し、その人が活躍できそうかを推し量ります。

「今後のキャリアプランは?」

新卒や第二新卒だったらほとんどのケースではあまり気にしません。キャリアに対する判断材料が少ないので、机上の空論を語る可能性が高いからです。

一方、一定以上経験豊富でキャリアに対する判断材料をお持ちの方には必ず聴きます。
キャリアプランは向こう数年先までのビジョンなので、長期的にモチベーションを満たせるか判断する材料として効果的だからです。

「うちの現状についてディスカッションしてみましょう」

お互い同じものを見て話すことは、会話のコンテクストが一致する(同じ材料を見て判断していることになる)ので、誤認識を避けるために効果的です
同じ課題に一緒に向き合ってみると、その人がどれくらい力になってくれそうか具体的に見えてきます。また、候補者からしても私たちと仲間になりたいか、自分自身が役に立てそうか推し量ることができます。

「雑談しましょう。質問とかあればぜひ!」

最後、10~15分余るので、あとは雑談します。信頼関係を築くためには雑談は非常に効果的です。近年、「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」よりも「ザッソウ(雑談・相談)」が注目されてますしね。お互い緊張を解いて素で話せればお互いの信頼関係が築けます。


まとめ

・まず、お互いの情報格差をなくすためこちらから名乗る
・人はモチベーションと能力両方が揃ってこそ活躍するので「価値観」と「渾身のエピソード」を聴く
・将来的なモチベーションも知るために「キャリアプラン」を聴く
・お互いのコンテクストを合わせるため具体的事案についてディスカッションする
・信頼関係を築くために雑談する

長時間おつきあいありがとうございました!



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