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新時代の史上最強馬イクイノックスを我々はどのように語り継げるのか?(第43回ジャパンカップ・第68回京阪杯・第10回京都2歳S回顧)

この記事は、競馬評論サークル芯力のレース回顧スペース2023.11.26からの文字起こしです。


第43回ジャパンカップ

第43回ジャパンカップ 出馬表

蒼山サグ(以下、蒼):それではジャパンカップの方の回顧に移っていきましょう。こちらはまずはゆたさんの方からよろしくお願いします。

くらみゆた(以下、ゆ):イクイノックスリバティアイランドというところが焦点だったジャパンカップなんですけれども、昨日の展望で触れた通りの展開、真っ向勝負の結果、イクイノックスが強さを見せつける勝利という形になりました。もう競馬場ではやれることがないと思わせるようなパフォーマンスで、予定調和もたまにはいいなと思わせられるぐらいの完璧な競馬、完璧なサラブレットだったと思います。

注目のゲートなんですけれども、イクイノックスは天皇賞よりもソフトな仕上げだったというところもあったせいか、そこまで前進気勢は強くなかったゲートだったと思います。一方でリバティアイランドの方が上手に出ているというか、ちょっと前に行きそうな気配を見せるゲートだったと思いました。ただ川田騎手は最初からイクイノックスの後ろを取りにいくような競馬を狙ったところ、それからルメール騎手がイクイノックスを促したというところもありましたので、結果的には2頭は予想通りの位置取りという形になっています。先頭も外からパンサラッサが二の脚でハナに立って2番手にタイトルホルダーという形になりましたので、この時点でもう真っ向勝負になるというのが確定という1コーナーまでの入りだったと思います。ここでのもう1つポイントとしてはリバティアイランドがちょっと噛んでるような素振りがあったというところ、あと外からスターズオンアースビュイック騎手がポジションを取って来ているところっていうのが注目だったかなと思っています。以前福永祐一騎手がワグネリアンでダービーを取った時に、大外から前を取りに行ったっていうのはほんと散々擦られている話だと思うんですけれども、やっぱり東京の芝2400は、この1コーナーまでに入るところで外枠といえども前にポジションを取りに行くというところが大事で、今回それ馬を前に置かずに(テン乗りで)ポジションを取りに行けるというところに勇気を持ってやれるというのがやっぱりビュイック騎手上手いな、名手の証だなというふうに思いました。東京の芝2400は最後の直線が目立ちがちなんですけれども、やっぱり1コーナーまでにどういうポジションを取るかというのは、本当にその後のレース展開を決める、選択肢を狭めることになるのだというのは改めて思わされたところです。

向こう正面に入るとパンサラッサが11秒台前半のラップをずっと刻んでいくという大逃げで、離れてタイトルホルダーイクイノックス、リバティアイランドという並びで、先ほどの1コーナーの入りで先行したスターズオンアースが外の1つ後ろ、その後ろでドウデュースが追走するという形になっていました。結果としては、やっぱり展望で触れた通りここまでが勝負圏内という競馬になったと思います。ここから先は追走性能が問われる力勝負という形になりまして、直線に入るとイクイノックスがもう持ったものという手応えでもう仕掛けると、瞬発力が今日は素晴らしかったですね、本当にあっという間に突き放してリバティアイランドスターズオンアースを置いていく形。瞬発力でここまで差が出てしまって斤量差とか言っている状況じゃなくなってしまうというところはあるんですけれども、上がり1位33.5でまとめての圧勝という形になりました。完璧だったと思います。真っ向勝負に挑んだリバティアイランドが2着、スターズオンアースが3着とその後ろで脚を溜めたドウデュースが4着という形になりました。衝撃的という意味で言うとタイムを含めて天皇賞の方が上だったと思うんですけれども、レースの質、満足度という意味で言うと今回ジャバンカップが今年のベストレースと言ってもいいレースだったかなと思います。

勝ったイクイノックスですね。天皇賞よりもちょっとソフトなテンション仕上げだったと思うんですけれども、その分末脚がキレキレというか直線の手応えが抜群だったと思います。先行してこの脚を使われたらお手上げとしか言いようがないと思いました。木村調教師、正直ちょっと人間性は個人的にはまだ受け入れられないものがあるんですけれども(苦笑)、ノーザン天栄の力もあるとか色々あるんですけれども、やっぱり天皇賞をこれだけ強さを見せて、中3週のジャパンカップで馬のテンションをこれくらいソフトに持っていってっていう調教技術、仕上げっていうのはすごいなというのは思うところでありますね。ちょっと悔しいけどねってやつです。スタートも普通に出て、促されてもかからない、追走しても脚が溜まるし、脚が溜まって末脚がキレると本当に競争馬としてはこれ以上何もないという走りだったと思います。

2着のリバティアイランド。こちら真っ向勝負での2着というところで、やっぱりここまでどれくらい厳しいレースをしていたかというところの経験の差が出てしまったかなと思います。パトロールビデオを見ると、スタート直後外からスターズオンアースが来ているところ、それから道中も2度ほど頭を上げるしぐさもあって本質的に2400が長いのかなという印象もありましたし、(他馬からの)プレッシャーの分、完璧な騎乗はできなかったのかなとも言えるかもしれないです。ただ2キロをもらっていて調整過程で不安になったスターズオンアースに1馬身差。一方でスターズオンアースは大外というところもありましたので古馬になって、この2頭が直接対決という形になった時には、経験的にはスターズオンアースを上にとった馬券を買ってみたいなという感想を持ちました。あと4着ドウデュースですね。ジャパンカップは上がり性能を求められる舞台ですので、ダービー馬として意地を見せた走りだったと思います。ちょっと勝ち馬には差をつけられてしまいましたけれども2400でもまだやれるというところは見せましたので、来年の天皇賞秋を目指すもよし、オーナー、武豊ともども凱旋門賞を目指すもよし。これが関係者が納得できる競争生活を送ってほしいなと思いました。

今回フルゲートになったんですけども、だいぶ出走馬に力差がありましたので、レースが乱れるというか変なレースになる可能性もあったんですけれども、パンサラスタタイトルホルダーが出てきたというところと枠の並びですね。この辺があったので本当にシンプルに強さを競い合う能力選定競争として最高のレースを見せられた良いレースだと思いました。以上です。

蒼:ありがとうございました。続きましてこひさんの方からもよろしくお願いします。

こひ(以下、こ):私の方からもレースの見どころとしては非常にシンプルなレースになったかなと思っておりまして、ゆたさんからのコメントもありました通りタイトルホルダーイクイノックスリバティアイランドドウデュースの4頭が内に並ぶというところができた時点でこのレースは純粋な能力勝負というところになりました。このレースは当初フルゲート割れとか言われていました中、結局18頭揃いましたが、事実上は8頭くらいで競馬していったようなそんな状態だったのかなというふうに思います。

私個人としてはリバティアイランドに期待してましたが、この隊列は多分ルメール騎手も川田騎手も思い通りのポジショニングができた形だったのかなというふうに思います。それでこれだけしっかりした差がついてしまったということを考えますと、完敗だったなというふうに思いますが、こういった過酷な条件で過酷なレースを追走した経験が来年生きてきて、さらにパフォーマンスを上げてくれるといいなというふうに思います。レースの騎手的な見どころですと私もスターズオンアースビュイック騎手がすごい良いレース運びをしたなというふうに思いまして、やはりあの外枠からリバティアイランドと並んでいくところがありましたが、ワンチャンあったらイクイノックスの後ろのポジションを取ってやろうかというような、それくらいの勢いで持っていくという手腕は本当に素晴らしいなというふうに思いました。

そのあたりちょっと攻防を見直していた中で、ちょっと残念かなと思ったのはディープボンドに乗っていた和田騎手。ある程度行く気を見せてはいたんですがイクイノックスタイトルホルダーの後ろを取るよというような感じで、ちょっと外に出してきたところで、そのポジションを本来取りに行かないといけない馬なんですが、そこをちょっと引いたような形になりまして。最終的にレースに参加できないというところで、そこだけちょっと残念だったかなというような印象です。

改めてレース全体を見ていて思うのは、本当に日本競馬は速いラップをしっかり追走してそこから33秒台の脚を使うのが当たり前というような時代が来てしまったなというところで、これも一昔前からすると新時代ではないかなというふうに思います。イクイノックスはもうディープインパクトなどを相手に最強馬議論にも堂々参戦できるような馬になったかなと思いますが、ディープインパクト等が走っていた時代とはやはり時計が一つ変わってきたなというような印象です。その中で(走りが)キタサンブラック的な完成度の域に到達してきましたイクイノックスというのは、そういった日本競馬の新時代を象徴するような馬ではないかなというふうに思います。今となっては昔の話ですが、一昔前は大レースで時折ペースが遅くて文句を言うというような流れがあったかなと思います。追走義務違反ですとか、コラムで柏木集保が文句をたれたりですとか、そういうこといろいろあったかなと思いますが、今はそういう競馬をしていたらそもそも戦えない時代に到達しつつあるなと。逆に今回ジャパンカップは外国馬1頭だけでしたが、このフィールドにいきなり海外から馬を持ってきて通用するのも難しいなというところが、能力というよりは持っている競馬の質としてはっきり出てきつつあるんじゃないのかなというふうに思いました。

イクイノックスはもう一戦使うのか、ひょっとしたらここで引退なのか、レース後のキムテツやルメールの涙とか見ていても、ちょっとわからないなというところはありますが、あえてこの回顧ではっきり思ったところで言いますと、イクイノックスの今回のレースを見て久しぶりに史上最強馬という言葉が自分の中から湧き出てきたなと思いまして、やはり条件ペースポジショニングいろんなものを問わずして何が来ても負けないようなそういう領域にたどり着きつつあるなという印象です。私はもともと「最強馬は?」と聞かれたらテイエムオペラーというタイプの人間なんですが、あの馬を最強と言っている人間からしても、この馬にはつける隙がないんじゃないのかなというようなそんな印象というのがちょっと湧き出てきているなという状態です。あとは本当にどんな形に最後なるかはわからないですが、本当はこの馬が無事にスタリオン入りできるかどうかというのは、次の日本競馬のステップに進めるかというところでもすごく大事なところかなと思いますので、何より無事な形で次の展開が見えることを願っています。以上です。ありがとうございました。

蒼:お二方からお話を伺いましたが、何かお互いの話を聞いて付け足しや補足などございますでしょうか。

ゆ:そうですね。史上最強馬という話が出て、昨日ちょっとX(旧Twitter)の方でまはる殿下がチラッと言っていたので、そうだなと思ったんですけど。イクイノックスも多分ポテンシャル、レース内容で見ると史上最強馬だと思うんですけど、そこまでのインパクトを本当に競馬ファン以外まで伝えられているか?というと伝えられていない部分はあると思っていて。

蒼:競馬ファンはともかくディープインパクトみたいな社会現象的なところで言うとまだという感じは確かにしますね。

ゆ:そうするとそこでやっぱり三冠馬、菊花賞、天皇賞春というギミックがやっぱり日本競馬を語るでは効いてくるんだなと。ここでやっぱり菊花賞を勝ってたりとか、天皇賞春を勝てたりすると、またもう一個上のレベルの人気が出るのかなというのはちょっと思ったところではあるので。これは良い悪いじゃなくてそれが日本競馬のエンタメの作りだと思うんですけれども、そういうところも含めて人気になりたい馬を持ったら。天皇賞春や菊花賞から逃げないという選択肢も関係者にとっては必要な判断になることがあるのかなとちょっと思ったところでした。

蒼:はい、ありがとうございました。こひさんの方はどうでしょう。

こ:今の話すごい面白いなと思って聞いてまして、やっぱり三冠馬かどうかっていうのは結構大事ですよね。あとは日本競馬についてはマスコミの扱われ方と含めて、もう一個の要素が海外遠征なのかなと思っていて、それを当然イクイノックス自身はシーマクラシック行って、レースしてるんですけれど、やはりそれが凱旋門賞に行ってないというところも一つあるのかなと。私個人としては完全に馬の適性を見た上で行かないという選択肢自体は、全然悪いことだと思ってないんですけれど、やっぱりそういうヒーローとしての取り扱いというところで言うと、その2点がなかなか評価があまりされないところかなというところは思いまして。ある意味先ほど日本競馬の新時代の話をしましたけど、旧時代のいいところなのかもしれないなとは思いますし、逆にそういったところに若干シンパシーを感じるのがテイエムオペラオーがいまいち人気がなかった理由と似てるなというのも同時に思います。

ゆ:やっぱり三冠挑戦からの海外遠征っていうこのフォーマットの強さですよね。

蒼:そうですね。その型にハマらないシンボリクリスエス的な感じですもんね。強くなり方を見てますと。そう考えるとダービーはなんだかんだ毎年1頭生まれますし、やっぱり三冠を取らないと一般のスポーツニュースまでなかなか降りてこないというのもあるのかもしれないですね。

こ:そうですね。そういう意味ですとこの(ジャパンカップで三冠牝馬と)マッチアップをやれたというところはこの馬にとっては幸運かなと思っていたんですが、もっとガチガチの接戦の方が印象的だったかもしれないですね。とはいえ馬は一緒に出てくるライバルは選べないので我々はイクイノックスのパフォーマンスを称えるしかないんですが、そのあたりのストーリー性の難しさというのはこの馬にありますね。

ゆ:このイクイノックスの強さっていうのをどう伝えていくかっていうのはなかなか難しいところだと思いますし、イクイノックスには本当に種牡馬入り後に、もっともっとこう一般社会に通じる強さを期待したいなと思いますね。

蒼:そうですね。あと老害おじさんとしてはイクイノックスが種牡馬として活躍した際に、これはキングヘイローが効いているみたいなことをあまり言わないようにしようと心に誓いたいと思います(笑)。

ゆ:言いたくなりますよね(笑)。

蒼:言いたくなりますね。言いたくなりますがグッと我慢して本馬のポテンシャルを語り続けたいなと思います(笑)。

第68回京阪杯

第68回京阪杯 出馬表

蒼:ちょっと行われたばっかりで本当のリアルタイムアタックにはなってしまうんですが軽く京阪杯の方の回顧。こひさんの方からお願いできるということだったのでお願いいたします。

こ:まだ詳細なタイムも出てないところではあるんですが、ちょっとまとめたいと思います。京阪杯というレースですが、ジャパンカップの裏ということもありまして騎手もいろいろだったり、展開も馬場状態が悪く外差しが決まる年があったりと、割と混沌としがちなレースではあるかなというふうに思いますが、今年久しぶりに京都競馬場に戻りましてそこまで内が使えないでもない馬場状態というようなところで比較的能力というのは発揮しやすい舞台だったのかなというふうに思います。メンバーの構図としてはオープンからG3路線を走っているタイプのメンバーと、G1路線で負けて転戦してきているタイプの馬と、あとは上がり馬というところが重なるような構図になりまして、終わってみましたら実績通りですね。G1級で戦える能力を示してきましたトウシンマカオが巻き返しをして完勝するというレースだったかなと思います。

レースの方はビッグシーザーが飛び出したところに外からヴァトレニがちょっと抑えきれないような形で並びかけていきまして、あまりゆったりというような形ではないペースだったかなというふうに思います。最終的にはそのビッグシーザーが最後まではある程度粘ってはいたんですが直線は最後差し組が伸びてくるような形になりました。速く流れた中でレースの上がりとしましては33秒台が出ておりまして、一定のペース、締まったレースである程度能力がストレートに問われたレースだったのかなと思います。

そういった形になりましたのでトウシンマカオが勝つ形になりましたが、比較的枠いろんな条件が向いてないところで走らされるケースが多かったかなというような印象でして、ようやくスムーズに走れる条件が巡ってきましたところを、しっかり勝ち切るというような形で生かしたかなというふうに思います。もともとG1でも枠や展開に恵まれれば勝ち負けというレベルでもある馬かなと思いますので力通り走れれば、これだけしっかりとした差がつくそういったレースだったかなというふうに思います。2着しました3歳の上がり馬のルガルもこういったペースですので、一定の力は示したと見ていいのかなと思います。3着に突っ込んでいきましたエイシンスポッターは京都が割と舞台的には良いような印象ですし、4着のトゥラヴェスーラみたいな馬が飛んでくると、一緒に来るようなキャラになるかもしれないなと思いました。これまでの京阪杯と比べると割と素直に出てきた結果というのを評価をしていい、そんなレースだったかなという印象です。以上です。

蒼:はいありがとうございました。とてもどうでもいい話ですがトウシンマカオ京阪杯連覇ということで阪神の京阪杯と、京都の京阪杯を勝ってもうこれ以上の京阪杯馬は出てこないのではないかという気がします(笑)。

こ:間違いないですね。久しぶりにレース前に京阪電車が出てきてよかったなと思います(笑)。

第10回京都2歳S

第10回京都2歳S 出馬表

くらみゆた(以下、ゆ):京都2歳ステークスここ3年ほど阪神競馬場で行われていました。京都時代から含めて重賞になってから、なかなか春の三冠クラシック競走につながっていないレースです。ダービーを狙う馬は、東京競馬場を経験させたい。皐月賞を狙うんだったらホープフルステークスがある。京都内回りの2000mという、牡馬のGI競走では使われないコースというところが繋がらない理由にあるのかなというふうに思います。今年の勝ち馬も内容は良かったと思うんですけれども、どう繋がるかというところでは、ちょっと未知数のあるところがあるかなと思っております。

レースのほうなんですけれども、外からカズゴルティスが引っ張る流れで1コーナーに入るところで単騎逃げの形にはなったんですが、かなり力んだ走りで少々抑えが効かない形になっていました。2番手にオールナット、3番手にホウオウプロサンゲサトノシュトラーセがその外、ギャンブルルームが中団で人気のシンエンペラーは後方からという隊列で向こう正面に入っています。向こう正面に入ってもペースが緩まず前半が46秒8という流れで縦長の隊列となりました。そこからさすがにペース少し落ちるんですけれどもそのタイミングで後続勢はじわっと前を詰めて馬群が詰まる形になっています。ラップを見ると坂の上り12秒8とその前を含めて息が入ったように見えているんですけれども、実際はここで前の馬には厳しい形、消耗戦という形になったと思います。残り600mで馬群が一塊になって直線入るとサトノシュトラーセが抜け出すところを外からプレリュードシチーが伸びつつ、残り100mからは馬場の真ん中を伸びてきたシンエンペラーが最後は差しきっての重賞勝利という形になっております。

勝ったシンエンペラーですね。こちらは凱旋門賞馬ソットサスの全弟というところで、この時期に父シユーニ、母父ガリレオの欧州血統で重賞を勝たせるのですから、やはり矢作師の相馬眼がすごいなというのが第一の感想ではありました。ただレースを振り返ると、残り1200m地点から後方が動き始めるという、かなり我慢勝負でシンエンペラーも上がりが35秒3。他の馬含めても上がり最速が35秒2という、ちょっと特殊な競馬だったかと思います。この時期の中距離戦では珍しくスタミナが問われる消耗戦になっております。人気馬の父がSiyouniキズナジャスタウェイと比較的前受けしたかったりとか、キレないな馬が多いというところもあったので、待っていると届かないという騎手の意識も含めて、こういう競馬になったのかなというふうに思います。究極の瞬発力、スピードが問われるのが日本ダービーですので、そこに向けてという意味ではちょっと繋がらないかなというような印象はあります。京都2歳Sとしてはペースは違うんですけれども例年通りの印象かなと思いました。シンエンペラーも道中は上に逃げるようなフォームで、まだまだ馬体も完成している中で消耗戦を最後まで動き切ったので、ポテンシャルは素晴らしいものがあるなとは思うんですけれども、やはりどちらかというとヨーロッパに持って行ってほしいなという馬なので、藤田オーナーには日本ダービーと言わず本番のダービーもしくはフランスダービー、凱旋門賞狙って、ワールドツアーをしてもらいたいなというふうに思いました。あとはいつものことですけどモレイラ上手ですね。直線前に進まなかったんですけれどもペース落ちた向こう正面に外に出すと、直線は馬場の良い外目を選んでサトノシュトラーセが左鞭入れるところを確認してから前が開いたときにしっかり進路確保してというところで、モレイラ騎手にとっては十分な間隔だったかなというふうには思うんですけれども本当によくしっかり勝たせるなという印象でした。

あとは2着のプレリュードシチーこちらはハーヴィンジャーらしくて小回りの2000mをうまく減速することなく伸びるというところが良かったと思います。母父メイショウサムソンというのもこのレースの特性を表しているのかなというふうに思います。こちらもローカル重賞でないと今後は狙いにくそうかなというイメージですね。内容が一番あったのは3着のサトノシュトラーセ。前が厳しい展開で3着に粘り込んだという点は良かったと思います。結構楽しみはあるなと。ホープフルステークス筆頭に中山の重賞を狙えば、もしかしたら一発あるかなというイメージですね。

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