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イクイノックスの活躍からスマホ6、そして女性声優とのシナジーまで!芯力的2023年10大ニュース座談会


蒼山サグ(以下、蒼):2023年の競馬10大ニュースとして10個のトピックをまずは時系列順に振り返り、お二方からコメントをいただいていこうと思います。このニューストピックというのは芯力のメンバーの独断でこれが入るんじゃないかというものを選ばせていただきましたので、ご了承ください。それではやっていきましょう。

さらば俺たちのいっくん。福永祐一、やりきった騎手引退

蒼:まずは前半戦年明けからの出来事といたしましてはまず2月福永祐一騎手の引退がありました。こちらゆたさんどのような記憶が残っておりますか?

くらみゆた(以下、ゆ):夏のコミケの同人誌の後書きにも書いたんですけれども、とにかく本当に無事に引退できてよかったなという記憶しかなかったですね(苦笑)。本当に大事なところでやらかすタイプだったので、ちゃんと引退式できるのが不安だったんですけど、本当によかったです。あとは引退式でのコメントが本当に想像していた通りの福永祐一だったなと。特に親不孝の騎手人生だったいうのは、本当に沁みたなと思いました。先日の同人誌でも福永祐一の歴史を振り返りましたけども、私の競馬歴と共にあったというところがありましたし、これだけしっかり個人的にも特集したので、今でも心のどこかに福永祐一がいるような気持ちになっています。早速調教師としても話題を振りまいていますので楽しみにしたいなと思っております。

こひ(以下、こ):私の方からも福永祐一に触れさせていただきます。私も競馬を見始めたとして一番初めにデビューしたのがこの世代でした。割とデビューから見てきたというところでいきますと、福永祐一がいない競馬とは割と喪失感があるなというところは、今年競馬を見ていても思ったところですね。若い頃に色々やらかしていたときのようなエピソードも、近年の円熟味を増した騎乗も、どちらもそういったところの存在感が欠けるというところで。改めて常に頭のどこかに引っかかる騎手だったなというところは改めて思いました。

厩舎開業に向けて結構いろんなところの情報発信が積極的になってきているなと思う反面、若干やらかしそうな気配もなきにしもあらずという雰囲気もありますね。調教師人生、めちゃくちゃ周りの期待値が高いところからスタートかなと思いますが、どんな展開になるかというところは、この芯力でもぜひウォッチしていきたいなというふうに思います。一口の募集馬でも福永祐一厩舎予定の馬をみるともう手加減してないレベルの馬が最初からいるなって感じがあります。期待半分スタートとして決めないと逆にきついかもなっていうところは感じているので。ぜひ頑張ってほしいと思います。蛯名調教師も滑り出しはそんなに見栄え良くなくて、最近徐々に良くなってきている感じですが、そういった山や谷があるんじゃないのかなというのはすごく思います。

デルマソトガケとマンダリンヒーローのアメリカ挑戦。パンサラッサとウシュバテソーロの快挙、ダートの頂点は凱旋門賞より近くなった?

蒼:3月4月になると例年にも増して、海外における日本馬の活躍が目立ちました。好走したレースは枚挙にがないですが、米国だったりドバイだったりサウジだったりが目立ちました。こひさんの印象はいかがでしょうか?

こ:そうですね、今年はとりわけやはりダート戦の頂点に日本競馬が近づいたなというような印象はすごくあった1年だったかなと思います。まず冒頭の切り口としてはサウジカップパンサラッサドバイワールドカップウシュバテソーロというような形で、中東でのダートのビッグタイトルが手に入りました。出走枠の半分ぐらいを日本馬が埋め尽くすという状態もありましたが、海外のある程度のレベルの馬がしっかり来ている中でもしっかり通用したというようなところで、まずそういった形でもいい滑り出しだったかなと思います。その後はアメリカですね。今年一番大きかったのはそこで通用したというところでして。まずマンダリンヒーローサンタアニタダービーで大健闘。そのままなんとか回避馬が出たことでケンタッキーダービーに地方馬が出走するという快挙がありました。またケンタッキーに転戦しましたデルマソトガケケンタッキーダービーに出走しました。その後デルマソトガケはなんとブリーダーズカップクラシックの2着ということで、アメリカでの3歳馬のレートトップになるという評価。こうしたウシュバテソーロであったり、マンダリンヒーロー、デルマソトガケというような地方競馬を含めたダート路線での活躍馬、がそのまま中東だけではなくて本場のアメリカ競馬の方での結果にも繋がった。今年の海外での日本馬の活躍はダートの国内の一線級が海外競馬に繋がってさらに距離が近くなったなというような印象です。

このスペースでも凱旋門賞の難しさということは折に触れてきましたが、凱旋門賞を勝つか、ブリーダーズカップクラシックを勝つかというところ。一昔前ですと大変だけど凱旋門賞の方が近いかなと思われていたましたが、今年の競馬を振り返ってみますと、なかなか難しい馬場ガチャを回したり。血統的なところや、走り方、様々な条件がある凱旋門賞よりは、実は西海岸で開催されるブリーダーズクラシックの方が近いタイトルなのかもしれないなというようなところを、すごく個人的には思わされました。やはりダートの路線で日本馬が世界の方に通用するというのは、芝とはまた違う側面での感慨深さというところもありますし、狙えるレースはまだ多いと思いますので、来年以降への来年の地方競馬の開催番組変更も含めてなんですけれど、さらに日本のJRA並びにNAR競馬が中東だけではなくてアメリカのダートにもっと直結していくんじゃないか、そういった実感を感じた1年だったかなと思います。

ゆ:ダートでの活躍は本当にすごかったなと思いますし、一方で芝に関して言うとどこのレースを選ぶかというのがm本当に大事になってくるのかなというのと。レースの遠征のメンバーを見ると、勝てるかだいたいなんとなく雰囲気が分かるような感じがしてきたなというのは思いました。例えばブリーダーズカップの芝路線だったり、あとは香港ですね。この辺の時期は日本でやっぱりいいレースが多いので、なかなかちょっと下のメンバーが行くと届かないというようなところもあったりしました。一方オオバンブルマイが大きな賞金を稼ぐというところもありましたので、本当に全世界どこをどう使うかっていうのは大事になってきましたし、ウイニングポストの世界線が来たなというの思うところでありました。

進むJRAのソフト、ハード革命。京都競馬場と美浦坂路、馬事公苑リニューアルに、ジョッキーカメラとトラッキングシステム導入

蒼:春には京都競馬場のリニューアルオープンがあり、美浦トレセンの坂路改修などもありました。そしてソフト面ではジョッキーカメラの導入やトラッキングシステムの導入などがありまして、ハード面ソフト面両方での日本のJRAにおける改革が行われました。こひさんこちらの印象をまずお聞かせ願いますでしょうか?

こ:ハード面ソフト面の充実というのが、一気に進んだなというところを改めて思わされますし、コロナの分類見直しもありまして、いろんな人が競馬場に足を運びやすくなった時期とこのタイミングが重なったというのはすごく良かったんじゃないのかなと思います。

まず京都競馬場ですね。私は距離的に言うとホームの競馬場ではありますが、一言で言うとすごく広くなったなというところを思わされました。やはりこれまでの競馬場というのは、ほとんどのお客さんが現地でマークシートを鉛筆で塗って馬券を買うというところを前提に設計されていたと思います。今回、アフターコロナのインターネット販売やスマートフォンを用いたスマッピー投票等の普及等もありまして、そういったところを削ってすごく広々とした競馬場、かつ新しいので当然綺麗であるというところで、競馬場にいることによる快適さというのが非常に向上したなというところを思いました。やっぱり新しい競馬ファンが詰めかけてくれたときに、また行きたい競馬場だなと思っていただけることはすごく大事なところだと思いますので、これは来年から再来年でまた今度は阪神競馬場のスタンド改修が予定されていますので、そういったところでの横展開というところも非常に期待したいなと思います。

あとは美浦坂路ですね。この改修が直結しているかどうかというところは、また置いておいてですが、今年のG1は関東馬が勝ち越しで、これが20何年ぶりということになりました。スペック的に見ますと栗東の坂路より数字的に良いということで、スタートの週は若干様子見をしていたような雰囲気はありましたが、その後は当たり前のように坂路を使うところはしっかり坂路を使ってきています。これが今後どういう影響をさらに広げていくかというところは、すごく注目したいなと思いますし、本当に関東馬が関西馬というのが外厩の充実という側面も当然あるんですけれどもなくなってきた、ボーダレス化してきたというところはすごく思います。

あとは主にファンサービス側面ですが、トラッキングシステムと騎手カメラですね。これは本当に素晴らしいですね。競馬の入り口にゲームを挙げる人というのは世の中に非常に多いですし、トレセンの方々にも多いんですが、本当にダービースタリオンの画面の数字の動きが、そのままレース映像に出るというような形になりました。ベテランの競馬ファンにとっても、レース中に特定の馬を追いやすい。特に内側外側というところが、すごく見やすくなったなあというようなところ。あとは多分ビギナーのファンにとっては勝負服を覚えなくても、レースがリアルタイムに見て把握できる。やはり新しい競馬ファンに対するエントリーという意味でも、このトラッキングシステムというのは本当に素晴らしいなと。ずっと日本の競馬ファンは海外競馬のトラッキングシステムを見てて羨ましいなあと思っていたと思うんですが、日本競馬ですと枠順と色が直結することもあり、より一層見やすい、こっちの方がいいだろうというようなドヤ顔したくなるような、素晴らしい出来栄えだなと思います。

蒼:テスト段階からさらに改良されてよく良いものができましたよね。

こ:本当そうですね。コスト面、運用面の課題はあると思いますが、早く1レース目から全部のレースにやってほしいなと思います。個人的には一口馬で自分の馬がどういうポジショニングをしているかというのがカメラが映ってないときに、きれいに頭の中で描けるようになったのですごく明快になったなと思います。

あとは騎手カメラですね。これも大きなトピックで、当然騎手カメラでレースのすごくリアルな映像が見れるだろうというのは、誰もが頭の中に描いていたと思うんですが、やはりJRA並びに騎手会が素晴らしいなと思うのが、レースの後ですね、ゴール後から関係者に迎えられるぐらいまでを録画したものを公開してくれたというところがすごく良かったなと思います。やはり馬と騎手とのコミュニケーションですとか、迎えるスタッフさんとの声がけですとか、あとは凱旋してきた時のスタンドの雰囲気ですとか、やはり騎手じゃないと絶対に見えない視点というのがすごく広がった。こういったところは本当に物語性も含めて新しい競馬ファンに対しての訴求力ということも含めても、ものすごく良かったかなと思いますので、本当に今年は競馬の見方、楽しみ方がすごく広がったなというふうに思います。

ゆ:騎手カメラに関しては先ほどのトラッキングとは逆でギャロップレーサーとかG1ジョッキーはよくできたんだなって騎手カメラを見ながら思いました。是非コーエーテクモには頑張って新作を出してもらいたいなという気持ちになりました。

蒼:今なら売れそうな気がしますね。

ゆ:今なら競馬ブームで買ってくれる人も多いんじゃないかとに思います。改めてコロナの後の客層が変わったタイミング、スポーツとして競馬を見る罵声が飛ばず拍手をするみたいな若者文化とハードの投資っていうのが、ガチッと噛み合った良いタイミングだったのかなというところもあります。昔からJRAは叩かれがちだと思いますけど、しっかりハードに投資をし続けてくれているっていうのは本当にいいことだなというのを思いましたし、そのためにも馬券を買わなきゃなという風に思いました。

蒼:ちょっとトピックとはずれる話ではあるんですが、例えばウイニングポストとかは僕らにとっては定番ソフトですけども、例えば新規で最近競馬好きになった人がウイニングポスト10って言われて買うかっていう問題もありますね。競馬ブームであるのは間違いないですから、第1のタイトルとして新たな競馬ゲームが出てくれたら嬉しいなって個人的には思います。

ゆ:馬に喋らせるわけにはいかないんで、キャラにボイス対応をして、そちらへの訴求力も高めてほしいですね(笑)。

激震!スマホ6からの若手ジョッキーの泣き笑い、まなみ、貫太、佐々木大輔の大躍進

蒼:次のトピックはちょっと残念なニュースです。記憶もだいぶ薄れたところで掘り返すのもちょっと悪いと思いつつ、今年発覚しました女性騎手と角田大河騎手のスマホの不正使用というのは、どうしても10大ニュースに入ってくると思うんですが、こちらはこひさん、改めて今振り返るとまた違う角度でのコメントもあるような気がしますがいかがでしたか?

こ:はい、これ本当に大事件になりました。若手騎手が6人1か月が騎乗停止というようなところで、若手騎手の序列も含めて大きな影響があるだろうなというふうに見られていました。1年も終わってみますと、この後に良くなった騎手もいれば悪くなった騎手もいるというようなところで、結構明暗が人によって分かれるような形になったかなというふうに思います。今回我々が含めてインターネット上でもスマホシックスとか呼ばれた永島まなみ騎手今村聖奈騎手古川奈穂騎手、小林美駒騎手河原田奈々騎手、そしてなぜかくっついてきた角田大河騎手6名が騎乗停止になりました。終わってみますと、実はここの中から大きな飛躍をしたり成績を伸ばした騎手もいるなというようなところでして、特に永島まなみ騎手が秋ぐらいから存在感抜群になってきて、終わってみればリーディング全国で19位50勝なんですよね。もうあと一つ今村聖奈騎手の昨年の記録にも並ぶというようなところで、明確に現状の女性騎手のトップというようなところにもなりました。他にも古川奈穂騎手が、彼女本人としましては大きな飛躍となる25勝という形で、結果を残してきた騎手がしっかりいたなという印象です。逆に昨年目立っていまして、今回このスマホ騎乗停止になりました組で言いますと、角田大河騎手は昨年とあまり変わらないぐらいの36勝というところにとどまりまして、今村聖奈騎手25勝。この2人が通話をしていて角田大河騎手がお縄になったというようなところもありましたが、ここでも仲良くちょっと爆発しきれない1年というところを過ごしたんじゃないかなというふうに思います。

一方でちょうど夏ぐらいにこの騎乗停止の影響で伸びるんじゃないのかなと名前を挙げていたのが佐々木大輔騎手ですね。彼が関東の若手のナンバーワンという地位を明確にしたのも今年の大きな動きだったかなと思いました。人気馬がローカルで回ってきたタイミングで結果を出して、その後北海道開催でも結果を残し続けたというところもありまして、若手騎手ではナンバーワンといえます全国リーティング12位68勝。デビューした年が一桁だったと思えないぐらいの活躍をしたかなと。彼は事件がなくても、いずれ台頭したかもしれませんが、このスマホ騎乗停止で一番恩恵を得た騎手かなと思います。あとは関西の新人の田口寛太君ですね。彼が本当に騎乗もそうですし、見た目のビジュアルも含めまして、いろんな意味でプレイクした1年だったなと思います。競馬を見るファンもいろんな人的な好みもあると思うのでなかなかこの寛太君のようなキャラは、なかなかJRAもこれまで準備できてなかったかなと思いますので、彼のキャラプラス、本当に今年も最後のほうでは特別でもしっかり結果を残しているように、普通に乗れる騎手にもなってきているのでこういった騎手が活躍してくれると、より競馬は盛り上がるなと。私も今のままの寛太君と一緒に口取りを早くしたいなという意欲を持っております。

蒼:寛太君、ジャンルとしては松若風馬騎手をさらにピュアにした感じですかね。方向性を間違えないでほしいなと。

こ:そうですね。髪の毛をいつ伸ばすか一番気になりますね。

ゆ:社台パーティーでみた松若騎手は初々しかったんですけど、すっかりスれてしまいましたね(笑)。今村聖奈騎手は勘違いとかしてるわけではないんでしょうけど、なかなか一回ドツボにはまるとなかなか抜けれないという感じが1年目からありまして。その悪いところが2年目は出てしまっているのかなという印象がありました。あとはスマホ6ではないんですけど岩田望来騎手。フリーになってどうなることかと思ったんですけど、この師匠の荒療治はいい方向に向いたようで、今年113勝。こちらも若手としてはかなり期待したいなというところだと思います。

オーギュストロダンとコンティニュアスの、サンデー孫日本馬欧州大旋風

蒼:惜しまれつつこの世を去った大種牡馬ディープインパクトが最後にとてつもない大仕事を果たしてくれました。オーギュストロダン英ダービー制覇。加えてコンティニュアス。こちらはハーツクライ産駒ですがセントレジャー制覇もあり、サンデー系が欧州で強いプレゼンスを示しました。この辺の欧州戦線における活躍についてはどのような記憶が残ってますでしょうか?

ゆ:大種牡馬は最後の方で大物を出すっていうのは昔から言われていることですけど、まさかコントレイルに続いてオーギュストロダンダービーを勝つというようのは想像を超えてましたね。このタイミングでオーギュストロダンが生まれたのっは、偶然でなくそれなりの背景がありますが、その辺は今回のコミケでMariusさんの記事に書かれておりますので、是非そちらで読んでいただきたいなと(笑)。

コンティニュアスも含めて今まで日本産馬が強いというのは、ある程度伝わっていたと思うんですけど、日本の血統が素晴らしいっていうのが、いよいよ世界にも当たり前のように伝わってきたことは本当に新世代というか、いよいよ日本競馬は全てがトップクラスに入ってきたとい思わせる一年だったと思います。

こ:日本の血統が海外で活躍するですとか、サンデーサイレンスの血統が世界に恩返しをするみたいなシナリオっていうのは、20年弱ぐらい前にウイニングポストをやりながら"if"で描いていた世界でしたがが、本当にそれがいよいよ現実のものになってきたなというところですごい感慨深さがあるなと思います。オーギュストロダンですとか、コンティニュアスも含めて今後海外で種牡馬入りしたサンデー系がついた海外の繁殖牝馬を、セール等で買ってきて日本に走らせるみたいなところも必ず出てくるかなと思います。世界の血統が混じり合ってくる中に、日本の血統がすごく存在感を示していけるんじゃないのかなという期待感をすごく持たせてくれる1年だったかなと思いますね。血統の墓場と言われていた時代からすると、ただ海外から来た種牡馬に頼るんじゃなくて、そこから日本産の血を繋いだ馬が世界で求められるようになってきたというところは、本当に日本競馬がここまでの数十年間しっかり歩んできたそういった証拠かなと思います。

ゆ:ウイニングポストといえば、グラスワンダーの血統が何代も続くなんて、ゲームでしかできないと思っていたんですけど、ピクシーナイトも種牡馬入りしましたいし、オーストラリアでモーリスをまだまだ人気で、凄い時代だなと思いました。

競馬界に根を張りつつある女性声優軍団。文才のLynn、前田玲奈の躍進と田村ゆかりの一口馬主生活

蒼:次は少し異彩を放つトピックとなりますが、声優業界と競馬業界のシナジーが随分と目立った年でもあったと思います。2023年の声優業界と競馬業界のコラボレーション、シナジーについて、ウマ娘が果たした役割は間違いなく無視できませんが、そこに留まらない規模になっております。声優にも造形が深いこひさん、いかが感じましたか?

こ:声優オタク、兼競馬オタクの自分としては、ある種夢のような状況になっているなと思います。私も(声優オタクの)最前線からは退いてはいるんですが、今年はとりわけ声優業界と競馬業界がいかに親和性が高いかというところを見せつけられた1年だったかなと思います。非常にわかりやすいところで言いますと、まずは地方競馬のYouTubeに女性声優が呼ばれるというケースがめちゃくちゃ多くなってきたなという印象で、大井競馬であったり岩手競馬佐賀競馬というようなところの配信で、新たなファン層の取り込みに取り組んでこられたかなというふうに思います。あとはメディアの扱い方で言いますと、競馬番組は昔から男性は芸人さん、我々の競馬を始めた頃ですと当時のまだ若手の爆笑問題が競馬番組で出てきたりとかそういったところがありました。一方で女性はタレントだったりグラビアアイドルだったりみたいなパターンが多かったかなと思いますが、その枠に女性声優が綺麗にはまりつつあるなというのが最近の印象です。

特に私は関西の方に住んでいるので、芸人含めたキャスティングがいろんなジャンルでテレビを見ていて多いエリアなんですが、競馬番組で当たり前のようにファミリーと言う形でLynnさんや前田玲奈さんが出てくるという世界観は、ちょっと前では全くもって想像ができなかったなというところです。こういった女性声優の方々はある種アニメーションですとかそういったオタク向けの商売であり、何事もオタク的な取り組み方をされるなというような方も多い印象でして、そういう性質と競馬の持つオタクを引き込む力。ドラマ性であったり、血統であったりの、そういったところがすごく相性が良く、商売っ気ではなくて割と本気で競馬に取り組んでしまう女性声優さんが増えてしまったという側面もあったのかなというふうに思います。やはり競馬のメインターゲットは何だかんだである程度男性であることは間違いないですので、馬の話ができる女性というところは多分業界としては常に需要があったかなと思います。そこに対して女性声優がぴったりハマったと。特にLynnさん、前田玲奈さん、先ほど触れた2名はネット上に出ている記事を見ていても非常に文才がありまして、競馬の面白さ、魅力というものを文字で伝える力もすごくある方々だなと思います。こういった方々がより競馬にハマっていただいて、競馬の魅力を面白い文章で世に発信してくれるということはすごく競馬界にとっても良いことではないかなと思います。こちらに派生しましてグリーンチャンネルのPOG特集のナレーションとしておなじみになってきてしまいつつある田村ゆかりさん。こういった重鎮の方まで一口馬主を始めているというところがラジオを通して明らかになってきてきます。

蒼:ラジオで語られたらしいですね。

こ:はい。声優界にも一口馬主の波もじわじわときておりますし、この辺りのボーダレス化とも進んでいくんだろうなというところと、どこかで競馬業界関係者と声優の結婚が出て界隈が盛り上がるというところが、いつか来るんじゃないかなというところを予想して締めくくりたいなと思います。

ゆ:色々な競馬の現場に声優さんが来ていただいて、縁のある馬に会っていくというニュースも多かったですね。今年でいうと芯力noteでもアクセスがかなり多かったのは、ウマ娘ではシンコウウインディ役の高田憂希さんが、ダーレースタリオンパレードのナレーションに抜擢という記事でした。もしかしたら来年の種牡馬展示会のナレーションは声優だらけという可能性もゼロではない、そんなことさえ思ってしまうぐらいのブームなのかなと。

蒼:どこかの一口クラブがカタログ映像に採用するかもしれないですしね(笑)

ゆ:そうですね(笑)。今までだったら社台ノーザンの映像はピヨピヨという鳥の声で眠くなるとありましたが、楽しんで聞けるようになるのかもしれないですね。あとは先ほどこひさんからもありましたけど、結構声優雑誌などでコラムというか文章を書く場面に慣れている職業でもあるかなと思いますので、その意味でも楽しみが多いなと思いました。

リバティアイランドお嬢さん、キャリア6戦での牝馬三冠

蒼:先にも挙げられた騎手カメラの存在によってキャラクター性が発掘されましたお嬢さん、リバティアイランドが牝馬三冠を達成しました。このリバティアイランドに関しての記憶ですが、ゆたさんどのように残っておりますか?

ゆ:そうですね、本当に2歳の頃から大物感がありましたし、川田騎手がこのウマのために香港は乗らないと最初から公言していたぐらいだったので、三冠自体は取っても驚きはなかったかなというふうに思いました。ただ本当にキャラも立って良い三冠馬になったなと思いますし、川田騎手がリーディングを取った翌年のクラシックでの出会いという形になりました。名騎手に対するベストパートナーが出てきた、それもよかったと思います。あとは騎手カメラというとオフィシャルに川田騎手が提案して実現したという形になっておりますのが、川田騎手が自分のブランディングによく利用しているなというふうに思いますね(笑)。この辺もリーディングを取る前だったら、ここまでの余裕はなかったと思うので、netkeibaのコラムと騎手カメラの掛け合わせ、そしてインスタグラムでのおしゃれ感というところ。この辺は本当にリーディングを取った後というタイミングが絶妙だったのかなというふうに思いました。

蒼:こひさんはいかがですか?

こ:改めて戦績を見ていて非常にすごいなと思うのは6戦で牝馬三冠を達成してしまったというところですね。去年デビューした2歳の時に3走目で阪神JFを制して、今年の三冠はトライアルを一切使わない、これまでの牝馬三冠馬とは違う新しいモデルに到達しつつあるなというところをすごく感じさせられました。ジャパンカップでもすごくいい競馬をしていたので、来年楽しみではあるんですけれど、一つ年上にスターズオンアースというこれまた強い馬がいますので、この2頭が本格的に激突をしていくというところ。ジャパンカップスターズオンアースが若干順調さを欠くところがありましたので、来年すごく楽しみにしたいなと思っています。

イクイノックス世界一、天覧競馬の天皇賞を含めG1を4連勝締めで、異例の4歳引退種牡馬入り

蒼:これは絶対に欠かすことができないという出来事になります。イクイノックス、その存在について、ゆたさんのインプレッションをお聞かせください。

ゆ:芯力のレース回顧で、こひさんからも話がありましたけれども、やっぱり日本競馬史上最強馬であると間違いなく言っていいのかなと思います。父親のキタサンブラックが目立ちますが、血統表を眺めるとトニービン、サクラバクシンオー、ダンシングブレーヴにグッバイヘイロー。そしてサンデーサイレンスと。日本競馬が血統の改良を重ねてきた積み重ね、努力が見てる血統がガッツリ入っていることを含めて本当に良い馬だな、この馬が最強に冠するというのは良いな思いました。あとはこの馬について言うと2歳から3歳にかけては、まともにレースを使える馬ではありませんでした。G1だけを間隔明けて使っているような馬でしたので、そういう馬は少し前だったら使えずに壊しちゃっていたと思います。こういう走れば強いけど、壊れてしまうようなレースに持っていけるようになった人間側の技術向上というのを示したのかなと思いました。先の話をすると種付け料が2000万というすごい値段付けていきますので、これはノーザンの絶対成功させるという意地みたいなものを感じます。その背景にディープインパクトの後継をノーザンから出せなかったというところもあるのかなと思いました。

蒼:ノーザン産という意味だと今のところいないんですよね。

ゆ:キズナもコントレイルもノースヒルズ産だったりするので。そういう意味でも自前の種牡馬で覇権をとりたいというバックアップが強く感じる値段、スタリオンの方のコメントだったというところがあります。その辺も含めて今後に期待したいなと思います。

こ:イクイノックスのパフォーマンスは、ゆたさんが話された通りかなと思います。その上でクラブ馬の牡馬で4歳で引退という決断ができたというところが、この馬の1番の凄みを伝えるエピソードかなとに思います。クラブの運用的なところの責任もありますし、賞金の金額も高いですというところで、なかなか将来的な種牡馬価値があっても、5歳の暮れまでは現役生活を送るというのは当たり前だったかなと思います。そこに対して、それでも種牡馬入りを1年早めるだけの説得力を持たせるというレベルのパフォーマンスを示したというところ、それにふさわしいオファーを受けて種牡馬として4歳の暮れに引退するという決断をできたというところですね。本当にこの事実だけでも、この馬がこれまでの日本競馬では到達しえなかったところまで到達をしたという馬だなと思いますし、一口馬主をもう20年ぐらい続けてきている身としても、金銭的な部分でも納得性をもたせてファンドとしても文句ない引退をしたというのが、本当に素晴らしい馬だなと思いました。

レモンポップが国内ダート完全制圧。コンビを組んだ坂井瑠星はドバイでもゴドルフィンの勝負服を披露。

蒼:ダート戦線も海外での活躍もありましたので、そのトピックとも被るところがありますが、国内で言いますとレモンポップが若きエース候補坂井瑠星とのコンビで国内ダートG1を完全制覇いたしました。ゆたさんから印象をお聞かせくださいませ。

ゆ:レモンポップ、今年のフェブラリーステークスを勝った時はマイルでも距離不安があったという中で、チャンピオンズカップまで勝ち切るというところ。この1年の成長は、数使わずに我慢してきた陣営の戦略が実を結んだと思います。あとは坂井瑠星騎手が完全に青い勝負服が似合うイメージがついてきたというのは、結構大きいトピックかなと思っています。ドバイに遠征したにもかかわらず、ゴドルフィンの馬にビュイックでなく坂井瑠星が乗るという陣営の信頼の厚さというのもありますし、その信頼がチャンピオンズカップの勝利に繋がった。そして世間的にもゴドルフィンの日本の主戦として見られてきているというのは、騎手としても凄い評価なのかなと思います。実際年明けのフェアリーSではキャットファイトに早速乗り換わりで坂井瑠星騎手となりましたそういう意味でも人馬の絆を感じる坂井瑠星騎手とレモンポップの物語は来年も楽しみかなと思いました。

あとは2023年のJRA賞、最優秀ダート馬がどうなるのかなというところが、来年早々にまた話題になるのかなと思うんですけども。今までの傾向から言うと、基本的にJRAのダートG1勝ち馬が評価されるという賞ですので、受賞する可能性は高いかと思います。個人的には「JRA賞」なんでそれはそれで良いことなのかなと。

蒼:芯力のダート担当こひさんの方からもぜひコメント欲しいんですがいかがでしょうか?

こ:この馬に関しましては、本当に今年は騎手と一緒に成長したなという印象が非常に強いですね。フェブラリーステークスはどちらかというと馬の能力で勝った印象ではありましたが、チャンピオンズカップでは騎手で勝たせたというような印象がありまして、非常にレースを通して絆が深まっていくそういったものを見せてもらったなというような印象です。坂井瑠星騎手もこのキャリアでこういう経験をしたということが、今後に向けてもすごく大きな価値になっていくのではないかなと思います。あとはこの2つのレースを勝って来年どうするかというところがやっぱり1番面白いところかなと思いますね。2ターンのコースということで当然サウジの方はターゲットになってくるかなと思いますし、昨年は1200で結果出ませんでしたがドバイにまた坂井瑠星騎手で凱旋するという姿を見たいなですとか。更にはコーナーを4つも回れるというところを示しましたので、でアメリカに行く権利を得ているという側面もありますので、そこも含めてゴドルフィン的にどこを狙いたいかというところ。どういう戦略で来年のローテーションを組んでいくかというところが楽しみですね。将来的にいえば、レモンドロップキッドの後継というような形で今後種牡馬としての需要は高い血統かと思いますし、その際にどういうタイトルを積み重ねて誰のスタリオンの方に入れるかというところですね。すごく大事な一年でもあり、どんな狙いをしていくかというところをすごく楽しみかなと思っております。

ドゥラメンテ、3歳世代大活躍でわずか4世代でのリーディングサイアー獲得

蒼:次のニュースは目出度くもあり悔しくもあるニュースとしてなんですが、ドゥラメンテがリーディングサイヤーを獲得しました。残念ながら早逝してしまい、限られた世代しか残せなかった中で、その能力を示したわけになりますが、ゆたさん、種牡馬ドゥラメンテについて総括をお願いできますでしょうか?

ゆ:ロードカナロアに特に含みはないんですけれども、ドゥラメンテも亡くなっているというところもありますので、このワンチャンスをものにしてリーディングを取ってくれたというのは個人的には嬉しいなというか、応援していたので良かったなと思いました。これで日本の競馬史にもリーディングサイヤーして名を残したのは本当に良かったと思います。

またタイミングですね。ディープインパクトの最終世代がクラシックを走り切った後の最後の1年での戴冠となりました。一方で今年ブルードメアサイヤーにディープインパクトが輝くという形になりましたので、本当に時代が動いているというのは改めて感じさせられるところかなと思います。振り返ってみるとサンデーサイレンスの時代が終わったあと、アグネスタキオン、マンハッタンカフェ、キングカメハメハ、キングカメハメハでディープ時代という形になりました。ここから3,4年、コントレイル産駒がデビューしたり、牝馬の質が上がったキタサンブラック産駒走り出したタイミングのガチンゴ勝負でどうなるのかというのが本当に楽しみだなというふうに思っております。

あとはドゥラメンテが後継がどう残せるかというところがありますので、タイトルホルダーが今回無事にスタッドインできましたけど、ちょっとスピード面では難がありそうですので、ドゥレッツァには期待したいなと思います。

こ:私も今年しか数字上チャンスはない可能性もあるなと思ってましたので、無事にリーディングを獲って、歴史に名を残したのは本当に良かった、ある種ほっとしたような謎の感情が芽生えました。あとは早逝した割には後継種牡馬になれそうな馬が複数いるというのが良かったなと。過去の早逝した名馬、種牡馬とは違う大きなところかなというふうに思います。やはりドゥレッツァも菊花賞の距離がベストではなくて、もうちょっと短い距離でもしっかりパフォーマンスができる馬だと思いますし、今日も東京大賞典で3着したドゥラエレーデもダートのドゥラメンテという形での後継というのも残せそうな雰囲気も出てきております。タイトルホルダーも無事に引退できまし、ひょっとしたらしたらまだこれからドゥラメンテ産駒の大物が出てくるかもしれません。ドゥラメンテというのは血統を見ても社台グループの芸術品のような馬ではありますが、その馬がしっかりとリーディングサイヤーという形で結果も残しつつ、ちゃんと後継も残せそうだというところ。本当にわずかな期間しかなかった中で、それだけの結果を残せたというドゥラメンテのパフォーマンスの高さというところを思わされましたし、あの運という意味でもすごく持ってるなというところを思わされました。

次点のニュースについて

蒼:惜しくも次点になってしまって、取り上げられなかったけれども一言コメントぐらい残したい、そんな話題があれば、ゆたさんは何かございますか?

ゆ:天覧競馬はイクイノックスでまとめてという形とさせていただいて、そうですね。記憶に残ってるのは、新橋競馬バー爆発事件とかですね。正常系バイアスに負けずに、ちょっとでもガスの匂いがしたら火はつけちゃダメだなと。本当に死人が出なくて良かったというような事件だと思います。あとはアフリカンゴールドが1年の間に一気にアイドル化してしまったとかですかね。

蒼:そうですすね、ちょっと趣向は違いますが川田騎手のイメージ戦略が成功したのとかもありますし、やっぱりSNS時代だなと感じるトピックが色々ありましたね。

ゆ:SNSといえば、年末になって急に加藤和宏調教師のアカウントが元気になっているというのもありますね。

蒼:あまり続かなそうな気がしておりますが、ちょっと何なんでしょうかね、あのテンションは(笑)。

ゆ:あとは語り手という意味で言うと、芯力noteでも触れた藤代三郎氏、それからギャンブルという意味では伊集院静氏、ムツゴロウ氏が亡くなられたというところもありましたので、競馬の語り手として、このサークルも続けていけたらなと思いますね。

蒼:なんか評論家だったり、予想家でありながら、他のジャンルに通用するような強い発言力を持つ人も減ってますからね。すごい古くなってしまいますが大川慶次郎先生みたいな人がどんどん後継として出てきてほしいなという思いをありつつ、競馬を見ていきたいですね。こひさんの方からはいかがでしょうか?

こ:ミシェル騎手がまた通年免許に落ちてしまったこと、それを含めたところの議論ですとかはちょっと印象には残りましたね。年明けからはまた短期免許で、新しい顔が来日していますし、外国人騎手の騎乗を見る機会がまた増えてくる中でどうなるのかなと。

ゆ:ルメール騎手ももう長く日本で乗らなそうな気配を若干漂わせ始めてますよね。

こ:そうですよねセカンドルメールの座を求めて誰かやってくるのかというところも、年齢的なところでちょっと気にはなってきますよね。

蒼:2023年時点でまだ話題をかっさらう力がある騎手がルメールと武豊というのまだ変わらなそうではありますが。

ゆ:ウマ娘のCMで踊れる騎手を増やしたいですよね(笑)。

こ:あとは、2歳世代でのスワーヴリチャード産駒の大活躍と、レガレイラの活躍まで予見したかのような種付料についても印象的でした。次世代リーディング争いへの殴り込みまで果たしつつある状況、来年さらにどういった産駒が出てくるか、楽しみです。

競馬議連冬の時代へ。橋本聖子、秋本真利、そして柿沢未途容疑者、それぞれの2023年

蒼:10大ニュースには入れないものの、ちょっと触れないわけでもいかないあまりにもでかいトピックが年末に飛び込んできました。こちら番外という形でちょっと触れざるを得ないなぁと思います。年末に向けて競馬議連の面々が次々とネガティブなニュースを報道されるということになりました。ついには本日柿沢未途議員が逮捕、柿沢未途容疑者となってしまったというニュースが飛び込んできています。柿沢未途ウオッチャーのこひさんからコメントいただけますか?

こ:競馬は産業としてあの大きな支持を得て、いっぱいお金も回るようになっているとはいえ、人材不足などを筆頭に構造としてはまだまだ課題はたくさんある状態。そこを政治面からしっかりと支えていかないといけない競馬議連、競馬に対して理解が深くてそのあたりにちゃんと影響力のある面々が、年末にかけていろんな意味でネガティブな形となっております。

特に裏金関連のところで、馬産地と繋がりも深い橋本聖子議員かなりの金額をキックバックしているのではないか説が出てきております。河野太郎議員は大臣としてデジタル庁で活躍してますが、マイナンバー問題では苦しい状況に追い込まれるシーンもありました。そのような中で、政治的な実力がどれぐらいあるかというところは未知数ではありますが、悲願の自民党入りして、競馬行政に関われそうなポジションにたどり着きつつあったあの柿沢未途議員柿沢未途容疑者になってしまいました。競馬を支えるという意味で政治的なところでの活躍が期待されたり、いや正直あんまり期待はしてないけど何をするかわかんないなという楽しみも含めてウォッチしてきたのですが、逮捕というオチがついてしまったと。ちょっと競馬の未来というところを考えても非常に残念な状況かなと思いますね。しかし柿沢未途容疑者というのがなかなか新鮮な響きですね。競馬カルトQでの活躍を議員活動の中でもアピールをしていたり、YouTubeで競馬関連の大物との対談を出していたり。疑惑の直前の社台一口馬主パーティーに参加していたという情報があったりと、かなりリアルな競馬関係者の接点もあった状態からの逮捕ですからね。

蒼:社台パーティーでローストビーフを取り合った犯人ではなかったんですけどね(笑)

こ:(笑)。本当にこのようなタイミング捕まってしまうというのは本当にダメージが大きいわけですが、まあ以前から競馬に対する知識の中途半端さ、競馬業界への提言のピントの外れ方もツボにハマってウォッチャーをしていた身としては、競馬に対するアプローチ同様に、何事も脇が甘かったのは頷けるなというところを、これまでの所属した政党歴を見ながら思っていたところです。心機一転、来年はグリーンファーム愛馬会と河野家の飛躍ですとか、そういう良い話が聞きたいものですね。

ゆ:参院のドン、青木氏が亡くなったタイミングで次から次に不祥事となると、競馬議連が分解せずにやっていけるのか不安になってしまうところではありますね。春にはJRA厩務員のストライキ問題もありました。残った議員にJRAや馬産地もパイプがいろいろあると思うんですけど、しっかり活動してもらって変なことにならないようにして欲しいですね。いやキックバックはダメなんですけど、橋本聖子が表舞台に出られないのは競馬的には厳しいですね。今は河野太郎くらいしか頼りにならないと思うので、まあみんなマイナンバーカードは取得して、後押ししてあげて欲しいところですね。

蒼:芯力メンバーは全員取得してそうですね(笑)。やはり政治的な後ろ盾がないと、今後やっぱりいろんな産業との人の奪い合い、国際的な人的交流も含めて課題はありますからね。ちょうど今日は天栄の方でドミニカ国籍のライダーの方が捕まったみたいなニュースも出てきましたが、やっぱり人的資源も含めてグローバル化取り合いになっていく中では、やはり政治の後押しというのは何らかの形が必要かなと思います。本当にそこで頑張れる人が出てきたらいいなぁとは思います。

こ:年末のニュースラッシュに持っていかれた感じもありましたが、秋本真利容疑者の、馬主組合「パープルパッチレーシング」も用いた汚職事件が明るみになったのも今年でした。馬主になるために政治家になりたいのか、政治のお金のために馬主を使ったのかは謎ですが、競馬に対する情熱や知識を悪用する形になっていた事件で、こちらも政治的に競馬の印象が悪かったですね。競馬業界と関わりのある議員の皆様には、危機感を持っていただきたいなと。

ゆ:正直早く競馬業界からちょっと参議院あたりには政治家を送り込まないといけないんじゃないかなと思うのですが、いい人いないですかね。武豊、出馬したらこちらも勝てそうですが、馬乗りたいでしょうし。

こ:本当に競馬業界から誰かに候補する人本当探しとかないといけないですね。岡田家とかいい人いないですかね。

蒼:私はなぜか最初に頭に浮かんだ人の顔は木村哲也だったのでコメントができませんでした(笑)。

こ:立候補した瞬間、中傷ビラが飛び交いますね。

ゆ:外向きにはいい顔して、内向きにはメチャクチャ辛辣なの政治家向いてそうですけどね(笑)。

座談会振り返り

蒼:最後にゆたさん、こひさんから2023年一番印象に残ったベストニュース、ワーストニュースをコメントしていただきたいと思います。まずはゆたさんからお願いします。

ゆ:ベストニュースはイクイノックスの活躍かなと思います。天覧競馬を含めて、走り切って、競馬のスポーツとしての面白さを伝えたというのは本当に良かったかなと思います。ワーストニュースはスマホ6。ちゃんと語り継いでいかないといけないのかなと思いました。

こ:全く同じだったのびっくりしました。私もやっぱりトップニュースがイクイノックスの活躍。世界最強という形を数字的にもしたパフォーマンスや、クラブ馬でありながら4歳末での引退というところを成し遂げたというのは、が新しい競馬を今後も含めて切り開いてくれるんじゃないかなというところで。ワーストニュースという意味ですと競馬議連ともとても悩んだんですが、スマホ6。競馬へのアクセスが携帯電話ですとかも含めて、簡易になっていく中で、改めてあの競馬法100周年という話でも触れましたけれど、競馬がどれだけ危ういバランスの上で成り立っているのかというところですね。なかなか若い人には伝わりにくいとあるかなと思いますが、やっぱりこういったルールを破った時には、なぜそういったルールがあるかというところを認識してもらうというところを含めて、このニュースというのは非常に重要じゃないかなと思います。

2023年10大ニュースまとめ

  • 1位:イクイノックス世界一、天覧競馬の天皇賞を含めG1を4連勝締めで、異例の4歳引退種牡馬入り

  • 2位:デルマソトガケとマンダリンヒーローのアメリカ挑戦。パンサラッサとウシュバテソーロの快挙、ダートの頂点は凱旋門賞より近くなった?

  • 3位:リバティアイランドお嬢さん、キャリア6戦での牝馬三冠

  • 4位:オーギュストロダンとコンティニュアスの、サンデー孫日本馬欧州大旋風

  • 5位:ドゥラメンテ、3歳世代大活躍でわずか4世代でのリーディングサイアー獲得

  • 6位:さらば俺たちのいっくん。福永祐一、やりきった騎手引退

  • 7位:進むJRAのソフト、ハード革命。京都競馬場と美浦坂路、馬事公苑リニューアルに、ジョッキーカメラとトラッキングシステム導入

  • 8位:激震!スマホ6からの若手ジョッキーの泣き笑い、まなみ、貫太、佐々木大輔の大躍進

  • 9位:競馬界に根を張りつつある女性声優軍団。文才のLynn、前田玲奈の躍進と田村ゆかりの一口馬主生活

  • 10位:レモンポップが国内ダート完全制圧。コンビを組んだ坂井瑠星はドバイでもゴドルフィンの勝負服を披露。

  • 特別賞:競馬議連冬の時代へ。橋本聖子、秋本真利、そして柿沢未途容疑者、それぞれの2023年


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