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甲子園、大阪桐蔭4番のおばあちゃんと遭遇した5分間のお話。

こんにちは、守屋です。

今朝、仕事の関係で三宮に行かなければならず、なんばから乗り換えで阪神なんば線快速急行を持っていた。ちょうど近鉄線(つながっているけどなんば終着)から降りてきた一人のおばあちゃんがホームでとなりになり、こちらを見ていた。

「甲子園、次の電車で行けるん?」

と聞いてきたので「行けますよ。」と答えた。Twitterの別アカウントで投稿した内容がこちら。

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8時36分発の阪神なんば線。この時期に甲子園に行くのは(正確には観戦のために行けるのは)家族か、学校の生徒、関係者くらいしかいない。そして近鉄線を利用していると考えれば三重県か奈良県、そして大阪と思っていたけどまさかの大阪桐蔭。

スマホで確認したら本当に試合がやってる。そして4番の選手をスマホで見せながらおばあちゃんに「この花田って人?」と聞いたら「そう、花田旭。」と誇らしげな表情で言い切った。

大阪に住んではいるものの、野球とは縁がない自分でも大阪桐蔭という高校野球界を盛り上げている高校名は知っている。その4番打者のおばあちゃんと話す機会などこの先も無いだろうと思い、電車が来るまでの5分間、話を聞いた。

今年は有観客ではないものの、家族5人までOKで出場が決まってから今日という日を楽しみにしていた。あの子は1年時は球拾いから始まったけど腐らずに練習に取り組んできた。小学校の時から毎日のように親父とキャッチボールをしていた話。球団から誘いがあるものの進学希望じゃないかということを受け、自分で決めたなら応援したいという話。

誰かに話したくて仕方ない。うちの孫を自慢したくて仕方ない。そんな気持ちが声とマスク越しの表情から伝わってくる。電車が到着したとき、

「高校最後の思い出になったら良いですね。」と伝えたら大阪のおばちゃんらしく

「まだ1回戦やで。こんなところで負けて思い出にしたらあかん。次も観に行きたいねん。」と語尾を強めて良い、電車に乗りました。

なんとなく知っているから、グッと心を掴まれ足を運びたくなる瞬間の体験

正直な話で野球はテレビ観戦も生で観戦もありません。オリンピックでソフトボールの決勝、野球の決勝を見た程度のミーハーと言えばそこまで。スポーツに関わる人であれば「大阪桐蔭」というワードは知っているはずです。有名なプロ選手で言えば藤浪晋太郎などでしょうか。

偶然と言えば偶然であり、仕事の関係で三宮に行く機会が無ければ出会うことがなく、電車に一本早く乗っていたり、ホームの立ち位置が別であっても遭遇することは無いことであり、おばあちゃんが話しかけてこなければ会話することも無かったでしょう。

そんな中で「甲子園」というワードから色々と会話をすることになりましたが、ここで何が言いたいかというと、

人を惹きつけるもの、ある物事に興味を持つのはそのスポーツのレベルやカテゴリーも大切ではあるものの、サイドストーリーを知ること、体験することにあると感じたことです。

今更と思うかも知れません。オリンピック中、選手のサイドストーリーはテレビやメディアを通じて知る人は多くいたかと思われます。たとえば家族の話や大切な友人からの応援メッセージ。御幣を恐れずに言えば脚色された部分があるかも知れないと、脳裏によぎっていました。

もちろん本人から聴いたことをそのまま文字に起こすこと、テレビで流しても面白くないというのも理解できます。でも人の心に刺さる言葉は作られた言葉でも、用意された言葉でもなく、あふれ出てくる気持ちが言葉に変換された瞬間ではないかと思ったのです。

このご時世、直接話を聞く機会が減少してしまい会話に時差が生まれ、言葉に気持ちが乗っているかどうか、乗せることができるかと言えば難しいのが本音です。

逆に聞き手との関係が良好であれば、まったく興味が無いことで分野であってもテレビやメディアを通してでも本音を知ることができ、見ている人の心に刺さることも可能じゃないかと。

各都道府県で無観客。または人数制限を行い、会場に足を運ぶことが難しい時代だからこそ、選手の本音を「聞き出す」のではなく「溢れ出させる」ような仕掛けが求められているのかなと、たった5分間のおばあちゃんとの会話で感じました。


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