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にっぽんぐるぐる鉄道の旅 〜福岡市地下鉄空港線編4〜

◆◆空港線の駅(前編)◆◆

福岡市地下鉄空港線の路線図。表示している路線のほか、天神駅では西鉄天神大牟田線、博多駅では新幹線やJR鹿児島本線、福北ゆたか線と乗り換えできる。

皆さまこんにちは、Y.K.です。

本日は福岡市地下鉄空港線編第4回として、空港線の駅をいくつかご紹介します。

空港線は全線が福岡市内にあり、西は西区(姪浜)から、東は博多区(福岡空港)まで、様々な区を通ります。また、線内には大濠公園や博多旧市街など、福岡の歴史や魅力を感じられる様々な観光スポットが存在します。今回から2回に分けて、空港線の駅から「福岡の魅力を味わえる駅」をいくつか取り上げてご紹介します。


1.大濠公園駅(福岡市美術館口) [K06]

大濠公園の駅名標。「福岡市美術館口」の副駅名も併記されている。

大濠公園駅は福岡市中央区にある駅で、その駅名の通り大濠公園の近くにあります。大濠公園は駅の3番出口(階段)か6番出口(エレベーター)が一番近いです。

この駅の近辺には大濠公園や西公園など、桜の名所となる公園が多数存在しています。そのことから、駅のシンボルマークには桜の花のマークが選ばれました。

また、福岡市美術館も駅の近くにあることから、この駅には「福岡市美術館口」という副駅名がつけられています。

大濠公園駅ホームに大きく掲示されているシンボルマーク。「桜」がモチーフ。


ホーム。大濠公園・藤崎・室見のみ、上り下りのホームが向かい合っている。

・大濠公園のご紹介

大濠公園内にある大きな池。島が浮かんでおり、徒歩で行くことが可能。

大濠公園は、福岡城の外濠である場所が元になっています。福岡藩初代藩主である黒田長政が福岡城を築城する際に、城を守るべくこの地を外濠にしました。福岡城が廃城となった後、昭和に入った際に福岡で「東亜勧業博覧会」という博覧会が開催されるのをきっかけに福岡市が造園工事を行いました。博覧会終了後の1929年に「県営大濠公園」として開園しました。

公園の真ん中には大きな池があり、「柳島」「松島」など様々な島が浮かんでおります。それぞれの島は人道橋で結ばれており、これらの橋にも「観月橋」「さつき橋」などの名称がつけられております。

この池では貸しボートも運営されており、アヒルボートなどを漕ぐことができます。

池の上には島の他に、「浮見堂」というお堂が建てられています。浮見堂は元々、福岡市内にある「東公園」の動物園内にあった施設でした。その園内でオットセイなどを見るために建てられた浮見堂でしたが、戦時中に動物園が閉鎖されたことから、戦後になって大濠公園に移設されて今に至ります。2014年には福岡市登録有形文化財の登録を受け、今もなお大濠公園のシンボルとして市民や観光客に親しまれています。

浮見堂。立ち入ることも可能で、池を見渡すことができる。


2.天神駅 [K08]

天神駅の駅名標。天神様にちなんだ梅の花のシンボルマークもある。

天神駅は福岡市中央区にあります。駅名の通り、九州最大規模となる繁華街「天神」地区の最寄り駅となっております。この駅は天神の中心部にあり、北部には歓楽街やいわゆる「オタク街」が形成されている「天神北」地区や、南部には七隈線の天神南駅があります。
駅のシンボルマークには、「天神」の由来となった天神様こと菅原道真公にちなみ、5つの丸を梅の花のように並べたものが使用されております。実際に、菅原道真公は天神地区内にある「水鏡天満宮」に祀られています。
西鉄天神大牟田線の乗換駅となっていますが、西鉄の駅は「西鉄福岡(天神)」という名称になっております。また、七隈線が博多まで延伸されるまでは、天神(空港線側)と天神南(七隈線側)が改札外乗り換え駅に指定されていました。

・天神地下街のご紹介

天神地下街のロゴ。水鏡天満宮の水牛とヨーロッパバイソンがモチーフ。

天神駅の改札階は「天神地下街」という大規模な商業地下街と繋がっています。この地下街は天神地区を貫く渡辺通りに沿って作られており、長さは590メートルにも及びます。
「19世紀のヨーロッパの街並み」のイメージ、そして人々が豊かに交流する「劇場」というコンセプトを元に作られており、落ち着いた照明やステンドグラスを用いた西洋風のおしゃれな通りになっています。私が12月に行った際には、クリスマスシーズンということもあり天井には素敵なイルミネーションが輝いていました。

天神地下街は地下鉄空港線の天神駅のみならず、西鉄の西鉄福岡(天神)駅や西鉄天神高速バスターミナルなどが入る「ソラリアターミナルビル」、地下鉄七隈線の天神南駅、福岡パルコ、大丸、福岡市役所など、実に様々なオフィスビルや商業ビル、デパート、交通ターミナルと接続しています。そのため、駅からお店への移動や建物間の移動が、天神地下街を経由することで屋内の移動だけで可能な場合も多いです。雨や雪、夏の猛暑や冬の寒波でも快適にお買い物などができます。

地下鉄駅への案内。天神地下街から空港線・七隈線のどちらへも行ける。


3.祇園駅(博多旧市街口) [K10]

祇園駅の駅名標。「博多旧市街口」という副駅名も表示されている。

祇園駅は福岡市博多区にあります。1駅隣の博多駅とは距離が離れておらず、祇園駅と博多駅は地下の連絡通路で繋がっています。今は「博多」と言うと博多駅近辺をイメージされる方も多いかと思いますが、今現在の博多駅ができる前はこの祇園駅周辺が「博多」の市街地でした。中世において博多は日本最大の貿易港湾都市として栄え、歴史ある寺社や商店街、伝統工芸・芸能などが今もこの地でその歴史を物語っています。そのような背景から、2022年には祇園駅に「博多旧市街口」という副駅名がつけられ、ホームにも博多旧市街にまつわる様々な装飾が施されました。

また、近辺には「博多祇園山笠」で有名な櫛田神社があります。その関係で、祇園駅のシンボルマークは「博多祇園山笠で走る法被姿の若者」のマークになっています。なお、地下鉄七隈線の博多延伸後、より櫛田神社に近い駅として櫛田神社前駅が七隈線に設置されております。

今でこそ、商業施設のキャナルシティ博多やテレビ局のTVQ九州放送本社など、現代的な建物も多く並ぶようになりましたが、駅周辺には昔の博多を思わせるような様々な歴史的建造物なども並んでいます。

祇園駅1番のりば(博多・福岡空港方面)。 ホームドアに博多旧市街にまつわるイラストが貼られている。

・博多旧市街にある歴史ある寺院「東長寺」のご紹介

東長寺の「山門」。祇園駅1番出口から出てすぐに見える。

東長寺は博多旧市街内にある真言宗の寺院です。正式には「東長密寺」という名称で、「密教が東に長く伝わるように」という弘法大師こと空海の祈りから命名されました。

東長寺には「福岡大仏」と呼ばれるとても大きな大仏があり、その大きさは日本最大級とも言われています。意外にも完成したのは比較的最近で、1992年完成とのことです。私が参拝に行った際、間近で見られたこともありすごいインパクトがあったのを今も覚えています。

また、大仏の台座部分は「地獄極楽めぐり」として、仏教における「地獄」、そして「極楽」に関わるものを展示・疑似体験できるブースになっています。様々な種類の「地獄」を描いた地獄絵巻の展示や、極楽へたどり着く疑似体験など、とても興味深いつくりになっております。皆様も東長寺へお越しの際にはぜひ体験されてみてはいかがでしょうか。

東長寺は祇園駅の改札を出た後、1番出口を出てすぐに見えます。

今回もご覧いただきありがとうございました。
次回も福岡市地下鉄空港線の駅をご紹介します。



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