諸井伸吾

株式会社サイバード 取締役COO / 東京大学経済学部 / 総合系コンサルでキャリアを…

諸井伸吾

株式会社サイバード 取締役COO / 東京大学経済学部 / 総合系コンサルでキャリアをスタートし、バイアウトファンド、M&Aアドバイザリーを経てサイバードへ / 経営企画、ゲーム事業本部長を経て現職 / https://twitter.com/CyMoroi

最近の記事

「STARTUP LIVE」から学ぶ新規事業立ち上げのポイント

5/29に出版された『STARTUP 優れた起業家は何を考え、どう行動したか』(NewsPicksパブリッシング)の刊行を記念して、そこに登場する起業家の方々が登場するイベント「STARTUP LIVE」が開催され、noteに書き起こされていました。 本も読みましたが、「STARTUP LIVE」で記載されていることも示唆に富んでいたので、そこから新事業立ち上げのポイントをまとめてみたいと思います。ポイント抽出の観点はあくまで私の置かれた環境によるもので、一般化は意図してい

    • 【経営に活かす読書メモ】シン・ニホン 安宅和人

      エンタメ系事業会社サイバードでCOOをやっている私が、読書から得られた示唆を経営にどのように活かすかという視点でまとめる読書メモです。このため、本の骨子をまとめたものではありません。 今回は、名著「イシューからはじめよ」の著者でもある安宅和人さんの「シン・二ホン」が対象です。 本文章のアジェンダは、産業構造、戦略、生産性、スキル育成となります。 産業構造「国富を生む方程式の変容」という言い方で、Old GameからNew Gameの変化点を挙げています。 Old Gam

      • 【経営に活かす読書メモ】世界標準の経営理論 入山章栄

        読書から得られる示唆を、サイバードのCOOとして事業を管掌する私が経営にどうやって活かすかという観点で読書メモとして綴る。 今回は早稲田大学大学院・ビジネススクール教授の入山章栄さんの「世界標準の経営理論」を対象にしている。 「世界標準の経営理論」の概要本書は「フレームワーク」を紹介するものではなく、「思考の軸」を提供するものであると宣言している。このため、「ファイブ・フォース」「バリューチェーン」「SWOT分析」「BCGマトリクス」などの解説本ではない。 また、既存の経営

        • 【エンタメ企業のシンプル決算分析】まとめ記事 ~ゲーム業界は、開発、運営、セカンダリー運営、どの局面も簡単ではない~

          2020年2月決算発表があったゲーム会社のうち、4社の決算説明資料について分析したので、今回はそのまとめ記事を書きたいと思います。 ゲーム業界の決算を網羅的に分析したわけではないので全体トレンドが正しいかはわかりませんが、今回分析した会社の個社動向から読み取れる示唆を述べます。ゲーム業界といっても、家庭用ゲームではなく、運用型タイトルを前提にしたスマホゲームを前提とします。 モンストほどのタイトルを運営していてもそれだけでは成長期待に応えられないスマホ向けの運用型タイトルを

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        • 【経営に活かす読書メモ】シン・ニホン 安宅和人

        • 【経営に活かす読書メモ】世界標準の経営理論 入山章栄

        • 【エンタメ企業のシンプル決算分析】まとめ記事 ~ゲーム業界は、開発、運営、セカンダリー運営、どの局面も簡単ではない~

          Klab はなぜカジュアルゲームに参入するのか【エンタメ企業のシンプル決算分析コラム】

          Klabの決算説明が行われましたが、その中でカジュアルゲームへの参入が語られています。カジュアルゲームの市場性に目を向けた面ももちろんありますが、手軽に数多くトライをするという事業の性質に着目した面もあると想像されます。裏を返すと、大きな投資で大きなリターンを狙う事業に寄りすぎている点を改善したいと考えているのではないかという仮説が考えられます。 そこで、この仮説に根拠がありそうかを検証する目線で決算説明資料を見てみたいと思います。 売上利益の推移 「スクスタ」と「キャプ

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          マイネットの構造改革は成功したのか?【エンタメ企業のシンプル決算分析】~マイネット FY19 ~

          ゲーム業界においてセカンダリーマーケットを形成し、一時は順調な成長を遂げていたマイネットですが、SNSプラットフォーム系からネイティブアプリへの移行期が終わり、良質な運営案件が減り、状況は変わりました。その状況下でも成長を目指して難易度の高い運営案件を受託するケースが増え、ついには赤字に陥ってしまいました。この状況から脱するために構造改革に取り組むことを宣言したマイネットの決算説明資料を分析してみます。果たして想定通りに構造改革は進んだのでしょうか。 構造改革の進捗 FY

          マイネットの構造改革は成功したのか?【エンタメ企業のシンプル決算分析】~マイネット FY19 ~

          モンストはmixi をいつまで支えられるのか??【エンタメ企業のシンプル決算分析】~ mixi FY20 Q3 ~

          2月7日にmixiの決算が発表されました。モンストが収益化して以来、初の営業赤字となっています。そこで、モンストはmixi をいつまで支えられるのだろうか、という視点で決算説明資料を分析してみたいと思います。 『支える』は何を支えると定義するか分析の前提として何を支えるかをまずは定義します。 段階として、①株式市場からの成長期待を支える、②PLとして利益が確保できる状態を支える、③会社の存続を支える、というのが考えられます。 ①については、モンストの売上減少トレンドは続いて

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          エンタメ企業のシンプル決算分析 ボルテージFY20 2Q編

          戦略コンサル、M&Aコンサルを経てエンタメ事業会社のCOOをやっている私が決算説明資料を用いて簡易的な決算分析をします。当社サイバードとも事業領域が近い、ボルテージさんが今回は対象です。 業績サマリ 営業利益、経常利益ともに赤字が続いていますが、当期も引き続き赤字です。赤字幅は減っていますが、売上は減少を続けているので厳しい状況は続いています。対前年比で労務費が60百万円減っているので、月当たり20百万円、1人当たり70万円/月で計算すると30人くらいはひとが減っているの

          エンタメ企業のシンプル決算分析 ボルテージFY20 2Q編